12chアッテネータ2検討(製作編32)

製作編32

設計に余裕のない、デジタル系電源の実負荷動作確認を行います。

電源回路

下記回路図が今回確認する電源です。

5系統の電源を1枚の基板に納めるため、デジタル系の電源をぎりぎりの設計としました。デジタル系の電源は+12V/+6V/+3.3V出力をしますが、適した仕様のトランスが見つからず、設計のマージンの低下に拍車をかけてます。その中でも6V系電源が一番厳しい状況です。そこで事前にデジタル系電源のみ実負荷動作確認を行います。

実負荷動作確認準備

電源基板へは、使用予定のトランスから電源を供給し、負荷は実際の基板およびモーターボリュームAssyを使用します。テーブルに単純に基板を並べて確認を行うとトラブルの元となるので、アルミ板にトランス、基板等全部品を固定して確認を行います。初めに電源基板に電源を供給するトランス二次巻線の位相確認を行います。

確認の前に未使用電線の処理を行います。具体的には一次巻線の120V電線を処理しました。

次に一次巻線に電源プラグを取り付けます。安全性を考慮してヒューズも取り付けました。

二次巻線は6.3V-0Vが2個です。1つの巻線の0V電線と他の巻線の6.3V電線を接続し、万力で電線を固定しました。

この出力波形をオシロスコープで観測して位相を確認します。2つの巻線の接続ポイントをGND接続して、残りの電線を2つのチャンネルで観測しました。

想定どおりの位相となっている事が確認できました。固定用のアルミ板は、DACユニットのブレッドボード状態の評価で使用したものです。

DACユニット搭載基板やトランスに合わせて取り付け穴があけられていますので、今回は新たに穴開けをせずに、この穴を利用して部品の取り付けを行いました。穴位置が合わないので基板は最悪1点止めです。

組立途中でarduino UNOへ電源を供給するDCプラグの準備を忘れている事に気づきました。

arduino UNOの電源コネクタは外形5.5mm/内径2.1mmセンタープラスです。平衡電線を使用して作成しました。

問題なく製作できました。このプラグを使って製作を進めます。

かなり配線が入り組んでいますが、配線間違いが気になります。

実負荷動作確認

実負荷の内訳は以下のとおりです。

12V:arduino UNO, ミュートリレー(バッファ基板2枚)

6V:モータードライブ基板

3.3V:OLED表示パネル

初めに単純に起動確認を行います。電源オンするとOLEDパネルに正しく表示がでました。但し、モーターボリュームのイニシャル動作が完了しません。一旦電源を切り配線を確認したところ、モーターボリュームと位置検出用ボリューム配線がH-chとL-chが入れ子になっていました。修正して電源を入れ直したところ正しく動作するようになりました。確認のポイントは、12V系と6V系電源用に半波整流出力電圧です。それぞれオシロスコープで観測します。負荷を上げるため、ミュートオフの状態でいろんな動作をさせてみました。観測結果は以下のとおりです。

上が12V系で下が6V系の波形で、ACモードで観測しています。それぞれ530mV/560mVのリップルを確認しました。設計上6V系電源のマージンは0.8Vしかなく、この状態でギリギリです。そこでch-2を6V出力に接続変更し、DCモードで波形観測を行いました。いろんな動作を試しましたが、長距離移動スタート時の負荷が一番重く、6V出力の低下が観測されました。

上が半波整流波形で、下が6V出力です。スタート直後から3波まで6V出力が低下しています。その後、モーターの回転が上がりモーターの逆起電力によって電流値が下がる事で電圧降下が収まっています。短距離移動制御時は、モーターをPWM波形で駆動しています。その際のdutyは66%の為、モーター電流が下がり電圧低下は発生しませんでした。結果として、長距離移動制御スタート時のみの電圧低下なので、動作への影響は全くありませんでした。電源オン直後、モーターイニシャライズを行う為長距離移動制御に入ります。そこで電源オン直後の電圧も念のため確認しました。

電源オン直後はミュートオンとなっている事で、トランスの二次巻線電流が下がる為、影響はやや緩和されていました。動作上の問題もありません。これで安心してケースへの実装ができます。次回はケース加工を行いたいとおもいますが、ケースの発送連絡がまだ届いていません。どうなる事やら・・・

 

つづく(製作編33)