DACユニットの検討(製作編27)

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製作編27

オシロスコープFFT機能について追加確認を行い、その結果から追加でジグを作成します。

FFT機能追加確認

オシロスコープFFT機能を理解している方には当たり前の仕様確認となりますが、お付き合いいただければとおもいます。確認方法は、2チャンネルの発振器を使って1KHzと51KHzの正弦波をオシロに入力して3種類のサンプリング周波数でFFT処理してみました。入力信号は以下のとおりです。

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チャンネル1が1KHz、チャンネル2が51KHzです。振幅はどちらも1Vppです。最初にDACユニットのオーディオ帯域の特性測定を行った50KHzサンプリングでFFT処理を行っていました。まずは1KHzのFFT処理結果です。

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結果は当然のごとく1KHzのポイントにピークがあります。次はFFT処理の対象チャンネルを2に切り替えて51KHzをFFT処理してみました。

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結果は、1KHz入力時と差はなく1KHzにピークがあります。想定したとおりの結果です。次は、サンプリング周波数を100KHzに上げて、51KHzの正弦波をFFT処理してみました。

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結果は51KHzの正弦波が50KHzで折り返されて、49KHzにピークが観測できました。次はさらにサンプリング周波数を上げて250KHzとしてみました。

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結果は、ピークが51KHzに観測され、初めて正しい観測結果となりました。確認結果はナイキストの原理そのものですが、このオシロFFT機能を正しく使うためには、サンプリング周波数の1/2以上の周波数をカットして信号入力する必要がある事が改めて確認できました。この結果と、前回の記事の最後に掲載したTIの資料から測定用にLPFを追加で製作する事にします。

測定用ジグ2

測定用にジグを追加設計します。カットオフは50KHz前後、通過帯域をフラットとするため、今回はバターワース特性とします。回路はジグ1と同様にサレンキーLPF回路前提です。バターワース特性の場合はK=1.6としました。

fc = 1/(2πC2R2)

C1 = KC2

R1 = R2/K

前回同様に定数検討用シートで定数決定します。

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誤差10%のセラミックコンデンサでは意味ないとおもいますが、設計上は数値にこだわってみました。設計した回路図は以下のとおりです。

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回路は、前回製作したジグ基板に追加実装します。

ジグ追加実装

写真は先日作成したジグ基板です。

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追加実装を想定していなかった為、中途半端な位置に部品を配置してしまいました。残りのスペースに2次のLPF2回路を実装します。初めに端子台とオペアンプ用のソケットの位置を決めました。

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まあなんとか実装できそうです。ジグ基板の実装は紹介済みなので実装課程は省略しますが、こんな感じに実装しました。

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端子台脇の3極のピンヘッダは、入力を端子台と左の回路の出力の切り替え用です。ハンダ面はこんな感じです。

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ジグ基板通電確認確認

まずはオペアンプを装着せずに通電確認を行いました。オペアンプ用のソケットの各端子電圧を確認します。電源端子に所定の電圧が、それ以外の端子はオープン状態の電圧の確認ができました。一旦電源をオフして、オペアンプを装着します。

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セラミックコンデンサが安っぽいですが、測定用のジグなので気にしない事にします。入力切り替え用のジャンパは気分を変えて白を使ってみました。入力をショートして、電源オンして出力オフセット電圧を確認しましたが、問題ありませんでした。次回は動作確認をかねて周波数特性の測定を行います。

 

つづく(製作編28)