サブウーハーの製作(構想編1)

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構想編1

フルレンジスピーカーの音をより良く聴く為に、サブウーハーの製作を構想します。

きっかけ

年始にFE103を使ったフルレンジスピーカーを久しぶりに引っ張り出して聴いてみました。エンクロージャは学生時代に製作したバスレフ方式です。当時取り付けていたFE103はコーンがボロボロになった為に2016年9月に当時販売されていたFE103Enに交換したものです。最初は昨年製作したHi-ch用A級BTLトランジスタアンプで鳴らしました。悪くはありませんが、長時間聴いていると疲れる印象でした。

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次は、Mid-ch用EL34A級プッシュプルアンプで鳴らしてみました。

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FE103Enとの相性が良く、特にシンプルな女性ボーカルの楽曲はいい感じで聴く事ができました。FE103Enはその前のFE103Eおよび現行のFE130Nvと比べてQ値が低くオーバーダンプよりのチューニングとなっています。その結果トランジスタアンプよりも真空管アンプと組み合わせた方がバランス良く聴く事ができたと思われます。

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ベース、ピアノとのセッションの楽曲もそれなりに聴く事ができますが、ベースの音がどうしても薄くなります。この定位の良さを生かしつつ、低音の厚みを増やしたいと思い、サブウーハーの製作構想をする事にしました。久しぶりにマルチアンプシステムから離れた製作となります。

サブウーハー

元々サブウーハーに対してあまり良い印象を持っていませんでしたが、インターナショナルオーディオショウのFostexのブースで聴いた限りではあまり違和感がありませんでした。情報収集の為にFostexのHPを見てみました。Hi-Fiシリーズに2つの製品がラインナップされていて、上位機種はMFB(モーショナルフィードバック)が採用されていました。どちらの機種もR-chの低音域を再生する仕様となっています。

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昔のサブウーハーは、L-chとR-chを加算してモノラル化した信号をLPFを通して信号生成をしていたと記憶しますが、今は違うようです。昔は振幅の大きな低音域の楽器はセンター定位させていたと思います。そうしないと(アナログ)レコードの溝の深さが維持できずにスタイラスのトレース性を損ねると聞いた記憶があります。現在はアナログレコードの仕様を意識する必要がないので、低音域の楽器の定位も自由にできるからだとおもいます。サブウーハー設置の理想形態は、L/R独立仕様です。今回はR-ch仕様で製作したいとおもいますが、L/R独立サブウーハー仕様への拡張も考慮して構想を進めたいとおもいます。

システムブロック

いままで製作したバランスボリュームユニットの出力を横取りしてLPFを通してサブウーハー用の信号を生成する構成で検討を進めます。ブロック図を描くよりも回路図の方が手軽なので、構想用に作成してみました。

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入力は、DACからのバランス信号が入り、ボリュームを介してメインチャンネル用のパワーアンプにバランス出力します。サブウーハー用の信号は、ボリューム出力を一旦バッファアンプに入力して、LPFでサブウーハー用帯域とします。その出力をボリュームを介してバランス出力し、サブウーハー用のパワーアンプに入力します。LPFはもう1チャンネル分の実装スペースを確保しておけば、L/R独立サブウーハー対応も可能です。

クロスオーバー周波数

FE103Enの周波数特性を確認します。生産終了品ですが、FostexのWebサイトにありました。

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R-ch方式でカットオフ周波数を上げると、低音楽器の定位に影響を与えるとの事なので、100Hz以下に設定したいとおもいます。これでだいたいの構想がまとめられたので次回は設計をします。

 

つづく(設計編1)