ローノイズ真空管アンプ(設計編6)

設計編6

電源トランスユニットのリアパネル加工図を作成します。

電源トランスユニット概要

少しおさらいをします。電源トランスユニットは下記回路図の点線の左側を納めます。

ケースはタカチ電機のOS149-16-33SSを使用する事としました。電源トランスを納める為に、サブシャーシを取り付けます。オプション品のアルミシャーシAC16-33を取り付けます。AC16-33のオリジナルの高さは、17mmしかありません。

前回の記事で50mmの六角スペーサーを使って高さを上げる事としていました。それに基づいてフロントパネルの加工図を一旦作成しましたが、アルミシャーシ自体の高さの考慮が漏れていました。その上、必要のない電源スイッチの取り付け穴も追加してしまった為、フロントパネルの加工図は都合3回も作成することとなりました。時系列で記事にするとわかりにくいので、アルミシャーシ高さに気づいたリアパネル加工図の作成から説明します。

リアパネル加工図

リアパネルには、ACインレット、ヒューズホルダ、航空コネクタ、XLRパネルコネクタ2個をとりつけます。パネルの図面を抜粋します。

フランジでパネルを固定し、外周部が隠れる為、有効寸法は134 x 137mmです。さらに考慮が必要な点は、サブシャーシの取り付けです。下記はパネル図面にサブシャーシの取り付けイメージを反映しました。

左端の10mmは有効寸法を考慮、8mmはサブシャーシ固定用の六角スペーサーの投影部です。サブシャーシの高さが17mmあるので、30mmの六角スペーサーを使用し、サブシャーシの部品取り付け面の高さを47mmとしています。コネクタ類を横一列に並べたかったですが、有効寸法と六角スペーサーを考慮すると全てを並べることができません。仕方がないので、ACインレット、ヒューズホルダと航空コネクタをサブシャーシ下に並べて、残りXLRパネルコネクタをサブシャーシ上に配置する事にしました。取り付け部品の寸法を確認します。初めはACインレットです。

アルミ加工の傷を隠すためにフランジを外側で固定します。次はヒューズホルダです。

取り付け穴は、周り止めの為に円の上下をカットした寸法となっています。次は航空コネクタです。図面はありませんが、現品を入手済みの為測ってみました。この部品もヒューズホルダと同様にφ15.5の円の上下を幅14.5mmでカットした断面になっていました。

図面上は余裕をとってφ16の穴の両側を14.5mmでカットした形状としています。配線の都合により、コネクタの向きを両サイドカットされた状態としたいとおもいます。最後はNEUTRIKのXLRパネルコネクタです。図面は以下のとおりです。

加工図面は、加工の都合上問題のない範囲で若干寸法を変更します。それでは上記の部品をリアパネルに展開してみました。

コネクタを上下二段に並べていて、その間に17mmの空間を空けていますが、ここがアルミシャーシとその取り付け板部分です。センターの四角形は、アルミシャーシの一番後ろ側にとりつけるヒーター用トランスの外形の投影です。XLRパネルコネクタと干渉の可能性は低いとおもいますが、配線も考慮してオーバーラップを避けています。一旦リアパネルの加工図は完成とします。次回はフロントパネルの加工図を作成します。

 

つづく(設計編7)