Hi-ch用トランジスタアンプ製作(まとめ編4)

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まとめ編4

引き続き製作のまとめを行います。

アンプユニット通電

組立前にアンプユニット単体で通電および調整を行います。電源はユニバーサル電源から供給しましたが、給電ポイントが多いので、配電用の基板を作成して対応しました。

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アンプユニットの通電結果は以下のとおりです。

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組立

サイドパネルにフロントおよびリアパネルを取り付けて、最後にボトムシャーシを取り付けました。

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電源系の配線を行うために、一旦左側のサイドパネルを外します。

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配線完了後、電源単体の動作確認を行いました。各部電圧の確認と電源ランプの点灯確認を行いました。

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上の写真がSWオフ時で、下がSWオン時の点灯状態です。次はアンプユニット電源配線です。電圧増幅段、ドライバ段、終段へ配線します。

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通電は最初に方側を行い、もう一方のアンプユニットの電源配線を行って両側の確認を行いました。

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アンプユニット最終調整

正規の電源と組み合わせて各アンプユニットの最終調整を行いました。各基板の調整結果は以下のとおりです。

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ドライバ段と終段の電源オフ時の各部電圧も念のため確認を行いました。

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温度補償回路動作確認

終段のバイアス電流の熱暴走を防ぐ為の温度補償回路の動作確認を行いました。終段の2本のエミッタ抵抗(0.33Ω x2)の両端電圧を測定して電流値換算して、その変化をモニタしました。

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4つのアンプユニットの確認結果は以下のとおりです。

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結果から、正しく動作している事が確認できました。

入力配線

間違いなく作業を行うために、XLRパネルコネクタを外してコネクタ配線を行いました。

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反対側は、基板の端子台に接続します。

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これでアンプの組立は完了です。

周波数特性の測定

測定は、発信器出力をバランス変換ボリュームユニットでバランス信号に変換してアンプに入力します。アンプの出力には8Ωのダミー抵抗を取り付けました。0.2Vppの正弦波を入力して出力波形をオシロスコープでモニタしました。各アンプユニットの周波数特性は以下のとおりです。

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各アンプユニットの周波数特性は良好です。念のためカットオフ周波数(-3dB)の確認も行いました。

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結果は変な感じもしますが、入出力のバランス信号の振幅を比較すると素直な結果になるように思われます。

まとめのまとめ

私のNS-1000Mのマルチアンプシステムは、今回の製作で以下のとおりとなりました。

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設計で広帯域化を考慮したとは言え、無帰還の真空管アンプとの比較では今回製作したアンプの方が私の好みの音となったように思います。当面この構成で音楽を楽しみたいと思います。9月に構想を開始して約4ヶ月間製作を楽しめました。今後もこのアンプで音楽を楽しむ事を考えると、あながち贅沢な趣味ではないと思います。今回も長い間おつきあいいただきありがとうございました。

 

おわり(まとめ編4)