ローノイズ真空管アンプ(製作編20)

製作編20

引き続きシャーシへ部品取り付けの為のシャーシ加工を行い、加工が一通り終わったら、部品を取り付けて干渉等の確認を行います。

L字ラグ取り付け

L字ラグは、電源やGNDを配電する為に取り付けます。今回使用するL字ラグはすべて再利用品です。最初にGND配電用のL字ラグの取り付け加工を行います。取り付け位置は左右チャンネルに均等に配線できるように電源基板と真空管の間の左右センター位置とします。取り付けはM3ネジナットを使用するので、φ3.2の穴を開けました。

写真では、各端子を接続するポリウレタン電線が端子の上部に半田付けされていますが、本取り付け前に基板のハトメ部分に変更して、L字ラグでシャーシGNDが落ちるように変更する予定です。次は電源配電用のL字ラグと、初段と終段間のフィルムコンデンサを実装するL字ラグの取り付け加工をします。シャーシにスペースの余裕がないので取り付け位置はほぼ一択状態です。

反対のチャンネルも同様に加工しました。

B電源用チップジャック

終段のバイアス電流を調整する為に、B電源の電圧をモニタする必要があるのでB電源用のチップジャックを取り付けます。せっかくなのでGND用のチップジャックも取り付けます。取り付け位置は、いろいろと考えてましたが、電源基板とバイアス調整基板の間としました。取り付け穴はφ6の円の両側を5mmにカットした形状です。加工後、早速取り付けてみました。

シャーシ上面はこんな感じです。

部品取り付け確認

シャーシの加工がひととおり終わったので、出力トランスと電解コンデンサ以外の部品を取り付けてみます。

見た感じはいいです。スピーカーターミナルですが、回り止め加工を行ったものの取り付けが安定しません。ナットの締め付けを上げてもぐらついてしまいます。状況を確認したところ、板金の板厚に比べて回り止め用樹脂の想定板厚が厚い事がわかりました。

写真部品中心部の立ち上がった部分が板金に入りますが、高さが約2mmとなっています。一方、加工中のケースの板厚は測定したところ約1.2mmでした。これではナットをいくら締め付けても、シャーシ板金に固定はできません。元のアンプではそんな事はなかったので、ケースの仕様を念のため確認してみました。

上の表は、MKシリーズの構成部品の仕様です。3のシャーシが該当部品ですが、MK-300のみt=1.0で他のモデルはt=1.5との事です。過去の結果および上記測定結果と一致しません。もやもやな気持ちを持ちつつも深追いはせずに、対応を考えます。板金の反対側から押さえる樹脂部品が板金を押さえるようにすればいいので、立ち上がり部分をヤスリで削る事にしました。

意外と手間がかかりましたが、この程度けずれば問題なく固定できそうです。

削った樹脂部品を使って、改めてスピーカーターミナルを固定しました。ぐらつきの問題は解決しました。全部品取り付け後のシャーシ内部はこんな感じです。

いい感じではないでしょうか?次回はL字ラグの修正およびバイアス調整基板のポストを端子台に変更して、残りの部品の取り付け確認を行います。

 

つづく(製作編21)