ローノイズ真空管アンプ(製作編9)

製作編9

電源トランスユニットの電源基板の実装を行います。

実装部品

改めて電源基板の回路図を掲載します。

搭載部品は、電源トランスと三端子レギュレータを使った+12Vの安定化電源回路および、パワーアンプ電源制御用のパワーリレーです。基板に搭載する電源トランスは、2016年8月16日の「バランス変換ボリューム製作(製作編)」の製作記事で使用したものです。製作を再開した初めにつくったもので、通販による部品の調達がよくわからずに非力な電源トランスを購入してしまいました。12V-0V-12V 0.06A品です。その後、このユニットの電源を製作しなおした事から余っていたので、今回使用する事にしました。トランスが非力なので、電源回路の定数を見直しました。さらにパワーリレー制御コイル回路にサージ保護用としてツェナーダイオードも追加しました。

この変更で、電源トランスユニットのリレーオン時の電源負荷は、53mAから41mAに下がります。

大物部品配置検討

電源基板に実装する大物部品は、電源トランス、電解コンデンサー、三端子レギュレーター、端子台とパワーリレーです。安定化電源回路を左半分に実装し、右側をパワーリレーのみとしたいとおもいます。

初めに、三端子レギュレーターの入力側の回路を実装しました。

通電確認時にプローブで掴むポイントも意識しました。続いて三端子レギュレーターの出力側と、電源ランプ用端子台まで実装しました。

最後にパワーリレーと、他端子台を実装すれば完成です。

半田面はこんな感じです。

通電確認

通電確認用に、電源ランプAssyを作成します。といってもフランジLEDに電線を接続するだけです。

さらにアンプユニット側の電源スイッチのダミーも作成して実装基板に接続しまし、ACインレットにコンセントケーブルを接続して電源オンしました。

無事電源ランプが点灯しました。ダミーの電源スイッチをオンすると、ACアウトの端子台の抵抗値が0Ωになります。リレー動作も問題ないようです。念のため各部の電圧を確認します。まずは、リレーオフの状態で三端子レギュレータの入力側と出力側の電圧波形をオシロスコープで確認しました。

カーソルが電圧波形上に乗ってしまっているのでよくわかりませんが、カーソルaが入力側でカーソルbが出力側です。三端子レギュレータに6.50Vかかっています。次にリレーをオンしてみました。

入力電圧が15.8Vに下がり、三端子レギュレータにかかる電圧は3.80Vに下がっています。データシートを見ると、2V電圧がかかっていれば正常動作するようなんおで、問題なしと判断しました。

念のため、三端子レギュレータ入力側のコンデンサインプット電源のリップルも観測しておきます。以下はリレーオン時の波形です。

200mVppと問題のないレベルです。最後にリレーオン/オフ時のサージ波形を確認します。最初はスイッチをオフからオンに切り替えた時の波形です。

黄色が操作コイルのスイッチ側で青が12V電源の波形です。スイッチのチャタリングによって大きなレベルのサージが発生しています。見にくいので、黄色の波形をオフしました。

三端子レギュレータへの影響はあまりありません。次にオンからオフへ切り替え時の波形を確認します。

大きなサージ波形が発生しています。同様に黄色の波形をオフしてみました。

ノイズは乗っているものの、幅が短いので影響なしと判断しました。フィルムコンデンサとツェナーダイオードによる対策の限界のようです。基板の動作確認は以上で終了です。次回は、上記で実装した基板をアルミシャーシに装着して配線を行います。

 

つづく(製作編10)