DACユニットの製作(設計編1)

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設計編1

ブレッドボード版のDACユニットが完成したので、納める為のケースの選定および加工図の設計を行います。

シャーシサイズの見積もり

選定の前に、ブレッドボードの実装を考慮して必要なフットプリントサイズを見積もります。改めてブレッドボードの加工図を掲載します。

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この加工図を眺めて小型化を進めます。マイコンは個別デバッグできるようにアクリルボード上に固定したものを前提にしていたので、マイコン基板単体に変更する事で省スペース化できます。

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デジットキットは入出力端子にピンヘッダを採用しているため、基板間隔を狭くしても配線が可能です。トロイダルトランス2個も、ブレッドボード版では全体のバランスを考慮して配置したため、電源基板側に寄せる事で省スペース化できます。LCDパネルは、フロントパネルに取り付けるため、ボトムシャーシから削除します。上記を考慮して一声、A3の短辺約300mmの正方形内に納める事ができそうです。このシャーシサイズを基にケースを選定します。

ケースの選定

いつものとおり、タカチ電機のラインナップから探してみます。タカチのホームページには製品の検索機能があるので使ってみました。

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初めにラインナップされているケースの構造を選択します。複数にチェックも可能です。

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続いて、ケースのサイズを入力します。外形寸法と内部有効寸法の選択を行い、希望のWxHxD寸法の上限と下限を入力して、材質を選択します。検索ボタンを押すと結果が表示されました。

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全部で14件ヒットしました。結果を整理するとOS/SLシリーズ、POS/PSLシリーズ、WO/WSシリーズの3種類に分けられます。このうち、WO/WSシリーズはOS/SLシリーズにサイドウッドパネルを追加したものなので除外します。さらにPSLとSLは天板と底板が鉄板のため除外しました。残ったものはPOSとOSシリーズです。それぞれの組立図を掲載します。

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上がPOSシリーズで、下がOSシリーズです。POSシリーズはケースを組み立てた状態でフロントとリアパネルが取り外せる構造となっている点が異なります。パネルの固定はスリーブビスが使用されています。

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今回はフロントパネルにアクリル板を取り付けるため、スリーブビス固定用のフランジがじゃまになる恐れがあるので、選択肢から外しました。結局残った選択肢はOSシリーズの4件のみです。さらにパネル高さ違いとケースの塗装処理の違いなので高さを99mm品に決めた事で、OS99-32-33SS一択となりました。チャンネルデバイダのケースは、OS88-32-33SSだったので、結局高さ違い品を選定した事になります。

OSシリーズの構造

図はOS99-32-33SSの天板の図面です。底板も同じ寸法です。

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外形寸法313x294に対して有効寸法は290x269となっています。写真は同じOSシリーズを使用したパワーアンプの電源トランスユニットの天板を外したものです。

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天板固定用のフランジが4辺に設置されているため、このエリアを除外したエリアを有効寸法と呼んでいます。それではこの有効寸法内に部品を配置してみます。

シャーシ加工図面

ブレッドボードの加工図を基に修正をかけていきます。作図の都合上、有効寸法を288x266としました。本記事のアイキャッチ写真は、ブレッドボード加工図に有効寸法を追記したものです。はみ出した部分を有効寸法内に納めます。全体的は配置は踏襲し、全体的にコンパクトに配置しなおしました。結果は以下のとおりです。

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うまく配置できたとおもいます。次回は基板配置ができたので、ケースを購入してフレーム構造を確認の上でリアおよびフロントパネルの加工図を作成します。

 

つづく(設計編2)