終段スイッチング電源検討(設計編2)

設計編2

DCオフセット検出回路を設計します。

DCオフセット検出回路構成

パワーアンプ出力のDCオフセット信号をマイコンのA/Dポートで検出します。音楽再生中にも検出する必要があるので、パワーアンプ出力をLPFを通してDCオフセット成分のみを抽出します。arduino UNOのA/D入力ポートは10bit分解能が6本ありますが、このポートでDCオフセットを検出するためには、オフセット電圧を適当なレベルまで増幅し、絶対値回路をとおして0-5V電圧に変換する必要があります。たかがDCオフセット検出にここまでやる必要があるのかと思いつつ、趣味の製作なのでこの構成で検討を進めます。

DCオフセット抽出用LPF

再生信号の誤検出を考慮してDCオフセットを正しく検出するために、カットオフ周波数を1Hzとして設計します。構成はCRの一次フィルタとします。

秋月電子のラインナップを確認し、無極性の電解コンデンサ22uFを前提として設計を進めます。

fc = 1 / (2πCR)へ22uFを代入してRの値を算出します。R=7.5KHzと算出できました。

絶対値回路

今まで設計、製作をした事はなかったのでまずはネット検索してみました。その結果基本回路は以下とわかりました。

この回路の初段は入力電圧がプラスの場合は、-2倍のアンプとして動作し、入力電圧がマイナスの場合は出力が0となります。2段目は入力電圧と初段出力電圧の加算回路となっています。但し初段出力電圧に対して-2倍となります。まずはプラス電圧が入力さえれた場合について考えてみます。

赤のラインは初段で-1倍され、加算回路で-2倍されます。従ってトータルで2倍の信号となります。一方、青のランイは加算回路で-1倍されるため、加算回路出力は1倍の出力、すなわち入力信号と同じ信号が出力されます。続いてマイナス電圧入力時について考えてみます。

初段アンプ出力はダイオードで出力がイマジナリGNDにショートされるので出力電圧は0となります。青のラインから加算回路出力は-1倍となります。従ってマイナス電圧入力された信号は、反転して出力されます。帰還にダイオードを使用するため、順電圧分の誤差が発生しますが、今回の用途は厳密な絶対値を必要としないため、この回路で検討を進めます。

DCオフセット検出回路

上記で検討した回路を組み合わせてDCオフセット検出回路を設計します。

入力部の一次LPFのカットオフ周波数fcは1Hzです。次段は10倍のアンプです。DCオフセット電圧10mV場合、0.1Vに増幅されます。次の段は絶対値回路です。ダイオードの順方向電圧の影響を軽減する為にショットキーバリアダイオードを使用します。

順方向電圧はIF=2mA時0.33V以下です。オペアンプは価格面からTL072の互換品を選定しました。

出力部のツェナーダイオードは、マイコンポート保護用です。最大でも4.7Vで出力をクリップさせます。この回路をトータル4系統準備する事になりますが、ほとんど働く事がない保護回路にここまでやる必要があるか考えてしまいます。これで保護回路の設計はひととおり終わりました。DCオフセット検出回路の動作検証を行いたいとおもいますが、最終基板を想定して行うべきか悩みます。できれば最終基板はLED駆動回路とリレーおよびその駆動回路の実装も行いたいとおもいますが、果たして全てを実装できるかの検証も必要です。次回までに進め方を考えたいとおもいます。

 

つづく(設計編3)