終段スイッチング電源検討(まとめ2)

まとめ2 今回の設計と製作についてまとめを行います。 ねらい 今回のスイッチング電源を採用したパワーアンプ製作のねらいは以下のとおりです。 1)全波整流+コンデンサインプット電源をドライバ段以降に採用したアンプと比較 上述の電源は基本波100Hzの…

終段スイッチング電源検討(まとめ1)

まとめ1 大容量電源トランスを別筐体に組み込んだA級BTLモノラルDCパワーアンプと比較試聴をします。 リファレンスアンプ NS-1000Mバランスマルチアンプシステムのウーファーを駆動するアンプをリファレンスとして比較試聴を行います。試聴前にこのリファレ…

終段スイッチング電源検討(製作編64)

製作編64 トップカバーを被せて、ファンモーターも動作させてアンプ出力の残留ノイズを確認します。結果がよければアンプ完成です。 残留ノイズ測定準備 おそらくこれでアンプ出力ノイズの確認は最後となるとおもいますので、測定前に改めて内部配線の束線を…

終段スイッチング電源検討(製作編63)

製作編63 PWM制御ファンの動作確認をして冷却効果の確認も行います。 PWM制御確認 初めに速度制御入力端子をオープン状態で動作確認をしてみます。速度制御入力ラインはファンモータ内部でプルアップされている事から、Duty=100%の設定となります。回転出力…

終段スイッチング電源検討(製作編62)

製作編62 PWM制御のケースファンを調達し、スイッチング電源の冷却の検討をします。 おさらい 以前、スイッチング電源のフレームの温度上昇試験を行いましたが、結果をおさらいします。まずは何の対策なしでスイッチング電源のフレームの温度上昇を確認しま…

終段スイッチング電源検討(製作編61)

製作編61 アンプの低周波ノイズの確認を行います。 周波数特性改善対策フォロー 本題に入る前に、前回の記事で行った周波数特性改善対策に関して追加で1点確認を行いました。対策としてR-ch/Hotのアンプ出力のフェライトコアを取り外した為、出力ノイズへの…

終段スイッチング電源検討(製作編60)

製作編60 アンプの周波数特性の測定を行います。 測定準備 測定はアンプに正弦波を入力し、入出力波形をオシロスコープで観測して周波数ごとのゲインを算出します。観測はいつものとおり以下のブロック図の環境で行いました。 簡単に補足すると、発振器の出…

2023九州旅行(番外編48)

番外編48 先月の台湾旅行に続き、九州へ旅行に行ってきましたので紹介します。今回の番外編もオーディオ製作に関係ない内容ですので、興味のない方は読み飛ばしてください。 きっかけ 2022年11月に高校の学年同窓会が八王子で開催され、その時に当時同じクラ…

終段スイッチング電源検討(製作編59)

製作編59 スイッチング電源のケースの温度上昇試験を行います。 スイッチング電源温度測定結果1 過去に一度スイッチング電源の温度を測定した事がありました。その時の結論は、「なんらかの対策が必要」でした。 上記がその時の結果です。途中までトップカ…

終段スイッチング電源検討(製作編58)

製作編58 位相補償用コンデンサーを変更します。 現状 長引いた発振対策の為に、アンプ2段目の位相補償用コンデンサーが酷い事になっています。R-chのHotアンプには47pFが、それ以外のアンプには22pFが取り付けられています。 コンデンサーの種類はセラミッ…

終段スイッチング電源検討(製作編57)

製作編57 ヒートシンク温度確認と温度アンバランス対策を行います。 ヒートシンク温度アンバランス アンプの発振を止める事ができたので、久しぶりに長時間音楽を聴きました。組み合わせたスピーカーはFostexの16cmフルレンジスピーカーFF-165WKです。一頻り…

終段スイッチング電源検討(製作編56)

製作編56 アンプ出力部位相補償による発振対策を行います。 出力部位相補償 対策の試行を行う前に、前回の記事をおさらいします。発振現象がスピーカーを外すと止まる事から、アンプ出力部の位相補償が対策となると考えました。対策案は私のトランジスタアン…

終段スイッチング電源検討(製作編55)

製作編55 引き続きアンプの発振対策を行います。 R-ch発振対策 前回検討を行った、温度補償用トランジスタ部へ仮追加したコンデンサーを全て一旦取り外しました。改めてアンプの回路図を掲載します。 次に試した事は、終段トランジスタベース入力間へのコン…

終段スイッチング電源検討(製作編54)

製作編54 発振対策を行います。 方針再検討 台湾旅行後に書く初めての記事となります。旅行で1週空いた上に、その前はトップカバーの加工を行いました。課題の対策検討の続きを行うにあたり、方針を再検討してみます。現在残っている問題点は、アンプが暖ま…

終段スイッチング電源検討(製作編53)

製作編53 トップカバーに開けた穴に網を取り付けます。 網の選定 トップカバーの穴の下には、スイッチング電源が設置されていますので、穴から物が落ちると危険です。通風性を損なわずの物の落下を防止する為に、金網の設置を検討します。検討にあたり適当な…

終段スイッチング電源検討(製作編52)

製作編52 トップカバーに放熱用の穴の加工を行います。 発端 製作編41の記事で、製作中のアンプの温度上昇試験を行いました。温度の確認ポイントは、ヒートシンクとスイッチング電源のフレームです。結果は以下のとおりでした。 開始後70分でスイッチング電…

2023台湾中秋節旅行(番外編47)

番外編47 中秋節中の台湾に旅行してきましたので紹介します。 中秋節 だいぶ前にオーディオに全く関係ない記事(ブログ作成用ツール紹介)を投稿して以来のオーディオ無関係の記事となります。オーディオ以外に興味のない方は読み飛ばしてください。中秋節は…

終段スイッチング電源検討(製作編51)

製作編51 製作したデータロガーを使用してアンプ終段のバイアス電流値の変化を観測します。 データの保存 前回の記事で作成したデーターロガーの精度確認を行いましたが、データの取り込みに関しての説明が漏れていました。過去IDEでは、シリアルモニタ画面…

終段スイッチング電源検討(製作編50)

製作編50 前回製作したアンプ基板を使ったデータロガー用のソフトウェアを製作します。 マイコン回路図 前回、Arduino UNO用シールド基板へアンプ回路の実装を行いました。使用するアナログ入力ポートも決まっていますが、マイコン基板の回路図を作成してい…

終段スイッチング電源検討(製作編49)

製作編49 終段の温度補償回路の効果を確認するために、データロガーを製作して終段のバイアス電流の変化の測定を行う準備をします。 背景 発振、電源ノイズ対策に行き詰まり、少し充電が必要と考えて温度補償回路の効果確認用にデータロガーを製作して測定を…

終段スイッチング電源検討(製作編48)

製作編48 スイッチング電源のノイズの追加対策検討を行います。 フィルター基板クリアランス 前回の記事の最後で、0.47uFのフィルムコンデンサーをフィルター基板の出力に取り付けましたが、ノイズの前後比較でやや悪化したように見えました。 フィルターコ…

終段スイッチング電源検討(製作編47)

製作編47 前回改造したフィルターの効果の確認を行います。 追加改善効果確認 効果の確認前に、変更点の整理をします。変更点は、フィルター回路変更とシャーシGND接続方法の変更です。まずはフィルター回路を再掲載します。 上が変更前で下が変更後です。フ…

終段スイッチング電源検討(製作編46)

製作編46 前回の記事で製作紹介したフィルター基板の効果を確認します。結果が不十分な為、追加改善検討を行います。 フィルター基板2 改めてフィルター基板2の回路図と実装状態を掲載します。 写真はスイッチング電源側のみ接続した状態です。念のためこ…

終段スイッチング電源検討(製作編45)

製作編45 引き続きアンプ出力の残留ノイズ対策として電源ノイズの改善検討を行います。 スイッチング電源ノイズ王道対策 初心に立ち返り、スイッチング電源のノイズ対策について検討しなおします。ネットを検索すると、電源メーカーやノイズ対策部品メーカー…

終段スイッチング電源検討(製作編44)

製作編44 電源ノイズに起因するアンプ出力の残留ノイズ対策をします。 現状の構成 改善検討を行う前に、現状の電源構成をおさらいします。12Vのスイッチング電源を2台使ってアンプ用の+/-12V電源を構成しています。各アンプへの給電は配電基板を通して行っ…

終段スイッチング電源検討(製作編43)

製作編43 残る2つの問題点を平行して改善検討を行います。 残る問題点 残る問題点は2つあり、記事2回にわたって改善検討をしたものと比べて難易度が高いと思います。2つの問題点は以下のとおりです。 1)アンプが冷えた状態で発振する 2)電源ノイズに…

終段スイッチング電源検討(製作編42)

製作編42 簡単な動作確認で発覚した、電源オフ時のボツ音対策を行います。 電源オフ時ボツ音発生状況 問題点の2つ目は、電源オフ時のボツ音について対策検討します。現状は、電源オフするとリレーの電源もオフする事でボツ音を防ぐ設計となっていましたが、…

終段スイッチング電源検討(製作編41)

製作編41 簡単な動作確認で確認した4つの問題点について対応が簡単なもの(電源の温度上昇)から改善検討します。 温度上昇確認準備 最初はスイッチング電源の温度上昇の確認を行います。あまりにも温度が高い場合、部品の寿命を縮めてしまうので、なんらか…

終段スイッチング電源検討(製作編40)

製作編40 引き続き機内配線を行い、完成後の動作確認を行い問題点をまとめます。 機内配線再開 L-chアンプの電源配線を行います。配線先は配電基板です。1つのアンプで電圧増幅段で3本、ドライバー段で3本、終段で3本の配線が必要で、BTL構成の為方チャ…

終段スイッチング電源検討(製作編39)

製作編39 ボトムシャーシ取り付け部品の配線が終わったので、仮組みしたケースを被せて残りの配線を行います。 残りの配線 サイドパネルにアンプが取り付けられた仮組みしたケースの状態は以下のとおりです。 大半が電源配線で、アンプの出力配線も含まれて…