製作編3
電源基板の実装を行います。
アナログ用電源基板
設計編で作成した回路図を再掲載します。
アナログ用電源基板にはこのうち、+/-15V電源を各2チャンネル分実装します。回路は三端子レギュレータを使った単純なものです。そういえば、過去に電源の載せ替えを行った左右独立の+/-12V電源基板がある事を思い出しました。この基板が流用できないか確認します。
回路図を探してみました。安定化電源製作評価編10(2018-01-12)で比較評価用に使った物でした。
三端子レギュレータを交換すれば今回の電源として流用可能です。早速改造開始です。あまりいい作りではありませんが、三端子レギュレータのヒートシンク固定用のプラネジを外すとヒートシンクを取り外す事ができました。
この状態で三端子レギュレータの端子をカットすると、ハンダ部分の残りの端子を簡単に取り外す事ができました。取り外し後に吸い取り線で余分なハンダを吸い取ると取り付け準備完了です。先にヒートシンクを元通り基板に取り付けて、そこに15Vの三端子レギュレータをネジ止めします。この状態で各端子を元どおりハンダし直しました。この作業を3回繰り返すと交換完了です。ハンダ面は三端子レギュレータ部がフラックスで少し汚れましたがそんなに酷い状態ではありません。
交換後の三端子レギュレータはこんな感じです。
後は、電源ランプ用の端子台を削除し、放電用の1kΩの負荷抵抗をつけたら完成です。負荷抵抗は取り付ける場所がなかったので、ハンダ面に取り付けました。
通電確認
簡単な回路ですが念のため通電確認を行います。電源はトランスからではなく、ユニバーサル電源から直流を供給しました。トランスの2次巻き線の仕様は15Vなので、+/-21Vを供給したいところですが、私のユニバーサル電源の出力電圧の上限が+/-18.45Vだったので、その上限電圧で通電確認を行いました。
通電は特に問題なく、出力電圧は下記のとおりでした。
-15V電源の1つが電圧が低く気になったので、仕様書を念のため確認してみました。
確認の結果出力の下限電圧は-14.4Vだったので仕様範囲内に入っている事がわかりました。この後、念のため各出力にオシロスコープを接続して発振していない事を確認しました。全チャンネル問題ありません。
改造が完了した電源基板をブレッドボードに取り付けてみました。(本記事のアイキャッチ写真参照)いい感じになってきました。
デジアナ用電源基板実装
改めて電源の回路図を掲載します。
この基板は三端子レギュレータを先ほどの基板よりも1つ多い5個搭載します。8V電源はマイコン基板用です。マイコン基板の消費電力は動作状況で変わるためよくわかりません。念のため大きめのヒートシンクを取り付ける予定です。5Vと3.3V電源はDAC基板用です。デジットキットの応用編に掲載されたものとほぼ同等の構成です。応用編の回路図は左右独立電源とはなっていませんが、5Vのレギュレータにヒートシンクの取り付けを推奨しています。
5Vの三端子レギュレータには、+/-15V電源で採用したものと同じヒートシンクを取り付ける事にしました。残る3.3V用のレギュレータは低ドロップ電圧品を選択して入力を5Vからとっている為ヒートシンクは省略します。+/-15V電源は既存基板を流用したため、4700uF/35Vのオーディオ用電解コンデンサーが余りました。元々全波整流用の電解コンデンサを1000uF品としてましたが、これを余った4700uF品に変更します。これで基板に実装する大物部品が決まりました。次回はこの電源基板の実装を行います。
つづく(製作編4)