DACユニットの検討(製作編25)

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製作編25

前回の記事で設計を紹介した測定用のジグの製作と動作確認を行います。

測定用ジグについて

前回設計したジグを簡単におさらいします。下記が設計したジグの回路図です。

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オペアンプの片チャンネルは、平衡不平衡変換回路です。DACユニットはバランス出力なので、実用時の特性の測定を行う為にアンバランス変換します。もう一方のチャンネルは、2次のアクティブLPFとしました。カットオフ周波数は約120KHzです。アンバランス変換したDAC出力のΔΣ変調ディザ波形の除去の強化が狙いです。オペアンプは手持ちで余っていたJRCのMUSES8920を使用します。

ジグ基板実装

基板はサイズに余裕がありますが、標準基板を使用します。最初に四角にスタッドを取り付けました。

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回路図中のジャンパピンは4極を使用し、LPFの入力を外部入力とアンバランス出力の選択をショートジャンパの取り付けによって切り替えられるようにしています。

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入力用の端子台は3極のバランス入力とアンバランスLPF入力用に2極の端子台を実装しました。出力は平衡不平衡回路出力と、LPF出力をさせる為に3極の端子台を実装しまています。アクティブフィルタ用のコンデンサは、測定用と割り切って手持ちのセラミックコンデンサを使用しました。

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すかすかの実装です。ハンダ面はこんな感じです。

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左右に渡っている3本の被覆電線は電源線です。茶色の被覆電線は、アンバランス信号をLPFの入力部のジャンパピンに接続しています。

通電&動作確認

電源はユニバーサル電源から+/-15Vを供給します。初めにオペアンプを装着せずにソケットの各ピンの電圧を確認しました。問題なかったので、オペアンプを装着しました。

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この状態で電源オンして、出力オフセット電圧のみ確認を行いましたが問題ありませんでした。

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続いて動作確認をかねて周波数特性の測定を行います。入力は1Vppの正弦波を10Hz~1MHzとしました。(本記事アイキャッチ写真を参照)下のグラフが測定結果です。

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平衡不平衡変換アンプは、400KHz以上でややゲインがあがっていました。2次のアクテッブLPFフィルタは、設計どおり120KHzでほぼ-3dBとなっています。ここでDAC出力以降の特性を一旦整理します。IV変換回路に1次フィルタ特性を持たせています。

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その後段の平衡不平衡変換回路も同様に1次フィルタ特性を持たせています。

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さらに今回作成した測定用治具に2次フィルタ特性を持たせています。今回のジグを使って測定を行った場合の伝達特性をグラフ化してみました。計算を簡略化する為にフィルタは全て1次として最大4段の直列接続として計算しています。

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グラフは、治具のLPFを使用しない場合と使用した場合の2通りです。参考として4fs=176KHzの減衰量も記載しました。

DACユニットの特性準備

製作したジグ基板ですが、作業台の余裕がなかったため、DACユニットの平衡不平衡変換回路基板の取り付けネジにさらにスタッドを取り付けて2段重ねとしました。

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2芯シールド線を使ってDACユニット出力とジグ基板に入力させました。これで測定準備完了です。次回は製作した治具を使ってDACユニットの特性の測定を行います。

 

つづく(製作編26)