まとめ編2
引き続きブレッドボード版DACユニットのまとめを行います。
IV変換基板
デジットキット「平衡-平衡アンプ基板キット(OPAMP_B)」を改造して使用しました。改造といってもIV変換回路への改造を想定した設計となっていて、改造部品の準備は必要ですが、基板のパターンに手を加える必要はありません。下の表はデジタル実験基板応用編に掲載された改造前提の部品表です。
改造後の回路図は以下のとおりです。
この回路は一次フィルタ機能をもっていますが、フィルタ用のコンデンサは別途購入する必要があります。そのフィルタ用コンデンサ2200pFで初めて樹脂ケース入りのメタライズドポリエステルフィルムコンデンサを使ってみました。
何点か特長が記載されていますが交換比較していないので効果はなんとも言えません。実装後の外観は以下のとおりです。
オペアンプはバーブラウンのOPA2134ですが、+/-15V電源としている為かそこそこ発熱しています。
平衡不平衡変換回路基板
標準基板を使って自作しました。入力は2枚のDAC基板から出力される4系統のバランス信号です。(L++, L+-, L-+, L--, R++, R+-, R-+, R--)それを2個のOPAMP(4回路)を使って2系統のバランス信号に変換します。(L+, L-, R+, R-)回路図は以下のとおりです。
出力部の半固定抵抗は、現行のDACユニットの出力レベルに合わせるためのものです。この変換回路は2次のフィルタ機能を持たせています。IV変換回路に1次フィルタ特性を持たせているので、このユニットのポストフィルタは3次特性となります。8倍オーバーサンプリングとの組み合わせなのでポストフィルタは欲張りませんでした。実装後の外観は以下のとおりです。
Dレンジを少しでもかせぐ為に+/-15V電源で駆動しています。お試しの音聴きの中でディスクロード後にノイズが発生することが判り追加でミュート回路を実装しました。入力はDAI ICから出力されるGEN_FLAGです。制御回路は以下のとおりです。
ミュート回路の電源は音への影響を考慮してマイコン用の8V電源生成用の全波整流出力を使用しました。写真はミュート解除時の動作波形です。
上がGEN_FLAGで下が2段目のトランジスタのコレクタ電圧で、'L'でミュート解除です。ミュート解除時のディレイタイムは約2.6msに設定しています。
電源基板
アナログ用の+/-15V電源と、デジタル/アナログ兼用3.3V/5V/8V電源の2枚構成です。それぞれの基板の外観は以下のとおりです。
上がアナログ+/-15V電源基板で、下がデジタル/アナログ兼用基板の外観です。回路図は以下のとおりです。
どちらの電源もL/Rチャンネル独立構成としました。アナログ+/-15V電源は、IV変換回路基板と平衡不平衡変換回路基板に供給しています。三端子レギュレータを使った単純な回路ですが、トランスは1A/15V x2巻き線のトロイダルコイルを選択しました。余裕を取りすぎですが、自作ならではの贅沢です。次はデジタル/アナログ兼用電源です。マイコン用の電源とデジタル/アナログ用電源は、トランスの2次巻き線から分けています。マイコン用の電源は8Vの三端子レギュレータで生成し、三端子レギュレータの入力から電源ランプとミュート回路用の電源を取っています。デジタル/アナログ用電源も左右独立構成としていますが、完全に左右独立電源とするには、DAI基板用の3.3V/5Vを独立供給とすべきでした。次回は配線、マイコン回路、ソフトウェアのまとめを行います。
つづく(まとめ編3)