製作編4
出力トランスをケースに取付け、シャーシ組み立てを行います。
出力トランス用ケース加工
今回は出力トランスに春日無線のKA-5-54Pを採用しました。真空管ヘッドホンアンプ製作時の経験から、出力トランスの取り付けは出力トランスの取り付けフランジをシャーシ面に対して垂直方向で、トランストップが手前側になるように取り付けます。この取り付け方向により、電源トランスの漏洩磁束の影響を受けにくくする事ができ、ハムに対して有利になる事が理由です。この取り付けを行う為に、東栄変成器のトランスケースSを採用しました。
ケースは3ピースで構成されて写真のコの字型の板金にサイドパネル2枚を取り付ける構造です。出力トランスの高さとコの字板金の寸法から、出力トランスはコの字板金に取り付けます。写真は取り付け位置に出力トランスを置いてみた状態です。
ケースに出力トランスを固定する為に、固定用のネジ穴を2個開けます。一応加工図を作成しました。
上記で作成した加工図を外形に沿って切り取り、トランスケースに貼り付けて加工穴2カ所にポンチで印をつけました。加工図を剥がして穴開けを行います。
材質はスチールなので穴開け時の感触がシャーシ加工時と異なります。早速出力トランスを取り付けてみます。黒のネジの在庫があったので見栄えを考えて使用しました。
ケースのサイドパネルを固定する前に、使用しない2次巻き線の処理を行います。ビバホームで購入した端末保護キャップ2mmを被せてインシュロックで固定しました。
処理する電線は16Ω出力と8Ω出力の2本です。この2本をループ状にフォーミングしてインシュロックでさらに固定してケースに納めます。
これでサイドパネルを取り付けると完成です。
実はこの状態にしてしまうと、シャーシへの取り付けができません。シャーシ取り付けの際に、サイドパネルを外す必要があります。
トランス以外の部品取り付け
出力トランスの取り付け準備ができましたが、トランスを取り付けてしまうと細かな部品の取り付けが大変になります。先に細かな部品の取り付けを行います。最初は電源基板用のスタッドを取り付けました。
念のため基板を装着してみました。
特に問題ありませんでした。次は終段のバイアス調整基板用スタッドを取り付けます。ボリュームのサイズを考慮して10mmのものを選定しました。
調整用のボリュームを仮止めしてボリュームアクセス用の穴位置を確認しました。
加工図上、2.54/2mmの誤差があった為、穴を後加工しました。後加工後の状況は写真のとおりです。
次はチップジャックを取り付けます。
φ6への取り付けは何ら問題ありませんでした。終段のプレート電圧確認用には水色と白のチップジャックを、B電源とGND用には赤と黒のチップジャックを取り付けました。
フロントリアパネル部品取り付け
次はフロントとリアパネルにハンドルを取り付けます。角パイプ取り付け用金具にナットを取り付けます。それをパネルの穴に装着してさらにナットで固定します。
シャーシに部品を取り付けてしまうとナットの締め付けのじゃまになります。取り付け済みのチップジャックとスタッドでさえもじゃまになったので、次からは一番最初に取り付けたいとおもいます。ナットの締め付けができなかった部分は、仕方がないのでパネル前面のナットを戻す方向に回して締め付けました。
正面パネルには、電源スイッチと電源ランプを取り付けて完成です。
次回はリアパネルへの部品の取り付けとトランスの取り付けを行います。
つづく(製作編5)