オシロFFT活用検討(製作編4)

製作編4

製作したフィルタ回路を使って、発振器の信号をFFT解析してみます。

FFT解析動作確認

構想編でオシロFFT機能は、プローブやオシロの感度設定に関わらず、オシロの入力で4Vppの信号が0dBとして観測される事を確認しました。今回製作したフィルタ回路の初段の10倍(20dB)の増幅をしている為、フィルタ回路入力で0.4Vppの正弦波が0dBとして観測される事になります。今回の確認では、0.4Vppの正弦波の周波数を変えて、オシロFFT解析結果のレベルの確認を行います。信号はCold側に入力し、ジャンパSWは1に挿入しました。初めに100Hzの信号を入力してみました。

画面上部が観測波形で、下がスペクトル解析結果です。サンンプリングを1msとして、10Kサンプリングしているため、観測波形は帯状に見えています。記事作成時に思いましたが、サンプリング周波数を変えずに、タイムスケールを拡大すれば波形確認ができるとおもいます。後で別途確認したいとおもいます。スペクトル解析結果は100Hzにピークがあり、カーソルの読み値は0.4dBでした。200Hz, 300Hz, 400Hzに高調波成分のピークも観測されます。想定どおりの結果となっています。上記結果は測定時間を考慮してアベレージ回数を4としています。次に周波数を200Hzに上げてみました。結果は以下のとおりです。

ピークが200Hzに移りました。レベルは0.4dBのままです。高調波成分は400Hzに観測されています。さらに周波数を300Hzに上げてみます。

ピーク周波数は300Hzに移りました。高調波と見られるピークが400Hzに観測されていますが、300Hzの2次高調波が500Hzで折り返されて観測されていると考えられます。

さらに信号の周波数を上げて、上記結果の2次高調波折り返し周波数に相当する600Hzの正弦波を入力してみます。

ピークは400Hzに観測されていますが、レベルは-8.8dBにダウンしています。4次のアクティブフィルタの限界です。さらに信号を800Hzに上げてみました。

ピークは200Hzに移り、レベルは-20.4dBとなっています。ほぼ設計どおりの結果となっています。この結果からアクティブフィルタの減衰量が大きくなるまでの周波数帯域(500Hz~1KHz)の信号の有無を常に意識しながら観測する配慮が必要そとなります。

製作機器測定準備

今回の製作の目的は、アンプ出力のハム特性の測定です。真空管アンプは、負荷抵抗により終段のゲインが変わるため、抵抗によるダミー負荷が必須です。私のスピーカーの公称インピーダンスは8Ωなので、8Ωの負荷を準備します。秋月電子のラインナップを確認しましたが、都合のいい物がなかったので、1Ω3本と5Ω1本を直列接続してダミー抵抗を準備する事にしました。ノイズ観測が目的なので、許容負荷は小さくても問題ありませんが、他への転用も考慮して5Wのセメント抵抗を選択しました。

サイズが大きいのでフォーミングを考えながら、直列接続していきます。まずは5Ωと1Ω抵抗を直列接続しました。

コンパクトにまとめる為に横並びで密着状態としています。残りの2本の1Ω抵抗も同様に接続し、それを積み上げて4本を直列接続しました。

できあがったダミー抵抗をアンプのターミナルに取り付けてみました。こんな感じです。

いい感じに取り付けられました。これで測定準備が完了です。次回は準備が整った測定環境を使って実際にアンプのハム特性を観測してみます。

 

つづく(運用編1)