ローノイズ真空管アンプ(製作編19)

製作編19

電源基板とリップルフィルター用トランジスタの取り付け加工を行います。

電源基板取り付け加工

電源基板は、シャーシサイズの都合で電解コンデンサーとオーバーラップして配置します。取り付け位置は、電解コンデンサーの端子との干渉を考慮して、電解コンデンサー取り付け後に現物合わせで決める事にしていました。初めに電解コンデンサーへコンデンサークリップを取り付けます。取り付け用のネジはアマゾンでSUSネジのセット売りを購入しました。

M3x6~Mx6までトータル16種類のセットで、1,899円です。値段はこんなものでしょうか?中身は各種ネジとナットが整理されパーツボックスに入れられています。

これを使ってコンデンサクリップを締め付けました。

大きい電解コンデンサはM4を小さい方はM3を使っています。基板とシャーシのクリアランスが10mmしかないので、コンデンサの端子の先端がシャーシ位置となるようにコンデンサーを浮かせて固定しています。端子はショート防止の為に、後で熱収縮チューブで処理したいとおもいます。早速シャーシに取り付けてみました。

小型の電解コンデンサーは浮かせて固定した事で頭が少し出た状態となり、いい感じになりました。シャーシ下はこんな感じです。

ここへ電源基板を取り付けますが、電解コンデンサーと、その固定用クリップとの干渉を避ける必要があります。位置決め用に型紙を作成しました。

基板外形と取り付け穴以外に、位置出し用に10mm間隔で5本のラインを描いています。この型紙を切り取り、シャーシに被せてみました。

リアパネル固定のコネクタと干渉しないようにリアパネルからの位置を決めます。決めた位置に近いラインで型紙をさらに切り取りました。

基板位置に型紙を置いてみます。

4本の固定ネジがコンデンサクリップと干渉しない事を確認して位置をフィックスしました。一旦、電解コンデンサーを取り外して、型紙をシャーシに貼り付けます。

穴位置4カ所にポンチで印を付けてφ3.2の穴を開けました。そこに10mm長の六角スペーサーを取り付けて基板を固定します。

基板を取り付けたところ問題が発覚しました。電源基板に実装されたコンデンサーのトップとボトムカバー間のクリアランスがほとんどなく、ボトムカバーが撓むと当たってしまいます。

幸い7mm長の六角スペーサーがあったので交換してみました。そこへ改めて基板を取り付けてクリアランスを確認しました。

この程度のクリアランスがあれば問題ないでしょう。電源基板とオーバーラップする電解コンデンサーを1個取り付けて、配線の状況を確認しています。

電解コンデンサーの電線は2重絶縁したいところですが、まあいいでしょう。

リップルフィルター用トランジスタ取り付け

このトランジスタの消費電力は約1.8Wです。寿命を考えてシャーシに放熱します。配線用の端子台の位置と、シャーシの空きエリアを考慮して取り付け位置を決めました。φ3.2の穴を開けてトランジスタを仮止めしてみます。

写真では、絶縁用放熱シートを使っていませんが本取り付け時には使用します。取り付け用のネジもプラネズを使用する予定です。次回も引き続きシャーシの加工を行います。

 

つづく(製作編20)

ローノイズ真空管アンプ(製作編18)

製作編18

引き続きアンプユニットのシャーシ加工を行います。具体的にはチップジャックと電解コンデンサ取り付け確認を行います。

チップジャック取り付け穴加工

改めて加工図を掲載します。

現状の加工図では、シャーシの両サイドに各2個づつチップジャックの取り付け穴を設けています。小判型の穴です。用途は終段のバイアス電流調整時にここにテスターのリードを挿します。B電源電圧測定用のチップジャックも必要ですが、現状の加工図には描いていません。後で電源基板の取り付け位置を確定した後に決める予定です。下穴はφ4であけていますので、φ5までリーマーで広げて、その後ヤスリで小判形状に仕上げます。



上の写真のとおり、加工前は装着できません。下の写真は加工後の穴形状です。さっそくチップジャックを装着してみました。

無事、まわらずに装着できました。残り3カ所も同様に加工します。

反対側も問題なく装着確認ができました。4カ所中の1カ所は穴径をリーマーで広げすぎてしまい、回り止めの機能が得られませんでした。大きな問題ではないので、このまま進めます。

バイアス基板取り付け加工

バイアス基板は2本の六角スペーサーで取り付けます。半田面側にバイアス電流調整用の半固定抵抗があるので、クリアランスを確保する為に六角スペーサーは10mmを使用します。まずは2枚の基板を取り付けてみました。

追加工せずに取り付ける事ができました。シャーシ上面を見てみます。

残念ながら穴位置がボリュームに対してずれています。調整上問題はありませんが、見た目がよくありません。ヤスリで穴径を大きくして見た目を改善します。

手間はかかりましたが、見た目は改善しました。反対側のボリューム穴位置も同様の対応を行いました。

電解コンデンサー取り付け加工

私の真空管アンプ製作で、電解コンデンサをシャーシ上に配置するのは初めてです。今回シャーシ上面に配置した理由は2つあります。シャーシ内の部品を減らす事と、シャーシ上のスカスカ感をなくす為です。取り付けは、コンデンサークリップを使用します。モノタロウで購入しましたが、小径のものは樹脂製のものしかありませんでした。

質感を合わせる為にすべて樹脂製のものを選択しました。取り付けはねじ2カ所で固定します。穴位置は現物合わせで決めました。

写真はセロハンテープで固定していますが、端子がシャーシに接触しない位置に微調整しています。穴をあけて取り付けるとこんな感じになります。

小径のコンデンサーも同様に取り付け穴を現物合わせで位置出しをしました。

写真のとおり、小径用のコンデンサークリップには、取り付け時の安定性をあげる為に2カ所はねがついています。隣接して取り付ける場合干渉するので、カットしました。3つ並べて取り付けるとこんな感じです。

端子側はこんな感じです。

この部分に電源基板を取り付ける予定なので、端子への配線取り付けの向きを変更する必要がありそうです。高圧がかかる配線なので二重絶縁としたいところですが、悩みどころです。電解コンデンサーの端子は、ショートリスクを減らす為に熱収縮チューブ処理をする予定です。次回は電源基板と関連部品の取り付け確認を行います。

 

つづく(製作編19)

ローノイズ真空管アンプ(製作編17)

製作編17

アンプユニットのシャーシ上面の加工を開始します。

加工図再確認

加工着手前に最新のシャーシ加工図を確認してみます。

終段バイアス基板の固定用のネジ穴が3カ所抜けています。バイアス基板の形状は以下のとおりです。

初期の製作なので、配線の接続は基板ポストへの半田付け方式です。再利用の前に端子台に交換したいとおもいます。その場合、となりに配置したチップジャックとの干渉が気になる為、チィップジャック位置を2mmずらします。さらに電解コンデンサの端子用穴径φ20シャーシパンチカッターの都合によりφ18に変更します。以上の修正を反映して加工図面を改版しました。

それでは加工を開始します。

シャーシ加工開始

加工図を印刷しました。今回はA3用紙が使えたので1枚に収まっています。

その加工図を外形寸法に沿って切り抜きます。貼り付けやすいようにボンネット取り付け用フランジ部分もカットして貼り付けました。

上記の加工図改版前に印刷したものをもったいないので赤字修正して使用しています。穴のセンターにポンチで印を付けますが、位置がずれないように小型ライトでポンチ位置を確認してから印を付けました。

加工図を剥がして、ポンチで印を付けた箇所に初めはφ2の穴を開けました。

その後、M3固定用の穴はφ3.2に拡大し、それ以外はφ4.2で穴径を拡大しました。

続いてシャーシパンを使う穴を、シャーシパンチ用下穴径φ10に拡大します。拡大にはステップドリルを使用しました。

これでシャーシパンチ使用の準備ができました。

終段真空管用ソケット穴加工

終段管用ソケットの穴開けから開始します。穴径はφ30です。

シャーシパンチのメンテナンスをしっかり行った為、楽に穴開けができましした。せん断面も問題ありません。せっかくなのでソケットを装着してみました。

固定用のビス穴位置を含めて問題ありませんでした。この調子で終段真空管用ソケット残り3カ所の穴開けを一気に行いました。

すべてきれいに穴開けできました。

初段真空管用ソケット穴開け加工

次は初段真空管用ソケット取り付け穴をあけます。穴径はφ22ですが、シャーシパンチの都合で初めにφ21の穴をあけます。シャーシパンチはφ30の穴開け時と異なり、カッター側にセンターボルト用のネジが切られています。この場合ハンドルはシャーシ内側となり、多少作業がやりにくいです。

残り1カ所も同様に穴開けしました。ソケット取り付け用の穴径拡大の作業は後回しにします。

電解コンデンサー端子用穴開け

穴径はφ18です。この場合もφ21穴開け時と同様にハンドルがシャーシ内側配置となります。

写真はアルミ板のカットが完了した時点です。この瞬間、ほっとします。残り2カ所も同様に穴開けしました。これでシャーシパンチを使った穴開けは完了です。

初段真空管ソケット用穴加工

シャーシパンチでφ21の穴が開いていますが、このままではソケットが装着できません。

楕円断面のヤスリを使ってひたすら穴径拡大をしました。

しばらく削ってソケットを取り付けられました。

残りの穴も同じ対応をしてソケット装着を確認しました。

大きな穴の加工は以上で終了です。次回はチップジャックやバイアス基板取り付け確認を行います。

 

つづく(製作編18)

ローノイズ真空管アンプ(製作編16)

製作編16

リアパネルの加工の続きを行います。加工が完了したら全部品を取り付けて確認を行います。

航空コネクタ取り付け穴加工

改めてリアパネルの加工図を掲載します。

センターの円の上下がカットされた部分が航空コネクタの取り付け穴です。下穴はφ4.2で開けていたので、ステップドリルでφ10にまずは広げました。その後は平ヤスリと楕円ヤスリで地道に削ります。

取り付け穴が部品形状に近づいてきたら、削っては部品を合わせみてを何度も繰り返してなんとか部品が装着できるようになりました。

加工図面ほどシャープな穴形状ではありませんが、装着時にコネクタが回る事はありません。コネクタを取り付けるとこんな感じです。

まあこんなものではないでしょうか?

XLRパネルコネクタ取り付け穴加工

XLRパネルコネクタの取り付け穴は、シャーシパンチを使ってφ25の穴を開けます。電源トランスユニットの穴開け加工時にカッタに潤滑油を使用した事でせん断面がきれいに仕上がった為、今回も加工前にカッタへ注油しました。φ25のカッタ使用時の臼の外形はφ40で、シャーシ内寸法と同じ為にぎりぎり収まりました。

シャーシパンチのウス側は、パネルを抑える為にパネルにキズが付きますが、今回はウスがシャーシ内に納められた為、リアパネル面にキズを付けず加工する事ができました。

写真のとおり加工面はきれいに仕上がりましたが、相変わらず加工には力が必要です。変に力を加えるとケースをひしゃげてしまいそうです。試しに加工時に摺動する部分すべてに注油してみる事にしました。具体的にはカッターとセンターボルトの摺動部、ウスとセンターボルトの摺動部です。

この対応により嘘のように加工が楽になりました。こんな事ならもっと早く試してみるべきでした。見方を変えると、シャーシトップ面加工前に気づいて良かったとも言えます。

早速XLRパネルコネクタを取り付けてみました。

今回は取り付けネジの位置の後加工はまったく必要ありませんでした。これも慣れでしょうか?写真では電源用のオスコネクタ2個のみパネルの背面側から取り付けています。

背面部品取り付け確認

さらにスピーカーターミナルと航空コネクタを取り付けてみました。

スピーカーターミナルの回り止め用の樹脂部品の寸法が黒と赤で若干異なり、赤の樹脂部品装着時に後加工が必要でしたが、問題なく取り付けられました。記事を書いていておもいましたが、スピーカーターミナルの並びは逆のように思います。本番では修正します。残りの取っ手も取り付けてみました。

なかなかいい感じです。せっかくなので、入力用の3極のXLRパネルコネクタも背面取り付けを試してみました。

コネクタ取り外し用のボタンの動作が気になりましたが、問題ありませんでした。今回は全XLRパネルコネクタを背面取り付けとしてみます。次回はシャーシ上面の加工を行います。

 

つづく(製作編17)

ローノイズ真空管アンプ(製作編15)

製作編15

引き続きアンプユニットのシャーシ加工を進めます。

取っ手取り付け確認

前回の記事で、M6の小型ナットを発注するとしましたが、届きました。

値段が高いだけあって、管理がちゃんとされています。標準ナットと比較してみました。

希望どおり外形サイズが小さくなっています。直径比較で約2mm小さくなっています。続いて、取っ手金具にねじ込みできるか確認します。

ふ~、問題なくねじ込みできました。よって前回の記事で確認したアマゾンで購入した小型M6ナットが仕様違いと判明しました。おそらくインチネジだと思われます。購入してだいぶ時間経過している事と、少額なので今回は泣き寝入りとします。早速取っ手2個を取り付けてみました。

問題なくネジ締めできました。フロントビューはこんな感じです。

なかなかいい感じです。

リアパネル加工

次はリアパネルの加工を行います。フロントパネル加工時と同様に、加工図面を右用と左用に分けて、A4用紙2枚に印刷しました。

それを外形に沿って切り取り、リアパネルに貼り付けました。

その際に、ポンチ箇所が図面が2枚重ならないようにカットしました。カット位置は、部品をカットしないようにしています。続いて、パネル裏に当て板をして、ポンチで穴開け位置に印を付けます。

加工図面を剥がすとこんな感じです。

穴開けは、最初にφ2.0のビットで全ての穴を開けて、ビットをφ3.2に取り替えて全ての穴径を広げました。M3ビス固定部分以外はφ4.2のビットで穴径をさらに拡大しましした。XLRパネルコネクタの取り付け穴はシャーシパンチを使用する為、ステップドリルに切り替えてφ10の下穴を開けました。

最初は取っ手の取り付け確認を行います。下穴はφ4.2で開けているので、それをリーマーでφ6まで広げました。穴径が小さいのでリーマーによる穴拡大は大変ではありません。取っ手を取り付けるとこんな感じです。

反対側も同様に加工して、取り付け確認を行いました。

次はスピーカーターミナルの取り付け確認を行います。下穴はφ4.2で開いていますが、これをリーマーで約φ10まで広げました。拡大量が大きい事と、穴径が大きいためすごく時間がかかってしましました。

残りの3カ所はステップドリルを使ってφ10に下穴を広げたいとおもいます。次に回り止めの加工を行います。穴の下側に2x2mmの突起が収まる部分を作ります。平ヤスリのサイドを使ってひたすら削りました。

この穴に絶縁用の樹脂部品を取り付けます。

問題なく取り付けができました。この部品が取り付けられれば、スピーカーターミナルの取り付けも問題ありません。ターミナルの取り付け確認は、加工が全て終わったタイミングで行います。加工の負荷を減らす為に、残り4カ所の下穴径はステップドリルでφ10に広げました。

これにより、加工の作業時間は大幅に短縮できました。

残り2つも同様に加工しました。

これでスピーカーターミナルの取り付け穴加工は完了です。次回は残りのコネクタ取り付け穴加工を行います。

 

つづく(製作編16)

ローノイズ真空管アンプ(製作編14)

製作編14

アンプユニットのケースの加工を開始します。

アンプケース確認

今回は私がいつも真空管アンプ製作に使用するケースよりも1まわり小さいリードのMK-350を選定しました。このケースは、過去に真空管ヘッドフォンアンプ製作時に使用しましたが、シャーシ内高さが40mmと低く、実装に気を使った記憶があります。さっそく届いて放置していたケースを確認します。

専用梱包となっています。開けてみます。

ケースは薄手のビニール袋に納められています。ケース本体を取り出してみます。

記憶以上に小さい印象です。これで流用する出力トランス2個が収まるか心配になります。次はボンネットを外してみます。

固定用の専用ネジは、従来のものと変更はありませんでした。さらにシャーシのボトムカバーを外します。

ここまで気になる点はありませんでした。

フロントパネル加工準備

フロントパネル加工図を原寸大で印刷しますが、A4用紙に収まりません。これもいつものとおり、加工図面をA4用紙に設定して、左用と右用を作成しました。

画面コピーは、印刷用に加工図面を左右2つに分けた編集画面です。これを使って加工図を2枚印刷しました。

印刷した加工図面をフロントパネルの外形に沿って切り抜きます。

これでフロントパネル加工準備完了です。

フロントパネル加工

初めに先にカットした2枚の加工図をフロントパネルの外形に合わせて貼り付けました。

この後、ポンチで穴のセンターに印を付けますが、シャーシ高が40mmしかないため、いつも使っている添え板が入りませんでした。仕方がないので、10mm弱カットしてフロントパネル裏に入る寸法に加工しました。

添え板をパネル裏にセットして、さらにその板を押さえる為に、机にクランプで板を固定して作業できるようにしました。写真はポンチで印を付けた後、ドリルで穴を開けたところです。

最初に取っ手の取り付け確認をします。多少穴位置が上側にずれていたので修正しましたが、案の定標準のナットは上下のクリアランスが小さくナットを回す事ができませんでした。

こんな事を想定して小型のナットを注文していましたが、見事に失敗しました。

M6との事ですが、取っ手にねじ込めません。おそらくどちらかがインチネジの可能性があります。さらに私の確認不足でしたが、厚みは薄くなったものの外形サイズが標準ナットと変わらない為、このナットは想定したものではありませんでした。やれやれ・・・。追加でナットを発注しました。

1個259円でそれを8個と送料が250円で総額2,322円と高いです。まだ届いていませんが、これも使い物にならなかったらどうしよう。取っ手の取り付け確認は後回しにして、先に電源ランプの取り付け確認を行います。φ4.2の穴をドリルで開けて、その後はリーマーで必要な穴径に広げました。

取り付け穴径が大きくないので、容易に取り付け確認ができました。

次は電源スイッチの取り付け確認を行います。電源スイッチの取り付け穴は角穴で、スナップイン方式です。ポンチで角穴の頂点に印をつけたのでカット線を描き、ハンドにブラでカットします。シャーシの内側からカットできるエリアは少なく、仕方がないので、シャーシ内にもカット線を描いて、ハンドニブラをシャーシの外側にセットしてカットします。まずは、カット線を描く為の型紙を作成しました。

これを使って、パネル内側にカット線を描きました。

このカット線に合わせて、ハンドニブラを外側にセットしてカットを進めます。結果はこんな感じです。

まずはカット面をヤスリでならしててから、電源スイッチがスナップインする寸法へ広げていきました。多少手間はかかりましたが、無事電源スイッチの取り付けができました。

次回は小型ナットが届くはずなので、取っ手の取り付け確認を行います。

 

つづく(製作編15)

ローノイズ真空管アンプ(製作編13)

製作編13

前回の記事で実装紹介したメイン電源の通電確認を行います。

通電確認準備続き

前回の記事で、メイン電源の通電をDC36Vを入力して行う方針としましたが、その際の各部電圧分布を再掲載します。

接続する3個の電解コンデンサに電線を接続します。

正規実装時にも使える様に少し長めの配線長としています。リップルフィルタ用トランジスタは、元アンプからの流用なので、配線の端末処理のみを行いました。

準備の最後はB2出力に10kΩの抵抗を接続します。想定される負荷電流は2.8mAです。

これで通電確認の準備は完了です。

通電確認

ユニバーサル電源の電圧を+/-18Vにセットして、念のため過電流保護も100mAに設定しました。恐る恐る電源オンしましたが、過電流保護も働かず、定常電流値4mAとなっています。この状態で各部電圧を確認しました。結果は以下のとおりです。

入力電圧を36.0Vとなるように微調整しましたが、絵に描いたような結果が得られました。メイン電源回路は正しく実装できているようです。前回の記事でリップルフィルター用のトランジスタを誤って訂正した件をレポートしましたが、修正回路図を掲載します。

-5V電源実装

次は-5Vの電源を実装します。この電源の出力は、アンプのA電源と電源ランプです。初めに半波整流回路を実装します。

次は三端子レギュレータを実装します。今回NJM7905FAは秋月電子から購入しましたが、取り扱いが日清紡マイクロデバイスに移り、すでに生産は中止されています。もうからない製品は今後ますますEOLになる事を心配しています。

出力にはオーディオ用電解コンデンサを使いました。最後に出力用の2極の端子台を2つ取り付けたら完成です。

ハンダ面はこんな感じです。

単純な回路ですが、後で不具合が発覚すると面倒なので動作確認を行います。

出力はほぼ-5Vとなっています。念のためLEDの点灯確認も行いました。

問題なく点灯しています。A電源用-5V回路実装は完了です。

初段ヒーター用電源回路実装

最後は初段の12AX7ヒーター用電源回路を実装します。回路を改めて掲載します。

一番上段の回路ブロックです。他の回路と同様にまずは入力段の全波整流回路を実装します。

平滑用電解コンデンサー容量を3300uFとしましたが、三端子レギュレータの入力電圧を維持できるか心配です。次は可変三端子レギュレータLM317をヒートシンクに取り付けて基板実装します。

三端子レギュレータの消費電力は約1.3W程度なので放熱器は不要かもしれませんが、寿命を考慮して採用しました。次は電圧調整回路を実装します。あっ!半固定抵抗を買い忘れていました。やれやれ・・・。在庫を確認したところ、2KΩと5KΩがありました。仕方がないので5KΩを使用する前提で回路図を書き換えました。

基板に実装スペースがあるので大きな問題はありません。一緒に出力用端子台も実装して実装完了です。

他回路と同様に動作確認を行います。負荷が都合の良いダミー抵抗がなかったので68Ωを取り付けました。電流値は約0.19Aです。

写真は電圧調整用ボリュームを回して出力を約12.6Vに調整したところです。これでアンプユニットの電源基板実装は完了です。実装基板はこんな感じです。

次回はアンプユニットのケース加工を開始します。

 

つづく(製作編14)