終段スイッチング電源検討(製作編13)

製作編13

前回検討した、基板実装案を考慮して終段用トランジスタ実装基板の製作を行います。

実装方法の検討

今までBTLモノラルアンプを2回製作しましたが、その際の終段の実装方法はあまり納得のできるものではありませんでした。

上記はHigh-ch用BTL方式DCパワーアンプの実装例です。基板は終段用トランジスタによって宙ぶらりん状態となっています。バイアス電流調整等のメンテナンス性がいまいちでした。一番気に入らない点は見た目が美しくない点です。そこで今回は少し手間はかけても納得できる実装としたいと考えています。その実装イメージは以下のとおりです。

前回の検討時にはサイドパネルの有効寸法を考慮していなかった為に型紙のサイズが一回り大きかった事から、想定以上に窮屈になってしまいました。終段のトランジスタ脇にスタッドを立てていますが、そこに終段回路を実装して、トランジスタの各端子を電線で延長して基板上の端子台に接続します。できれば端子台を使用せずにダイレクトに基板にハンダ付けをしたいところですが、作業性とメンテナンス性を考えてあきらめました。組立に手間はかかりますが、組立後の取り回しは格段に向上するとおもいます。この結果を見て、ケースの高さは1クラス上の149mmタイプにしたいとおもいます。尚、終段用の基板に実装する部品は、下記回路図の終段用トランジスタQ10~Q13とその周辺部品です。

実装イメージを確定させる為に、実装図を作成してみました。

実装部品はほとんどが端子台で、他エミッタ抵抗とパスコンのみです。

終段用基板製作

基板を効率的に使用する為に、私の標準基板を半分にカットして使用します。カッターでスルーホールに沿って切れ目を入れて折りました。

基板の固定は2点か4点かで迷いましたが、強度を考えて4点とする事にします。φ1.8のドリルの刃を使ってスルーホールを広げ、順次刃の径を太くしてφ3.2の穴に広げました。

次に端子台の位置を決めます。トランジスタ用の端子台はおのずと基板の長辺に並べます。出力は長辺の隙間に実装します。残る入力と電源用端子台は、メイン基板との配線を短くするように入力用端子台の位置を決め、反対の辺に電源用端子台を配置しました。

端子台だらけの基板となってしまいました。それでは実装を開始します。最初にエミッタ抵抗を取り付けます。従来は容量の大きな抵抗(3Wクラス)を実装していましたが、回路図を見ると消費電力は100mW以下です。今回は1Wの抵抗を購入して実装しました。

左右に配置する端子台の端子位置をずらす事で、ハンダ面の配線を効率的にできるようにしました。先に実装したエミッタ抵抗4個と入力端子台間を配線します。合わせて2極の端子台に設定した出力の配線も行いました。

次はPNPのベース配線を行います。縦の配線は部品面に行い、それをハンダ面で端子台まで配線しました。

同様にNPNのベース配線も行います。

続いて、反対側の端子台から電源配線を行います。GND配線は出力用の2極の端子台へ、+12V電源はNPNのコレクタへ、-12VはPNPのコレクタへ接続します。ハンダ面の配線は、スルーホール各列に並ぶ為、隣の配線にショートしないように注意して行いました。

次は、電源端子台脇にパスコン2個を取り付けました。

これで実装は完了です。実装部品が少ない割に手間がかかってしまいましたが、実装状態は以下のとおりです。

残り3枚も同じ作業が必要と考えると気分が萎えます。次回も引き続き終段用基板の製作を行います。

 

つづく(製作編14)