2020-01-01から1年間の記事一覧

無帰還広帯域真空管アンプ(構想編6)

構想編6 前回の記事で設計したSRPP回路は改善量が今一つだったので、回路変更により改善量アップを検討します。 SRPP回路2 カットオフ周波数は、終段のミラー容量の影響を大きく受けるため、初段と終段のゲインバランスを見直してみます。終段のゲインを下…

無帰還広帯域真空管アンプ(構想編5)

構想編5 前回の記事に引き続き現行アンプの周波数特性のシミュレーションの精度アップについて検討します。 前回のおさらい 現行のHigh-ch用アンプの周波数特性を初段出力と終段入力部の一次フィルタと、出力トランスと負荷抵抗の一次フィルタにモデル化し…

無帰還広帯域真空管アンプ(構想編4)

構想編4 前回確認した各段のゲインの計算結果を使って現行アンプの周波数特性をシミュレーションしてみます。この目的は今回設計する広帯域アンプの周波数特性のシミュレーション方法の妥当性の判断を行う事です。 現行アンプ帯域幅計算 現行アンプの回路図…

無帰還広帯域真空管アンプ(構想編3)

構想編3 回路設計後に周波数特性のシミュレーションが必要な為、現行機を使って周波数特性のシミュレーションを行いその方法の妥当性の確認を行います。 現行High-chアンプ各段ゲイン 改めて回路図を掲載します。 周波数特性のシミュレーションには各段の入…

無帰還広帯域真空管アンプ(構想編2)

構想編2 SRPP回路の特性について考えてみます。 SRPP回路 構想編1で描いたとおり初段の差動アンプをSRPP構成としてアンプの広帯域化を検討してみます。回路は初段の負荷抵抗を真空管回路で置き換えた構成となっています。最初に負荷抵抗を置き換えた真空管…

無帰還広帯域真空管アンプ(構想編1)

構想編1 期待通りの性能を実現する設計できるかわかりませんが、無帰還広帯域真空管アンプの構想をします。 無帰還アンプ アンプを簡単に広帯域化するには、アンプの裸利得を稼ぎ、帰還をかける事で広帯域化できます。私が最初に製作したEL34ppA級パワーア…

ユニットメンテナンス(番外編41)

番外編41 引き続きボリューム付きのBTLアダプタのメンテナンスを行います。 電源交換 電源基板の動作確認が終わったので、ユニットの電源を交換します。使用したユニバーサル基板は異なるものの、取り付け穴の位置が同じで簡単に取り付ける事ができました。…

ユニットメンテナンス(番外編40)

番外編40 前回に続き、製作したユニットのメンテナンスを行います。今回の対象ユニットはボリューム付きのBTLアダプタです。 ボリューム付きBTLアダプタ オーディオ製作再開後、わりと初期に製作したもので、アンバランス信号をバランス変換するユニットです…

ユニットメンテナンス(番外編39)

番外編39 今まで製作したユニットのメンテナンスを行います。 DACユニット 完成したばかりのユニットなので、メンテナンスというよりも後日譚です。完成した翌週末にのんびりCDを聴いていました。1枚目を聴き終わり2枚目の再生を始めた直後にPLLのロックが…

DACユニットの製作(まとめ編)

まとめ編 DACユニットの製作が終わったのでまとめを行います。 製作まとめ概要 ブレッドボード製作の構想開始が今年の4月なので、DACユニットの完成まで半年以上かかったことになります。正直なところブレッドボード版が完成して、DACユニットの製作に入っ…

DACユニットの製作(製作編6)

製作編6 DACユニットの配線が終わったので動作確認を行い、さらに最終の音聴きをします。 通電 配線は終わったものの、通電に躊躇しています。配線の本数が多く、接続間違いによりこの段階で基板を壊してしまったら代替え基板の金銭的ダメージよりも精神的…

DACユニットの製作(製作編5)

製作編5 LCDパネルの表示を含むマイコンの動作確認を行い、ボトムシャーシへの部品の取り付けおよび配線を進めます。 マイコンの動作確認 前回の記事でモーメンタリSWの配線まで終わっていたので、残りのLCDパネルの配線を行いました。まだDACユニットの電…

DACユニットの製作(製作編4)

製作編4 ボトムシャーシの加工を進めて基板を取り付けます。 穴位置調整 最初はマイコン基板の取り付け確認です。arduino UNOの基板取り付け穴は4カ所ありますが、位置指定は起点からインチ指定となっていました。CADの指定はミリ単位なので、誤差を含む前…

DACユニットの製作(製作編3)

製作編3 アクリル板の取り付け方法に問題が発生したため、取り付け方法を再検討します。アクリル板取り付け確認後、ボトムシャーシの加工を行います。 アクリル板取り付け再検討 日を改め気をとりなおしましたが、さてどうしたものか・・・。幸いアクリル板…

DACユニットの製作(製作編2)

製作編2 なんとかLCDパネルの取り付け加工が終わったので、フロントパネルの残りの加工を行います。 モーメンタリーSW取り付け穴加工 前回の記事の写真のとおり、電源SWの穴可能はすでに終わっています。残りはモーメンタリーSW3個の取り付け用の穴加工で…

DACユニットの製作(製作編1)

製作編1 引き続きリアパネルの加工を行い、続いてフロントパネルの加工を行います。 ACインレット用穴加工 ACインレット取り付け用の角穴の四すみにポンチで印をつけましたが、その印を結んでカット線を描きます。 四角の中にハンドニブラ挿入用のφ10の穴を…

DACユニットの製作(設計編3)

設計編3 フロントパネルに取り付けるアクリル板の加工図を作成します。本記事は設計編ですが、紙面の関係でリアパネルの加工に着手します。 アクリル板取り付け検討 今回のケース作成時の最大の難関です。12チャンネルボリュームユニットで一度行っています…

DACユニットの製作(設計編2)

設計編2 選定したケースを購入し、フレームの組立を行って構造確認を行った上で、パネルの加工図を作成します。 ケース購入 パネル加工を依頼すると、購入先が限定されてしまいますが、今回は加工依頼がないので、自由に探せます。まずはアマゾンで対象型式…

DACユニットの製作(設計編1)

設計編1 ブレッドボード版のDACユニットが完成したので、納める為のケースの選定および加工図の設計を行います。 シャーシサイズの見積もり 選定の前に、ブレッドボードの実装を考慮して必要なフットプリントサイズを見積もります。改めてブレッドボードの…

DACユニットの検討(まとめ編4)

まとめ編4 制御ソフトのまとめとDACユニットの評価結果のまとめをします。 制御ソフト 制御ソフトはC++準拠のarduino言語でソースを作成しました。編集、コンパイル、転送、デバッグの全ての機能をもつ開発統合環境IDEが無償で提供されています。 今回実装…

DACユニットの検討(まとめ編3)

まとめ編3 まとめの続きをマイコン基板から行います。 マイコン基板 12チャンネルアッテネータの制御で採用したarduino UNOを今回も使用しました。マイコンは8ビットのATmega328Pがクロック周波数16MHzで動作しています。Flash:32KB, SRAM:2KB, EEPROM 1KB…

DACユニットの検討(まとめ編2)

まとめ編2 引き続きブレッドボード版DACユニットのまとめを行います。 IV変換基板 デジットキット「平衡-平衡アンプ基板キット(OPAMP_B)」を改造して使用しました。改造といってもIV変換回路への改造を想定した設計となっていて、改造部品の準備は必要で…

DACユニットの検討(まとめ編1)

まとめ編1 ブレッドボード版のDACユニットが完成したので設計と評価のまとめを行います。 DACユニット設計概要 今回の製作は、デジットキットのDAI基板、DAC基板、IV変換基板を流用して、同軸デジタル信号入力、アナログバランス出力のDACユニットです。DAC…

DACユニットの検討(製作編40)

製作編40 ディスクロード時のノイズ対策のため、ミュートディレイタイムの再調整をします。最後に追加した機能に絞って1000Mマルチアンプシステムで音を聴いてみます。 ミュート回路 追加機能評価中に対策済のディスクロード後のノイズの再発を確認しました…

DACユニットの検討(製作編39)

製作編39 動作確認でノイズの発生を確認した位相切り替え時のノイズ対策と電源オン後のデモ画面をフィックスします。 位相切り替え時ノイズ 前回の記事で実装を行った位相切り替え機能ですが、再生時の位相切り替えでノイズの発生を確認していました。たいし…

DACユニットの検討(製作編38)

製作編38 位相切り替え機能とアッテネータ機能の実装を行い、動作確認を行います。 位相切り替え機能 位相切り替え機能はレジスタ19のbit7(REV)に配置されています。 REVビットの仕様は以下のとおりです。 レジスタ19はINZD(Infinity Zero Detect)機能実…

DACユニットの検討(製作編37)

製作編37 前回実装したΔΣオーバーサンプリング倍率選択機能を使って各倍率時の特性比較を行い、ソフト製作を続けます。 特性比較 特性比較は、製作済みの平衡不平衡変換回路を使ってアンバランス変換し、2次x3段のアンチエイリアスフィルタを使って出力信号…

DACユニットの検討(製作編36)

製作編36 前回の記事の紹介に従って、ΔΣ変換オーバーサンプリング倍率設定変更ソフトを作成して動作確認を行います。 OS設定変更ソフト C++言語で実用ソフトを組むのは12chアッテネータ作成時以来です。BASICは血肉となっているのでリファレンスは必要ありま…

DACユニットの検討(製作編35)

製作編35 DACユニットブレッドボードの音出しまで終わったので、ブレッドボードのユニット化に向けてソフト設計をします。 実装する機能 実装する機能は今まであまりちゃんと考えていませんでした。ユーザーインターフェース用の部品は、漠然とモーメンタリ…

DACユニットの検討(製作編34)

製作編34 完成したDACユニットブレッドボードの音を聴いてみます。 準備 完成したブレッドボードの音を聴く前に現行システムで耳を慣らします。さらに前々から気になっていた吸音ボードを購入したので、これを機会に使ってみる事にしました。部屋は2辺が外…