12chアッテネータ2検討(製作編14)

製作編14

PWM駆動仕様とポジションテーブルを見直します。

demo15

PWM駆動duty66%とした事でボリュームの移動速度が下がっていると考えられます。以前に単純な制御時の全域駆動波形をとりましたが、その際の移動時間は約8.8秒でした。

同様の確認をdemo14のソフトで行ってみました。駆動波形は以下のとおりです。

全域移動時間は約12.9秒と単純駆動時に比べて4.1秒余計に時間がかかっています。この欠点を解消するために、ショートジャンプ時のみPWM駆動とし、長距離ジャンプ時は単純駆動としてみました。現在位置と目標位置の差がshortjampで設定した値以下の時にPWM駆動するように変更しています。

shortjampの値を500に設定して全域移動時の駆動波形を確認しました。

移動時間は9.6秒に抑える事ができました。当面この設定で検討を進めたいとおもいます。

ポジションテーブル見直し

ボリュームの制御精度があげられたので、ポジションテーブルを作り直します。作り直しに際して、ATTのステップの見直しをします。今まで31ステップとして検討を進めてきましたが、テスト時の手間がかかりすぎるので、使い勝手に影響が出ない範囲でステップ数を減らしました。具体的には-24dBを削除し、-25dB以下を2dBステップから3dBステップに変更しました。この見直しで31ステップから3ステップ減らして28ステップとなりました。ポジションテーブル見直し用にdemo16を作成しました。ベースはdemo15で、キー操作により、ポジションをkstepで設定した値で増減できるように変更しました。実行画面は以下のとおりです。

最初はkstepを30として確認をスタートしましたが、刻みが荒く希望のポジションに移動する事ができませんでした。kstepを20に変更して改めて確認をスタートしましたが、まだ不十分だったため、最終的に15まで下げました。このソフトを使ったポジション決定の結果は以下のとおりです。

0dBの結果を除くとすべてのポイントで偏差が0.2dB以下に収まっています。各ポイントの偏差については、正直あまりこだわりはないのでこの結果で進める事にします。

demo17

上記の結果をdemo15に反映させました。変更点は以下のとおりです。

・ATT値配列の変更

・ポジション配列の変更

・上記各配列のサイズ変更

変更結果および実行結果は以下のとおりです。

記事を書いていておもいましたが、配列のサイズ(ATT総ステップ数)が直値(28)となっていますが、#define文で数字を指定した方が後で変更しやすいとおもいました。

4連ボリューム偏差

demo17の動作確認を兼ねてLow-ch4連ボリュームの偏差の確認をしてみます。前回の記事でボリュームの仕様上のmax値は3dBとなっている事を確認したので、その実力を確認します。方法は-34dBから1ステップづつ上げていき、各ステップで4つのボリュームのアッテネーション値を確認していきます。4つのボリュームのアッテネーション値の確認は、手動でマルチテスターの接続を変えて確認を行いました。

正直なところ相当な手間がかかりました。この作業を行う上では上記のステップ数の見直しは効果がありました。結果は以下のとおりです。

最大偏差は0.9dBで、各ステップの平均偏差は約0.4dBでした。仕様書のmax値は相当緩く設定されている事と各ステップの偏差はそれなりにある事がわかりました。次回はMid-ch、High-ch用ボリュームの動作を確認します。

 

つづく(製作編15)