ローノイズ真空管アンプ(製作編24)

製作編24

電源基板実装の残りの2系統の電源の通電確認を行います。

-5V電源通電確認

この電源は、アンプユニットの電源ランプとC電源(バイアス用)に使用します。入力は主電源トランスのヒーター巻線用AC6.2Vです。XLRパネルコネクタ4,5ピンから供給します。まずは電源ランプを接続して通電確認を行いました。

結果は以下のとおりです。

緑の電源ランプが点灯しました。念のため各部電圧を確認します。

C電源系統が未負荷ですが、消費電流が小さいので問題ないとおもいます。

初段ヒーター用電源確認

どの程度効果があるかわかりませんが、今回のアンプはローノイズ化の為に初段真空管のヒーターをDC点火します。この為にわざわざ専用トランスをトランスユニットに搭載しています。回路図を念のため再掲載します。

安定化電源の発熱等考慮してヒーター用トランスを選定しましたが、ギリギリの設計となってしまった為、事前確認が必要と考えていました。まずは、5極のXLRパネルコネクタ1,2,3ピンと電源基板を接続しました。

一旦この状態で通電して、出力電圧を確認しました。出力電圧は基板実装時に調整していたので、問題ありませんでした。次はヒーター配線ですが、その前に各系統のGNDをシャーシGNDに接続します。ヒーター用電源のGNDはシャーシGNDに落とさなくとも点火する事はできますが、真空管内の他電極との電位が不定となり、最悪の場合異常動作を起こす恐れがあるので、接続しておきます。まずはB電源系をシャーシGNDに接続しました。

残りのC電源系と初段ヒーター用電源のGNDもシャーシGNDに同様に接続します。

次は初段真空管のヒーター配線をします。参考として初段真空管12AX7の端子配列図を掲載します。

上記の図のとおり、12AX7は双三極管なので、ヒーター回路も2つあります。今回は安定化電源の発熱の観点から電流値を下げる為に2つのヒーターを直列接続で使用します。よって9ピンはNCとなります。配線はこんな感じです。

初段真空管を挿して通電確認を行います。ヒーターは無事点火しました。

回路はギリギリの設計となっている為、オシロスコープを使って各部の波形確認を行います。まずは点火時の全波整流回路電圧と出力電圧をモニターしました。

波形を見ると、三端子レギュレーターの最低印加電圧が1.68Vとかなり小さいです。試しに、電源オン直後の両電圧波形をモニタしてみました。

所定の電圧に達するまで出力も全波整流電圧波形となっていますが、問題はその電圧差1.64Vです。定常時の電位差と大差なく、三端子レギュレーターの入力電圧に全く余裕がないと考えられます。念のため、オシロスコープの入力モードをACに変えて感度を上げてモニターしてみました。結果は以下のとおりです。

案の定、全波整流電圧が落ち込んだタイミングで出力波形にわずかなディップが発生していました。この結果から、三端子レギュレーターの入力電圧の余裕を確保する為の設計変更が必要な事がわかりました。方法はいくつかありますが、それぞれメリットとデメリットがあるので、検討してみます。次回は、検討結果を反映してヒーター点火の確認を改めて行います。

 

つづく(製作編25)