ローノイズ真空管アンプ(製作編12)

製作編12

製作上のリスクを考えた結果、アンプユニットの電源基板の実装から開始します。

アンプユニット製作開始

本来であれば、ケースの加工からスタートしますが、アンプユニットの電源基板は実装リスクがあるため、電源基板の実装からスタートします。具体的には、1枚の基板にアンプユニット用の3系統の電源を実装する予定ですが、万が一実装しきれない場合は基板を増やす必要があります。その場合、追加基板実装エリア確保の為にシャーシのレイアウト変更が必要となる為です。

アンプユニット電源回路実装

改めて電源回路図を掲載します。

この回路図中でアンプユニットの電源基板に実装する回路を抜き出してみました。

点線の枠内が実装する回路です。丸で示しているのは、実装する端子台情報です。3系統の電源の中で1番複雑なメイン電源(B電源)の実装からスタートします。

メイン電源実装

実装前に改めて回路図を見直してみました。リップルフィルター用のトランジスタですが元のアンプ実装部品を使用します。

本製作用の回路図を作成するにあたり、トランジスタの型式の誤記訂正をしましたが、実はオリジナルが正解だった事がわかりました。2SC3039は誤りで2SC3309が正解です。下記は両トランジスタのデータシートの抜粋です。

紛らわしい事に、どちらも高耐圧トランジスタです。特性は似たようなもので、抜粋上のシートにはありませんが、hfeのmin値は2SC3039が15で2SC3309が20です。高耐圧トランジスタの性能はこんなものなのでしょうか?回路図は別途修正します。初めにシャーシレイアウトを考慮して、端子台の配置を決めました。

メイン電源以外は、入力用の端子台しか配置していません。メイン電源は写真奥の端子台からACを入力し、右側の端子台には、電解コンデンサ3個とリップルフィルター用トンランシスタを接続し、手前の3極の端子台から電圧を出力します。メイン電源の端子台のレイアウトはできました。実装の最初は入力段の全波整流回路です。

整流用ダイオードは、実装スペースを節約する為に縦実装しています。次にリップルフィルター用ベース回路を実装します。

大きな抵抗は91KΩ/3W品です。基板を実装するシャーシ内の高さ寸法は40mmですが、この程度の高さであれば問題ありません。ハンダ面はこんな感じです。

続いてリップルフィルターダーリントントランジスタ入力側を実装します。この高耐圧トランジスタは、最初に真空管アンプを製作した際に今後の入手難を想定して多めに購入しておいた物です。

次は一気に実装を完了させます。

400V耐圧のフィルムコンデンサーを4個実装しましたが、意外と効率的に実装できました。ハンダ面はこんな感じです。

ハンダ面には被覆ジャンパ線を使わずに実装できました。

通電確認準備

いきなり高圧のオリジナル電圧入力は怖いので、回路の動作確認ができる電圧を入力して各部電圧を確認する事で通電確認としたいとおもいます。私のユニバーサル電源は、+/-18Vを出力できるので、それを直列に接続してDC36VをAC入力へ接続してみます。基板右側の端子台へは実際に使用する3個の電解コンデンサリップルフィルター用トランジスタを接続し、B2出力にダミー負荷10KΩを接続します。その際の各部電圧を回路図に記入してみました。

この方法で回路の通電確認はできそうです。次回は実装した回路の通電確認を行います。

 

つづく(製作編13)

ローノイズ真空管アンプ(製作編11)

製作編11

電源トランスユニットの機内配線を引き続き行い、電源トランスユニットを完成させます。

電源トランス二次配線続き

前回の記事で回路変更した-5V用電源のトランス二次配線と、EL34用ヒーター用トランス二次配線を行います。

次は個別に取り付けた初段真空管ヒーター用トランスの一次配線を行います。接続先は、メインの電源トランスの100V入力タップです。

次は初段ヒーター用トランスの二次配線です。シャーシ上のトランスからシャーシより上のXLRパネルコネクタへの配線です。

アルミシャーシ上の配線は、写真中のものしかないので見た目がスッキリしています。

動作確認

基板単体の動作確認は完了しているので、いきなり動作確認を行います。確認方法は、本来アンプユニットに設置されるスイッチのダミーを作成して基板に接続して2つのトランスの二次巻線出力を確認しました。

まずはスイッチをオフにしてAC100Vを印加しました。

電源ランプが点灯しました。次にスイッチをオンします。2つのトランスの二次巻線出力を一通り確認しましたが、所定の電圧が出力されていました。1つ残念だった事は、今回選定したパワーリレーが最大定格5A品のため、動作時の音が小さくスイッチオン時にいまひとつ印象が良くありません。基板に十分なスペースがあったため、パワーアンプで採用した大容量のリレーを選定した方が良かったかもしれません。動作確認はこれで完了です。完成時のアルミシャーシ下の状態は以下のとおりです。

比較的すっきり配線できたとおもいます。アルミシャーシ上面は以下のとおりです。

配線自体が少ないのでさらにスッキリしています。

トップボトムカバー取り付け

タカチのケースには、簡単なゴム足が付属していますが、今回は先代CDプレーヤーの脚を流用します。

モールド製で接地部分のみゴム製となっています。付属品に比べて性能面でのアドバンテージはないと思いますが、見た目が改善します。回り止めの為にボスが2本立っています。

この脚を取り付けると、ボトムカバー取り付けネジと干渉してしまいますが、幸い脚に2カ所穴が開いている為、ボトムカバー取り付け用のネジ位置を合わせる事で干渉を回避できます。1つの脚の固定の為に3カ所の穴を開けます。さらに干渉防止用の穴位を加えて型紙を作成しました。

ボス径はφ2mmでしたが、穴位置が合わなかった為、全てφ3.2mmで開けました。早速脚を取り付けてみました。

本体に対して、脚が大きい気がしますが、電源トランスが重いためこのくらいのサイズがあった方がバランスがいい気がします。さらにケースに取り付けてみました。

四角の固定ネジの作業性はいまいちでしたが、普通に取り付けができるので良しとします。正面から見るとこんな感じです。

脚がサイドパネルとほぼ面一となっています。いい感じではないでしょうか?リアビューは、本記事のアイキャッチ写真としました。これで電源トランスユニットは完成です。次回はアンプユニットの製作に着手します。

 

つづく(製作編12)

ローノイズ真空管アンプ(製作編10)

製作編10

電源トランスユニットの回路図を再確認して、電源トランスユニットの機内配線を行います。

回路図の再確認

電源トランスユニットの配線を始める前に、電源回路図を改めて見直します。下の回路図は現状の電源回路です。

一方、オリジナルの真空管アンプの電源回路は以下のとおりでした。

-5V電源生成の為に5V巻線を使って倍電圧回路を組んで三端子レギュレータに入力していました。今回の設計は、初段用のヒーター回路を別トランスとした為、6.3V巻線が余った為、倍電圧回路をやめて5V巻線と6.3V巻線を直列接続にして利用する設計としていました。改めて考えてみると、-5V電源生成であれば6.3V巻線で十分な事に気がつき回路図を修正しました。

回路図がだいぶすっきりしました。

電源基板取り付け

アルミシャーシに取り付けた、六角スペーサーに基板を取り付けます。事前に取り付け確認を行っているので、問題なく取り付けられました。

取り付けてみて思いましたが、電源トランスに対向している2つの2極の端子台は基板の両サイドへ取り付けた方が配線がシンプルになったとおもいます。いまさらなので今回はこれで配線を進めます。

配線

最初に電源ランプ配線を行います。電源基板の動作確認時に電源ランプAssyを作成済みなので、ランプを交換しました。

パネルをケースに取り付けて、電線を適切にカットして所定の端子台へ接続しました。

続いてリアパネルのコネクタ配線を行います。ケースに組み立てた状態では、ハンダ作業がやりにくいので、一旦パネルを取り外しました。最初に航空コネクタのリレー制御回路配線を行います。平衡ケーブルをハンダ付けして適当な長さでカットしました。

次は航空コネクタの残り3つのピンへ、電源トランスの2次巻線用の配線をします。AWG18と線径が太いため、少し苦労しました。

作業を行う度にこの航空コネクタには苦労します。次に同様の仕様のコネクタが必要となった際には、別のコネクタを探そうと改めて思いました。この3本の電線には高圧がかかる為、念のため熱収縮チューブで保護しました。

次はEL34のヒーター用配線を行います。XLRパネルコネクタ4極です。さすがに一流メーカーのコネクタだけあって、ピン形状が線径にマッチしていて作業がやりやすいです。

ヒーター巻線のそれぞれを黒と緑の電線を使用しましたが、後の配線時にどの巻線の配線か解るように配線の被覆色を考慮しておくべきでした。コネクタ配線の最後は、初段ヒーター用電源線と-5V用の電源線の配線です。

初段ヒーター用配線は、全波整流を行うため3線で黒と緑のセットです。-5V用電源は黄色と黒のセットとしました。問題なくコネクタ配線が完了しました。配線の終わったリアパネルを改めてケースに取り付けました。

アルミシャーシの上面はこんな感じです。

次は電源一次配線を行います。後でわかりやすいように電源一次配線は全て白の被覆電線を使用しました。

ここでは、電源トランスユニットの一次配線とメインの電源トランス用リレー配線およびヒューズホルダ配線を行っています。残りの一次配線とメインの電源トランスの二次配線を行いました。

別の角度から見るとこんな感じです。

きりがあまり良くありませんが、次回も電源トランスユニットの配線の続きを行います。

 

つづく(製作編11)

ローノイズ真空管アンプ(製作編9)

製作編9

電源トランスユニットの電源基板の実装を行います。

実装部品

改めて電源基板の回路図を掲載します。

搭載部品は、電源トランスと三端子レギュレータを使った+12Vの安定化電源回路および、パワーアンプ電源制御用のパワーリレーです。基板に搭載する電源トランスは、2016年8月16日の「バランス変換ボリューム製作(製作編)」の製作記事で使用したものです。製作を再開した初めにつくったもので、通販による部品の調達がよくわからずに非力な電源トランスを購入してしまいました。12V-0V-12V 0.06A品です。その後、このユニットの電源を製作しなおした事から余っていたので、今回使用する事にしました。トランスが非力なので、電源回路の定数を見直しました。さらにパワーリレー制御コイル回路にサージ保護用としてツェナーダイオードも追加しました。

この変更で、電源トランスユニットのリレーオン時の電源負荷は、53mAから41mAに下がります。

大物部品配置検討

電源基板に実装する大物部品は、電源トランス、電解コンデンサー、三端子レギュレーター、端子台とパワーリレーです。安定化電源回路を左半分に実装し、右側をパワーリレーのみとしたいとおもいます。

初めに、三端子レギュレーターの入力側の回路を実装しました。

通電確認時にプローブで掴むポイントも意識しました。続いて三端子レギュレーターの出力側と、電源ランプ用端子台まで実装しました。

最後にパワーリレーと、他端子台を実装すれば完成です。

半田面はこんな感じです。

通電確認

通電確認用に、電源ランプAssyを作成します。といってもフランジLEDに電線を接続するだけです。

さらにアンプユニット側の電源スイッチのダミーも作成して実装基板に接続しまし、ACインレットにコンセントケーブルを接続して電源オンしました。

無事電源ランプが点灯しました。ダミーの電源スイッチをオンすると、ACアウトの端子台の抵抗値が0Ωになります。リレー動作も問題ないようです。念のため各部の電圧を確認します。まずは、リレーオフの状態で三端子レギュレータの入力側と出力側の電圧波形をオシロスコープで確認しました。

カーソルが電圧波形上に乗ってしまっているのでよくわかりませんが、カーソルaが入力側でカーソルbが出力側です。三端子レギュレータに6.50Vかかっています。次にリレーをオンしてみました。

入力電圧が15.8Vに下がり、三端子レギュレータにかかる電圧は3.80Vに下がっています。データシートを見ると、2V電圧がかかっていれば正常動作するようなんおで、問題なしと判断しました。

念のため、三端子レギュレータ入力側のコンデンサインプット電源のリップルも観測しておきます。以下はリレーオン時の波形です。

200mVppと問題のないレベルです。最後にリレーオン/オフ時のサージ波形を確認します。最初はスイッチをオフからオンに切り替えた時の波形です。

黄色が操作コイルのスイッチ側で青が12V電源の波形です。スイッチのチャタリングによって大きなレベルのサージが発生しています。見にくいので、黄色の波形をオフしました。

三端子レギュレータへの影響はあまりありません。次にオンからオフへ切り替え時の波形を確認します。

大きなサージ波形が発生しています。同様に黄色の波形をオフしてみました。

ノイズは乗っているものの、幅が短いので影響なしと判断しました。フィルムコンデンサとツェナーダイオードによる対策の限界のようです。基板の動作確認は以上で終了です。次回は、上記で実装した基板をアルミシャーシに装着して配線を行います。

 

つづく(製作編10)

ローノイズ真空管アンプ(製作編8)

製作編8

電源トランスユニットのアルミシャーシの加工を行います。

アルミシャーシ加工

作成済みのアルミシャーシ加工図を再掲載します。

搭載部品は、電源トランス1個、ヒーター用トランス1個とユニバーサル基板1枚です。今までの加工と同様に、加工図を外形に沿って切り抜きました。

それをアルミシャーシに貼り付けましたが、サイドに曲げがあるので外形に沿って正確に貼り付けはできませんでした。

貼り付け位置がずれても、全体的に取り付け部品の位置が左右にずれるだけなので大きな問題はありません。穴のセンターと角穴の四角にポンチで印を付けて、加工図を剥がしました。加工図に従ってドリルで穴開けを行いました。

電源トランス取り付け加工

次は電源トランス取り付け用の角穴を開けます。パネル同様にハンドニブラでカットしていきますが、パネルはt=1.5でしたが、アルミシャーシはt=2.0です。ハンドニブラの限界厚です。案の定、カットを進めるとすぐに手の平の筋肉がつりそうになりました。途中で、チェーンルーブをつけて摩擦を減らしながらカットを行いました。一気に切り進める事ができず、休憩を挟んだ為に穴開けにかなり時間が掛かりました。結果は以下のとおりです。

保護用のシートを剥がしていないのでカット面が荒れて見えます。早速電源トランスを装着してみました。

あらら、装着できません。固定ネジ2カ所の追加加工が必要です。オリジナルの真空管アンプ組立時も大きく追加工した記憶がありますが、トランス自体の寸法がずれている事を疑いたくなります。棒ヤスリで取り付け穴2カ所を追加工し無事電源トランスが装着できました。

この状態で、アルミシャーシをケースに納めようとしましたが、電源トランスがサイドパネルと干渉してアルミシャーシをケース内に入れる事ができませんでした。

仕方がなので、一旦電源トランスを取り外し、アルミシャーシをケースに固定してから改めて電源トランスを取り付けてみました。

無事に納める事ができました。ヒーター用トランスはネジ位置の確認の為にアルミシャーシに置いています。電源トランス手前には、ユニバーサル基板がアルミシャーシ下にユニバーサル基板を取り付けます。ヒータートランス下に基板を取り付けてケースサイズを小さくする事もできたかも知れません。次はユニバーサル基板の取り付け確認を行います。保護シートを剥がす必要があるので、一旦バラします。

ユニバーサル基板取り付け確認

ユニバーサル基板取り付け用穴に4本六角スペーサーを取り付けて、装着確認をしました。残念ながら1箇所穴位置の追加工が必要でした。スタッドを取り外し、追加工を行いますが、アルミシャーシはヘアライン加工されていない為、手の油で表面が曇ります。対策として、軍手をはめて作業を行いました。追加工により無事基板の装着ができました。

アルミシャーシ取り付け

取り付けた六角スペーサーはそのままで、基板のみ取り外してアルミシャーシを改めてケースに取り付けます。固定用のビス穴1カ所ですが、リタップしたものの結局ネジバカとなってしまいました。結局、ビスナットで固定しました。

強度面では問題なさそうです。

電源トランス再取り付け

改めて電源トランスを取り付けました。同時にヒーター用トランスも取り付けています。

次回は電源基板の実装を行います。

 

つづく(製作編9)

ローノイズ真空管アンプ(製作編7)

製作編7

引き続きリアパネルの加工を進めて、リアパネルを完成させます。

異形丸穴開け

次のリアパネル加工は、ヒューズホルダーと航空コネクタの取り付け穴を開けます。

上記の加工図は過去に掲載したものからXLRパネルコネクタの穴径をφ25に変更しています。ヒューズホルダーと航空コネクタの取り付け穴はともに異径の丸穴形状です。どちらも短い幅の径の丸穴を先に開けて、あとは地道にヤスリで削って形を仕上げました。それなりに時間はかかりますが、力業ではないので苦になりません。それぞれ部品を取り付けた状態は以下のとおりです。

周り止めの効果は認められましたが、その形状から多少ガタがあり完璧ではありませんでした。まあこんなものでしょうか?

XLRパネルコネクタ取り付け穴加工

残りの加工はシャーシパンチを使用したXLRパネルコネクタ取り付け穴加工です。普段の手入れをさぼっていたので、シャーシパンチのカッターが錆びていました。ヤスリで削って仕上げにいつものとおり中性洗剤の原液を塗布して加工に望みました。案の定、体全体で力を込めないとセンターボルトを回す事ができませんでした。それでもなんとか穴開けを完了しました。

写真ではわかりずらいですが、穴のカット面がカッターの移動方向に若干撓んでいます。もう1つ加工が残っていますが、カッターを改めてメンテナンスしてみました。今度は、自転車用のチェーンルーブを使って磨きました。

健康維持の為に土日にそれぞれ1時間強、約25kmを自転車で走ってますが、その自転車のメンテナンス用に普段使っているものです。綿棒にオイルを浸して、カッターの表面を磨きました。

あいかわらず穴開けに全身の力が必要でしたが、仕上がりに明らかな差がありました。

左が中性洗剤原液使用時で右側がチェーンルーブ使用時のものです。カット面のダレに明らかな差が確認できました。今後はチェーンルーブを使ってカッターのメンテナンスを行いたいとおもいます。XLRパネルコネクタの取り付け方法を迷いましたが、カット面が比較的きれいに仕上がったので、コネクタ本体をパネル内側に固定する事にしました。写真は加工後に全部品を取り付けた状態です。

いい感じに仕上がりました。加工中にドリルのビット折れでパネルに傷をつけてしまいましたが、案の定保護シートを破ってパネルにも傷がついていました。左のXLRパネルコヌクタ脇です。心配した程、目立たなくてほっとしました。この状態でリアパネルをケースに取り付けてみました。

アルミシャーシとの干渉により、上からスライドインできませんが、正面押し込みで対応可能です。1つ問題点が発覚しました。

写真のとおりパネルコネクタにより、アルミシャーシ固定用のネジへのアクセスができません。配線完了後は、なおアクセスしにくくなります。幸いアルミシャーシ加工完了後、アルミシャーシを外すようなメンテナンスはないとおもいますので、組み立てる順番で対処したいとおもいます。具体的には、シャーシパネルを取り付けた後にリアパネルをケースに固定する順番です。電源トランスユニットのケース加工の残りは、アルミシャーシのみです。次回はそのアルミシャーシの加工を行います。

 

つづく(製作編8)

ローノイズ真空管アンプ(製作編6)

製作編6

電源トランスユニットのケースの加工を行います。

フロントパネル加工

まずはCADで作成した加工図3枚印刷しました。

印刷後の寸法が気になるのでCADソフトから直接印刷しています。電源トランスユニットのケースは比較的小型なので、3枚ともにA4用紙に出力する事ができました。まずはフロントパネルの加工図を、パネルの外形に沿ってカットしました。

フロントパネルに取り付ける部品は、電源ランプ用のフランジ付きLEDのみです。念のため外形寸法測定をしたところ、加工図が間違っていました。赤ペン修正して加工図をパネルの外形に合わせて貼り付けました。

後で加工図は修正したいとおもいます。穴のセンターにポンチで印を付けて加工図を剥がします。

ドリルのビットの都合で、φ6の穴を開けてからはひたすらリーマーで穴径を広げました。

ほどなく適合サイズの穴径となり、電源ランプを取り付ける事ができました。

フロントパネルは、丸穴が1つだけなので簡単に完了しました。ケースを仮組みして様子をみます。

他の機器と左からの距離を合わせましたが、電源トランスユニットは横幅が狭いため、もう少し左に寄せた方がバランスが良かった気がします。高さ位置は、アルミシャーシとの干渉を避けるため微妙に高くする事ができません。まあこれで我慢します。

リアパネル加工

フロントパネル加工と同様に加工図を外形に沿って切り取り、パネルに貼り付けました。

見るからに手間が掛かりそうです。XLRパネルコネクタ取り付け穴径は加工図上φ24となっていますが、シャーシパンチの刃の都合でφ25で穴開けします。ポンチで穴のセンターと各穴の四角に印をつけました。

各穴部分は、カット線を引いています。最初にφ1.8のビットで下穴を開けましたが、XLRパネルコネクタの穴開け時にビットが折れてしまい、パネルに傷をつけてしまいました。

パネルには保護用のシートが貼られていますが、保護シートを突き破っていそうです。やれやれ・・・。各穴はシャーシパンチを、XLRパネルコネクタのφ25の穴はシャーシパンチを使う為、それぞれ下穴はφ10で開けています。

最初にACインレット用の角穴を開けます。少しでも作業を楽にするためにハンドニブラの刃を交換しました。

ハンドニブラはホーザンのK-88ですが、すでに製造を終了していて市場在庫もなくなってきているようです。替え刃の在庫はまだあるようなので、もう1個購入しておいた方がいいかもしれません。手順どおり進めますが、刃が引き抜けません。仕方がないのでクランプを使用してむりくり引き抜きました。

引き抜いたはいいものの、今度は替え刃が入りません。木のハンマーを使って叩き入れました。穴開け作業は楽になるかもしれませんが、刃の交換の苦労を回収できるか自信がありません。気をとりなおして、角穴加工を開始します。パネルが小さい上、刃が新しいので加工作業はスムーズに進みました。

カット面をヤスリで整えて、ACインレットを取り付けてみました。

ビス穴の位置の修正が若干必要でしたがきれいに取り付ける事ができました。次回は引き続き電源トランスユニットのリアパネル加工を行います。

 

つづく(製作編7)