終段スイッチング電源検討(設計編1)

設計編1

パワーアンプの保護回路の検討を行います。

スイッチング電源

本記事のアイキャッチ写真は、今回購入したスイッチング電源です。1台発煙の為返品しましたが、トータル7台も購入してしまいました。このうちの2台のみを使用します。残りはどうしたものか・・・。

出力保護用リレー

今までいくつもパワーアンプを製作しましたが、出力保護を行ったものは1機種もありませんでした。今回は終段用電源にスイッチング電源を使用する事から、2電源の立ち上がり時間差と故障時を想定して出力保護回路を実装する事とします。出力保護回路の基幹部品はリレーです。昔はオーディオ用リレーを簡単に調達できましたが、まずは探してみます。まずは秋月電子のラインナップを確認してみます。オーディオ用リレーで検索しましたが、見つかりませんでした。仕方ないので、Yahooで検索したところ秋月電子ラインナップのリレーがヒットしました。やれやれ。

このリレーはお客様の要望によりラインナップされたものとの事で、ALA2F12(Panasonic)、G5PA-28-MC(オムロン)の形状互換品です。メーカーはHSIN DA PRECISION CO.,LTD(台湾)で型式は981-2A-SP7、操作電圧12Vで2A接点です。形状互換の2品種と仕様を比較してみます。

一番気になる点は接点の材質です。981-2A-SP7は「Au+Ag Alloy銀合金」です。Panasonicのリレーには2品種あり1つは3A定格品で「AgNi系にAuクラッド」もう1つは5ATV定格品で「AgSnO2系」でした。オムロン製リレーについては、カタログ記載はありませんでした。できればAuクラッドタイプを使用したいところですが、ないものは仕方ありません。出力保護用としての使い方は少し迷いましたが、特性重視の為に以下のとおりとしたいとおもいます。

Hot出力とCold出力に直列に挿入する場合と比較して、リレー接点の接触抵抗を1/4とする効果が期待できます。BTL方式ステレオアンプを構成するにあたり、2個実装する事になります。

保護回路制御

大げさかもしれませんが、マイコン基板を使用したいとおもいます。ソフト変更により、動作条件を簡単に変更できる事がメリットです。マイコンソフトの概略仕様を整理します。

・出力ミュート時にランプ点滅、ミュート解除でランプ点灯

・電源オン後1秒間(暫定)ミュート

・4つのアンプ出力のDCオフセット電圧のモニタ

・上記モニタ値が規定の値を超えた時点で出力をミュート

マイコン基板は今までの使用実績からarduino UNOを使用したいとおもいます。

ランプ駆動回路

ランプは他の機器とデザインを統一する為に、ランプ内蔵の電源スイッチを使用します。

このスイッチのランプはLEDで、12Vを印加すると点灯します。供給電圧は少々低下しても点灯します。マイコンポート'H'で点灯する回路を設計します。

トランジスタはアンプ製作時の選別漏れ品の2SC1815を使用します。コレクタ損失は400mWですが、スイッチとして使うため問題ないとおもいます。

リレー駆動回路

次はリレー駆動回路を設計します。操作コイルは12Vで、操作電流は44.4mAです。リレー自体は異なりますが、12chアッテネーターのミュート回路を流用します。

回路中のツェナーダイオードは、操作コイルのサージ対策の為に入れています。次回はアンプ出力のオフセット電圧検出回路を設計します。

 

つづく(設計編2)