12chアッテネータ2検討(設計編5)

設計編5

予定を変更して、ケースを選定してボトムシャーシ加工図を作成します。

ケースの選定

前回の記事で、「次回はデジタル系電源の実負荷動作確認を行う」としていましたが、ケースの入手に時間がかかり、作業に穴があき、ひいては記事にも穴があいてしまう事を心配して予定を変更しました。ケースは、他の機器とデザインを合わせるために、タカチ電機工業のOS88-32-xxSSシリーズとします。このシリーズはトップシャーシとボトオムシャーシを含めてアルミ製で加工がしやすく、アルミサッシ構造で簡単に分解できます。88は高さ寸法を表し、32は幅寸法です。最後のxxは奥行き寸法で、複数の選択肢があります。(本記事アイキャッチ写真参照)高さ88のケース前提としましたが、必要な部品が収められる事を確認します。確認が必要な部品はモーターボリュームAssyです。

写真のとおり木の台座に固定しています。今の構造上、板金にきっちり固定してしまうと、ボリュームの軸に負荷がかかり、モーターで駆動できなくなってしまう為です。現状の高さは約79mmです。OS88シリーズの内部の有効高さ寸法を確認します。

図面はOS88-32-43SS側面版の図面です。上下のフランジは、ボトムおよびトップシャーシを受ける為のもので、それぞれ外側にシャーシが固定されます。この図面から内部のフランジ部を除く有効高さ寸法は80mmと読みとれます。現状ぎりぎり収まる寸法ですが、余裕が全くありません。現状の台座は評価用に手元にあった木片に取り付けたものなので、カット寸法の見直しとともに現状板厚15mmを見直して、高さの余裕を稼ぎたいとともいます。上記の側板図面は奥行き43cmタイプですが、そのワンサイズ小さい物は33cmです。さすがに33cmでは厳しそうなので、43cm前提(OS88032-43SS)で検討をしてみます。

基板配置検討

初めに筐体内におさめる部品を整理します。

1)バッファ基板2枚(72 x 95)

2)電源基板(72 x 95)

3)モータードライバー基板(72 x 95)

4)arduino UNO(60 x 80)

5)アナログ電源用トロイダルトランス(65 x 65)

6)デジタル電源用トロイダルトランス(70 x 70)

7)モーターボリュームAssy(140 x 150)

モーターボリュームAssyは位置検出用ボリューム取り付け板のL字金具の向きを内側に変えて、サイズを小さくする事を前提としています。配置の検討は二次元CADソフトを使って行います。ボトムシャーシの外形寸法内に、上記の四角の枠を並べていきます。まずはボトムシャーシの寸法を確認します。下記はケースの図面の抜粋です。

有効寸法とは、サイドパネルフランジとフロントおよびリア部のアルミサッシフレームのフランジ部分を外した寸法です。この有効寸法内に上記部品の四角の枠を並べます。配置で考慮した点は以下のとおりです。

・バッファ基板2枚は、出力用端子台をリアパネル側にして並べる

・上記のバッファ基板の手前にモーターボリュームAssyを配置する

・さらにその手前にモーターボリューム駆動用基板を配置する

・リアパネルの近くに電源トランスを置く

・電源トランスの近くに電源基板を配置する

・電源の手前にarduino UNOを配置する

上記を考慮して配置をしたものが、下記図面です。

arduino UNOとサイドパネル間に余裕をとったので、トップパネルを外すだけで、arduino UNOのUSB端子にプラグを挿す事ができます。配置にはやや余裕はありますが、ワンサイズ下(奥行き33cm)のシャーシへの配置は厳しそうです。次回はリアパネル、フロントパネルの加工図を作成します。

 

つづく(設計編6)