12chアッテネータ2検討(製作編9)

製作編9

動作検討用のソフトを作成し、ATT動作を確認します。モーター駆動回路の見直しもします。

demo3

position値を0から1000mVステップでアップさせて、各ステップ抵抗値測定用に10secのwaitを設定しました。4連ボリュームの1つにマルチテスターを接続して抵抗値のモニターをします。実行時のオシロスコープの画面は以下のとおりです。


最初にpositionを0に戻してから1000ステップ刻みでボリューム位置が上がっています。この動作では、position0の抵抗値の観測ができないので、さらにwaitを追加しました。

これで6ポイントの抵抗値を観測できます。実行時の画面は以下のとおりです。

end 1sec down後のstop=の6つの数値がwait中のposition値です。このソフトを使ってHigh-chボリュームのATT動作を確認してみました。結果は以下のとおりです。

position値はおおよそ1000単位で上がっていますが、No.0とNo.5は必ず到達できる目標positionを設定して、到達後にさらに1sec間駆動して上限と下限に張り付かせる動作をさせています。それなりの動作をしている事がわかりました。同様にMid-chとLow-ch用ボリュームの動作確認を行いました。

この結果を見ると、ATT=Max(No.0)以外のATT値はほぼ近い値となっている事がわかります。現段階では、ボリューム毎の補正値はなしで進める事にします。

回路見直し

現行回路には1点問題を残したままとしていました。下記はボリュームモーター駆動時の各部電圧の観測結果です。

ボリューム駆動用モーターの定格電圧は4.0~6.0Vですが、3.8Vと定格値を割っています。この電圧を定格値まで上げるために、単電源オペアンプの見直しを行います。秋月電子にラインナップされている単電源オペアンプのデータシートを端から確認してみました。下記は現状選定のNJM2904の電気的特性表です。

この表は+5V単電源動作時のものですが、最大出力電圧振幅のmin値が3.5Vとなっています。このパラメータの値が大きい物に選定し直します。ありました。下記はNJM13404の電気的特性表です。

この表も+5V単電源動作時のものです。最大出力電圧のmin値は4.0Vとなっており、現行品にくらべて0.5V改善すると考えられます。価格も1個40円と高くはありません。早速注文しました。

見た目はなんら変わりません。早速モーター駆動基板に実装して確認を行います。

ソフトは単純に正転動作をづづけるdemo4を作成しました。結果は以下のとおりです。

オペアンプ出力電圧は、電気的特性表どおり0.5V上がり5V出力となりました。この結果ボリューム用モーター駆動電圧は4.3Vとなり、モーターの定格値内とする事ができました。現状の動作にはなんら問題はありませんでしたが、経年劣化時の動作を考慮して対策しておきます。次回はATT動作の確認を引き続き行います。

 

つづく(制作編10)