ピークメーターの製作(まとめ編1)

まとめ編1

ピークメーターの設計製作のまとめを行います。

目的

CDの録音レベルを視認したいとの想いから、ピークメーターの製作を行う事にしました。それに加えて、学生時代にカセットデッキを使ってエアチェック(死語)をほぼ毎日行っていたので、メーターへの憧れも製作決定の大きな理由です。

メーターの選定

アマゾンで「VUメーター」で検索するとたくさん製品がヒットします。その中からCDの録音レベルの表示に適したタイプを選定しました。具体的には以下を条件としました。

1)0dBのポジションが比較的大きく振れた位置にある
2)表示のダイナミックレンジが大きい(加減値た-40dB以上)
3)Power(W)表示がない事
4)バックライトが付いている
5)取り付けが容易な構造

上記の条件を満たす製品として下記のメーターを選定しました。

メーターの仕様

入手したメーターを確認します。外観は以下のとおりです。

赤の針が印象的です。裏のシールに記載された仕様を確認します。

バックライト用の電流は20mAで、メーターフルスケール時の電流値が500uA、内部抵抗が650Ωと読みとりました。メーターに直列に抵抗を接続して、内部抵抗と合わせて10kΩの状態で各指示値に対する電流値を確認しました。

この結果から、メーター指示値と入力電流に相関がない事が確認できました。例えば、0dB時が4Vに対して、本来-20dBは電圧が1/10になるところ、結果は1.64Vとなっています。ダイナミックレンジの大きなものを選択した弊害です。電圧を指示値に合わせる為にマイコンを使ってアダプターを製作する事にします。念のためバックライトも点灯させてみました。入力端子とおもわれるセットが3つありましたが、一番左側がバックライト用の端子でした。

メーター駆動用アダプタ

メーターアダプタは、arduino Nanoを使って設計します。必要な機能は以下のとおりです。

1)半波整流機能
2)整流用ダイオード順方向電圧補償
3)整流信号A/D変換
4)メーター駆動信号変換(PWM)
5)メーター感度調整
6)電源監視

作成した回路図は以下のとおりです。

メーター駆動変換テーブル

私のCDプレーヤー用のDACの出力レベルは0dB=2Vrmsです。この信号をアダプター回路内で整流後のピーク電圧を5Vに変換します。この信号をメーター駆動用にPWM信号出力します。ややこしいですが、A/D値とDutyの変換表としてまとめました。

マイコンの処理で必要となるパラメーターは、網掛けされた判定値とDuty値です。

メータードライバの製作

aruduino Nanoを使えば、私の標準基板に実装できそうです。マイコン実装基板は、実装する部品点数以上に配線が増える傾向にあり、ユニバーサル基板への実装はいつも苦労します。

メータードライバーのソフトウェアで工夫した点は以下のとおりです。

1)ピーク検出用スロットを設定し、前のスロットピーク値をそのスロット間指示
2)スロット期間中もピークを更新した場合、新スロットを開始
3)針の減衰速度設定機能
4)電源オフ検出でPWM出力duty=0

上記を反映したソフトの構造は以下のとおりです。

正弦波を入力して、正しく動作する事を確認しました。

次回は電源ケース加工のまとめを行います。

 

つづく(まとめ編2)