ローノイズ真空管アンプ(設計編4)

設計編4

電源トランスユニットのケースを選定するための検討を行います。

電源トランスユニット

改めて今回製作するローノイズ真空管アンプの電源回路を掲載します。

図面上の点線左側が電源トランスユニット実装部分です。大物部品は電源トランス3個とDC12Vの三端子レギュレータを使った安定化電源です。回路図上にはありませんが、コンセントインを示すパイロットランプをフロントパネルに取り付ける予定です。リアパネルにはACインレット、ヒューズホルダ、アンプユニットへの電源供給用のコネクタを取り付けるので、そのスペースの確保が必要です。

搭載部品

搭載部品の中で一番の大物は電源トランスです。これは1号機に搭載しているものを使い回します。ノグチのPMC-190HGですが寸法は以下のとおりです。

通常の取り付けをする場合には、ケース内にサブシャーシが必要となります。サブシャーシ下の高さは40mm以上はとりたいところです。次は初段真空管ヒーター電源用電源トランスです。寸法は以下のとおりです。

最大寸法で見ると、71 x 47あれば収まります。図面上ではわかりませんが、端子は上側についています。配線の都合を考えると、サブシャーシの下側に取り付ける事になります。システムの電源用トランスは、趣味復活して最初に製作したアンバランスバランス変換ボリューム用に購入したドランスを再利用します。当時は部品の販売サイトがわからずに、最初に見つけたものを購入してしまいました。仕様は二次巻線は+/-12V/0.06Aと非力ですが、パワーリレーを駆動するだけなのでこれを使います。

写真を見てのとおり、基板実装タイプです。これらを納められるケースを探します。

ケースの選定

サブシャーシ構造のケースで手軽なものは、アンプユニット本体でも使用予定のリードのMKシリーズです。

一番小型のMK-300が候補になりますが、さすがの私でもこれを使うのはと思ってしまいました。次の候補は、サブウーファー用チャンネルデバイダー等で使用実績のあるOSシリーズです。

OSシリーズはパネルがすべてアルミ製で、フレーム構造の為メンテナンス製が優れています。但し、サブシャーシ構造になっていないため、追加の検討が必要です。タカチのラインナップを探したところ、アルミシャーシACシリーズを見つけました。

説明を見ると検討予定のケースOSシリーズにも対応しているようです。それではOSシリーズを前提にケースの選定を行います。

OSシリーズ

OSシリーズには、高さ、幅、奥行きの各寸法にいくつか選択肢があり、その組み合わせの中から選択が可能です。大物部品の関係からOS149-16-33を候補としてみました。

今までに使った事がないフォームファクタですが、電源トランスユニットとしては適しているとおもいます。右側がトップカバーを外した状態の図面で、フランジ部分を除く有効寸法は130 x 269です。このケースに対応したアルミシャーシを確認しました。型式からAC16-33が対応すると考えられます。図面は以下のとおりです。

図面を見ると、t=2.0のアルミ板がお盆状に四方が折り曲げられていて、前後にZ状の取り付け台がネジ止めされる構造です。取り付け方がよくわからないので、ケースの図面と並べてみました。

寸法からすると、ケースのボトムカバー取り付け用フランジに取り付ける構造のようです。(本記事のアイキャッチ写真参照)いま一つ自信がないので、タカチ電機工業に問い合わせメールを入れていますが、現時点で返信は入っていません。どのみち取り付け台の高さが17mmしかないので、自前でかさ上げした取り付けを検討する必要があります。次回は、このケースを前提にシャーシの加工図を作成してみます。

 

つづく(設計編5)