ローノイズ真空管アンプ(製作編5)

製作編5

電源トランスユニットのケースを仮組立して、加工を開始します。

電源トランスユニットケース

電源トランスユニットのケースは、タカチ電機工業のOS149-16-33SSを使用します。過去にOSシリーズを使用した事はありますが、今回のケースは以前使ったものと、フォームファクタが大きく異なります。伏せ型形状の電源トランスを搭載する事から、今回初めて別途アルミシャーシ(AC16-33)も購入しました。それぞれ楽天市場の別のお店から購入しましたが、どちらもメーカー直送の為、同じ梱包で届きました。

開けてみます。

左がアルミシャーシですが、中身はスカスカです。中身と取り出してみました。

アルミシャーシは、エアキャップ梱包のみですが、ケースは専用梱包が入っていました。さらに専用梱包を開けてみました。

中身は、過去に使用したOSシリーズと寸法違いで同じです。中身は以下のとおりです。

アルミシャーシは、シャーシ本体の他に「取り付け台」が2個とネジ類が入っていました。ケースは、トップとボトムカバー、パネル2枚、サイドパネル2枚とフランジ金具4個、前後パネル用フランジ4本とネジ類です。初めて使用するアルミシャーシの取り付けを確認するために、ケースを仮組みしてみます。最初にサイドパネル2枚に、フランジ金具を取り付けました。

フランジ金具は3ピースの部品をネジで固定したものですが、今回部品の取り付け角度が全てずれていて、再組立が必要でした。2枚のサイドパネルをパネル用フランジ4本を使って連結しました。

それでは、初めてのアルミシャーシを取り付けてみます。その前に構成部品を改めて確認します。

初めにアルミシャーシに取り付け台を仮止めします。

取り付け台は、穴加工した後にベンダーで曲げ加工されているため、1カ所M3のねじ穴が変形により、ネジがスムーズに入りませんでした。力業で対処しましたが、リタップした方が良かったかもしれません。次に、ケースの前後パネル用フランジ固定用の皿ネジを取り外し、アルミシャーシ付属の長い皿ネジに交換します。

反対側に飛び出したネジに別途用意した六角スペーサーを取り付けました。

正式には30mm長のものを取り付けますが、写真は在庫の20mm長のもとを取り付けています。残り3カ所も同様に六角スペーサーを取り付けて、そこへアルミシャーシの取り付け台を差し込みました。

想像していたとおりの構造でした。底面から見るとこんな感じです。

上下が逆さまですが、正面から見るとこんな感じです。

これで、伏せ型の電源トランスの実装ができます。翌週、注文していた30mmの六角スペーサーが届きました。

仮組みしたアルミシャーシを一旦取り外します。せっかく取り外したので、問題のあったM3のネジ穴をリタップしました。

20+10mmの六角スペーサーの代わりに、入手した30mmの六角スペーサーを取り付けました。

いい感じです。残り3カ所も交換し、アルミシャーシを取り付けてみました。

これで電源トランスユニットのケースの仮組みは完了です。次回はパネル加工を開始します。

 

つづく(製作編6)

ローノイズ真空管アンプ(製作編4)

製作編4

回路図を見直して部品表を作成し、足りない部品を発注します。

電源回路図見直し

過去に掲載した電源回路図を再掲載します。

この回路図に対して以下の点を見直しました。

・航空コネクタケーブルクロス対応

・LED電流制限抵抗変更(在庫使用)

・部品ナンバーふり直し

・整流用ダイオード選定反映

パスコンの見直し(0.1uFに統一)

・一部抵抗のワッテージ見直し

・整流用電解コンデンサー仕様見直し

・三端子レギュレータ選定

見直した回路図は以下のとおりです。

この回路図に基づいて、部品発注用に部品表を作成しました。部品表は電源トランスユニット部品表とアンプユニット電源関連部品表の2つに分けています。

それぞれの部品の単価欄は、再利用、在庫を利用するものはそれぞれのオリジンを記載しています。数量欄はすでに確保済みの部品はグレーの編みかけをしています。電源トランスユニットの新規発注部品の金額は21,434円となりました。アンプユニット電源関連部品の新規発注分はほとんどなく、金額の合計は540円でした。

アンプ回路図見直し

電源回路と同様に過去に掲載したアンプ回路図を再掲載します。

この回路図は、従来アンプの回路図そのものです。見直した点は以下のとおりです。

・一部の抵抗のワッテージ見直し

見直した回路図は以下のとおりです。

この回路図に基づいてアンプユニット部品表を作成しました。

表の構成は電源部と同様です。新規発注部品の総額は16,364円でした。すでにほとんどの部品を入手しているので、追加発注は2部品のみです。すでに作成済みで部品の発注は必要ありませんが、ケーブルの部品表も参考に作成しました。

電線は送料も考慮した単価としています。在庫および再利用を除いた部品の総額は46,589円でした。この金額で、何ヶ月製作を楽しめるでしょうか?

部品発注

部品発注は、価格面から基本的に秋月電子へ行います。確認したところ56Ω1/2W品のみ取り扱いがなかったので割高ですがアマゾンへ発注しました。

メーカーはVISHAYで、仕事で熱電対を使った事があります。幸い送料込みだったので少し助かりました。残りの部品を秋月電子で発注しようとしたところ、セキュリティー強化の為にパスワードの更新を求められました。手続きの際にID以外に登録の電話番号の要求があり、いくつか試しましたがマッチせずに手続きができませんでした。最近他のサービスでも同様な事例が多く、いらいらしてしまいますが、セキュリティー強化の為なので仕方がないとあきらめています。新規登録も試してみましたが、メールアドレスが登録済みなので拒否されてしまいました。仕方がないので、お問い合わせフォームに状況を書いて対処法の問い合わせをしました。翌日にわかりやすい対処法メールをいただき、無事にログインできましたが、問い合わせフォームへのすばやい対応はすごく印象がいいです。他のサイトも見習って欲しいものです。これで部品発注がすべて終わったので、純粋に製作にとりかかれます。次回はケースの組立と余裕があればパネル加工も行いたいとおもいます。

 

つづく(製作編5)

ローノイズ真空管アンプ(製作編3)

製作編3

取っ手用金具を入手したので、寸法測定して加工図を見直します。続いてユニット間接続用ケーブルの製作をします。

加工図見直し

注文をやり直した取っ手用の金具が届きました。

中身はこんな感じです。

本体とナット以外は使用しません。とりあえず保管する予定ですが、今まで保管してもその部品を使った試しはありません。早々に寸法を測定してみました。

加工図面上、穴間隔を30mmとしていますが、実測で27mmでした。加工図を修正します。最初にリアパネルの加工図を修正しました。

取っ手取り付け用穴の間隔のみを変更しました。同様にフロントパネル加工図も修正しました。

チップジャックの図面が見つかったので、シャーシ加工図に回り止め寸法を反映します。

φ6の穴の両端が5mm幅でカットされた寸法です。仕事でCADを使用しているわけではないので、このような寸法反映は最初は戸惑いましたが、CADの機能を使えばなんの事はありません。

これで加工図の修正は完了です。

ケーブルのコネクタ加工

3種類のケーブルが届きました。

3種類ともに2mで発注しましたが、余裕をとってカットされていました。最初は航空コネクタケーブルを作成します。ケーブル長は迷いましたが、1.5mとしました。

航空コネクタ用アッセンブリ手順書はありませんので、現物に合わせてケーブルを加工します。

内部電線を剥き、ハンダメッキしました。

加工時に間違わないように、内部電線被覆に番号をつけました。

事前に予習したとおり、最初に熱収縮チューブを被せます。

これをコネクタに通して各ピンをハンダ付けしました。

予習した甲斐があり、わりとすんなりできました。

問題は反対側のハンダ処理です。両側ともにメスコネクタなので、ケーブルの電線の順番と端子順が逆の為、電線を入れ子にしてハンダ付けする必要があります。3本ハンダ付けはなんとか完了しましたが、入れ子にした部分の径が膨らんでしまいコネクタに通す事ができませんでした。やれやれ・・・。仕方がないので、一旦ハンダを外して入れ子にせずに配線をしました。出来上がったケーブルは、クロスケーブルのイメージです。後でこのケーブルに対応するように回路図を修正する予定です。

やり直した側の出来映えが良くありません。今後このようなケーブルを作成する際には、コネクタを見直したいと思います。次は5芯のXLRコネクタケーブルを作成します。

初めにオス側を行います。部品は4ピースです。

ネットを検索したらアッセンブリ手順書が見つかりました。図はその抜粋です。

手順に従って最初にbushingをケーブルに被せます。

写真では見えませんが、ケーブルを通す穴は小さく無理矢理押し込みます。柔軟性のある樹脂でできているため、穴が広がり樹脂とケーブルが密着してゴミの進入を抑える構造になっているようです。続いて手順に従ってケーブルの端末処理をします。

作業時にスタンドクランプを使ってケーブルを固定しましたが、ケーブルのシースが弱く、クランプで挟むと傷がつくので保護用に絶縁テープを貼っています。次にinsertと呼ぶ端子をハンダ付けします。

ここまで特に作業上の問題はありません。次にchuckをケーブルに被せてinsertに密着させます。

最後にhousingを装着してbushingをねじ込めば完成です。

このケーブルの外形はカタログ上7.1+/-0.35ですが、bushingのねじ込みに力がいりました。4芯0.75sqケーブルのシース外形は7.6+/-0.35なのでもっと大変そうです。メス側の加工も同様にすんなりとできました。端子順がオスとメスは逆回りになっているのでハンダ付けも問題ありません。

これで5芯ケーブルは完成です。

同様に4芯ケーブルの加工も行いました。

最後にそれぞれのコネクタにパネルコネクタを差し込んで、導通チェックを行います。

導通に問題なかったのでこれで完成です。航空コネクタケーブルの出来が悪かったのでいまいち達成感に乏しい気がすます。次回は足りない部品発注を行います。

 

つづく(製作編4)

ローノイズ真空管アンプ(製作編2)

製作編2

取り外した部品寸法を確認し、加工図の修正を行います。その後、ユニット間の接続用ケーブルの発注を行います。

リアパネル加工図修正

取り外したスピーカーターミナルの寸法を確認して加工図に回り止めを追加します。スピーカーターミナルの構造は以下のとおりです。

手前の樹脂がリアパネルの加工穴に入りターミナルとパネルを絶縁します。凸状の部分が回り止めです。幅と高さがほぼ2mmです。さっそく加工図を修正しました。

穴径φ9だと少し小さめなので、追加工が必要となりそうです。次は取っ手を確認します。アマゾンで購入しましたが、春節を挟んでいましたが配送予定日より遙かに早く届きました。

パネル加工図の修正の要否を確認するために現品を測定してみました。

え!?これじゃない・・・?改めて注文した金具の詳細を確認してみました。

あぁ、やってしまいました。商品のタイトルと詳細説明が食い違っています。現品は27mmパイプ固定用空間の外側に6mmx2の金具形状となっているため、外寸は39mmとなり、シャーシ高さ40mmのケースに取り付けることはできません。私の注意不足という事であきらめて別のものを改めて注文しました。

寸法は何度も確認したので問題ないとおもいます。気になる点は奥行きが長いのでシャーシ内部の部品との干渉が心配です。別の考え方をすると、固定する位置を調整する事でスピーカーターミナルの保護もできそうです。価格が間違って購入した物に対して約1.7倍もしました。今回は手配ミスによる出費増加を頻発させてしまってます。気をつけねば・・・。

ケーブル発注

マルチアンプシステム用のウーファーチャンネル用アンプ作成時に購入したケーブルの切れ端が見つかったのでコネクタ取り付けの確認を行いました。見つかったケーブルは0.75sqの5芯ケーブルです。航空コネクタ用のケーブルで、図面が不明瞭だったため確認が必要と考えていました。ケーブルの外形は8mm強で、航空コネクタ図面から9mmまで使用可能と見ていました。結果はご覧のとおりです。

やれやれ、そのままではまったく入りません。0.5sq品を選択すればコネクタ取り付けはできそうですが、ケーブルの定格電圧が100V以下の為、選択できません。安全規格上、いまいちの対応ですが、無理して写真の方法で取り付ける事とします。

熱収縮チューブはUL認証品ですが、熱収縮チューブ自体が絶縁材と見なされるのでしょうか?自己責任としてこの方法で進める事にします。今回の製作で必要なケーブルは下記の3種類です。

1)VCTF 5芯 0.75sq 2m

2)VCTF 5芯 0.5sq 2m

3)VCTF 4芯 0.75sq 2m

探すのが面倒なので、アマゾンで切り売りを探しました。切り売りには2タイプがあります。単価は安いが別途送料がかかるものと、単価は高いが送料込みのものです。候補を表にまとめてみました。

送料込みの価格が安い物を選択しましたが、在庫が1mしかないものは候補から外しています。2種類の電線は同一業者ですが、それでも送料がそろぞれ請求されるのは納得できません。でも背に腹はかえられないので、最終的には網掛けのものを発注しました。合わせて取っ手用のM6の小型ナットも発注しました。トグルスイッチ在庫が沢山あったので固定用のナットの流用を試してみましたが、残念ながら固定用のねじはインチネジだった為に使用できませんでした。次回は部品の入手状況によって作業内容を決める予定です。

 

つづく(製作編3)

ローノイズ真空管アンプ(製作編1)

製作編1

高額部品を流用する為に、現行のアンプを分解します。

現行アンプ

この現行真空管アンプですが、本ブログの最初の製作記事(2016年6月26日~)で取り扱ったものです。

真空管アンプ自体の設計は初めてだったので勉強からスタートしました。その後、パワーアンプの周波数特性番外編6(2017年2月13日)でNFBを外して無帰還アンプ化しました。さらに真空管アンプ負帰還(2022年5月27~)で負帰還を復活させて現在に至ります。

上記写真は、負帰還の復活と合わせて、入力バッファを追加したものです。分解する前に、16cmフルレンジスピーカーと組み合わせてひとしきり音楽を聴きました。

分解開始

まず初めに真空管を取り外します。このアンプの真空管は通電時間が長くないので再利用します。

EL34の取り外しは堅くて苦労しました。取り外した真空管は、ペアを維持したままエアキャップにくるんで保管します。次は内部の配線を取り外します。あらためてボンネットを取り付けて、筐体を逆さにしてボトムシャーシを取り外しました。

最初にスピーカーターミナルを取り外しました。

次に入力用のXLRパネルコネクタを取り外しました。分解には通常使用のコテではなく、40Wのコテを使用しました。パワフルなので部品のモールドを溶かさない配慮が必要です。

続いて、ヒューズホルダとACインレットを取り外しました。

これでリアパネルに取り付けた電気部品の取り外しは完了です。続いて、高耐圧の電解コンデンサーを取り外します。最初にラグ板ごと取り外し、その後電解コンデンサーを取り外しました。

次は終段バイアス用の基板を取り外しました。

当時は、まだ端子台を使用していないため、基板ポストに配線を直接ハンダ付けしていました。さらに電源基板を取り外します。電源基板は再利用を考えていません。

フロントパネル取り付け部品で再利用するものは、電源ランプのみです。

取り外し時には気づきませんでしたが、写真で見るとフランジ部分が錆びています。使用前に磨きたいとおもいます。次に終段真空管用のソケットを取り外しました。かなりの配線量があったので手間がかかりました。

残りの大物はトランスです。段ボールで養生したテーブルに、ボンネットを外した筐体を逆さに置きました。出力トランス2台で支えている状態です。この状態で電源トランスのナットを緩めて、電源トランスを取り外しました。さらに出力トランス用のネジを取り外し、シャーシを持ち上げると、養生されたテーブル上に出力トランスが残ります。あとは、初段の真空管ソケットとL字のラグ板と、パネルの取っ手を取り外せば分解は完了です。

製作にはそれなりに時間はかかりましたが、分解はあっという間で少し複雑な気分です。再利用予定の部品は、こんな感じで保管します。

電源トランスと出力トランスはダンボールで養生しています。エアキャップで養生しているものが真空管で、残りの小物部品は秋月から電子部品購入時の袋に入れています。残りの部品の発注をかければ、部品の確保は完了となります。次回は取り外した部品の寸法を確認し、必要に応じて加工図を修正して製作に取りかかりたいとおもいます。

 

つづく(製作編2)

ローノイズ真空管アンプ(設計編9)

設計編9

アンプユニットのケースを発注し、予定を変更してケーブルの設計を行います。

アンプケース発注

アンプユニットのケースはリードのMK-350を使用します。従来は若松通商と共立エレショップの在庫確認の上、安い方へ発注していましたが、今回は少しでも部品代を安くする為に、ネット検索をしてみました。欲を出した為に発注でミスをしてしまい、結果高いケースを買ってしまった顛末です。検索は「リード MK-350」で行ったところ、ネットショップがいくつもヒットしました。結果は共立エレショップは8,657円(税、送料込み)、若松通商は9,600円などが見つかりました。さらに確認を進めるとアキバのショップで8,217円が見つかり、ここに注文する事にしました。手続きの中で、カード払いは代引のみしか使用できず、安く済ますには振り込み対応になる事がわかりました。これが安さの秘密なのかと勝手に思いました。数日後、商品在庫確認完了と振り込み案内メールを受信しましたが、そのメールをよくよく見てみると、型式がMK-300となっていました。検索の飛び先のデフォルトのケース型式がMK-300となっていたようです。小型のケースと価格比較していたわけですから安いわけです。型式間違えをしていた事を返信したところ、すぐにMK-350の振り込み通知メールが返信されました。価格は10,186円です。手間をかけさせてしまった為、そのまま振り込みをしましたが、手間をかけて、1,500円以上高い物を買うことになってしまいました。やれやれ・・・。

ケーブル設計

すでにコネクタは現品を入手し、ケースの加工図も完成済みですが、接続用ケーブルが製作できなければ、見直しが必要となります。いまさらですが、ケーブル設計を行います。改めて電源回路図を掲載します。

必要なケーブルは、5芯が2種類と4芯が1種類の計3本です。まずはケーブルの外形を決める為に改めてXLRコネクタの仕様を確認します。

上記は4極のコネクタ仕様ですが、寸法関連の仕様は5極も共通でした。今回確認したのは、cable O.D.です。3.5-8.0mmとなっています。外形が8mm以下の4芯と5芯ケーブルが必要な事が確認できました。次に航空コネクタの図面を確認します。ネットで検索しましたが、鮮明なものが見つかりませんでした。

この図面を見る限り、外形9mm以下が使用できそうです。図面の読みとりにいまひとつ自信がもてないので、ケーブル発注前に現品の再確認をしてみたいとおもいます。次にケーブルの選定です。アマゾンで4芯と5芯ケーブルを検索してみました。手頃なケーブルとして富士電線工業のVCTFケーブルが見つかりました。販売サイト上では詳細の仕様がわからない為、メーカーのホームページからカタログをダウンロードしました。

問題なさそうなので、仕様書もダウンロードしてみました。4芯と5芯で外形が9.0mm以下のものを確認します。

上記を見ると、5芯の0.75sq品は外形のmaxが8.55mmなので航空コネクタに使用できそうです。0.75sq品は、0.5sq品と違い、300V以下まで使用可能なので助かりました。XLRコネクタ4極は、EL34ヒーター用で極あたり3Aの電流が流れるので0.75sq品を使用したいとおもいます。残りのXLR5極は外形仕様の関係で0.5sq品を選択せざる得ません。12AX7ヒーターと-5V電源用なので、電流値も小さく問題ありません。上記のケーブル仕様をまとめてみました。

次回は現行アンプの分解に着手します。

 

つづく(製作編1)

ローノイズ真空管アンプ(設計編8)

設計編8

アンプユニットのシャーシ加工図を見た目の観点で見直し、フロントパネルとリアパネルの加工図を作成します。

アンプユニットシャーシ加工図見直し

前回の記事で作成紹介したアンプユニットシャーシ加工図を再掲載します。

図面中の3枚の基板は、シャーシ下に配置されので部品実装後の見た目がイメージできるように加工図を修正してみました。

シャーシ中央の後ろ側が空きスペースとなっていて見栄えがよくありません。見た目のバランスをとるために、電源用電解コンデンサ3個の配置を変更してみます。この場合、電源基板と電解コンデンサをシャーシ上下でオーバーラップ配置する必要があります。シャーシ下高さが40mmなので、基板上の高さを25mm以上確保する為には、10mmの六角スペーサーを使用する事になります。基板厚を考慮すると基板上の高さは28.4mmとなります。基板下クリアランスは10mmです。電解コンデンサの端子高さが約5mmですが、なんとかするしかありません。

2つの電解コンデンサーと電源基板がオーバーラップしています。電解コンデンサ固定用のネジとナットとの干渉も懸念されます。この場合の部品配置は以下のとおりです。

見た目のバランスは断然こちらの方がいいです。干渉確認をしながらの部品実装は大変そうですが、こちらで進める事にします。

フロントパネル加工図

フロントパネルには、電源スイッチと電源ランプおよびそれらを保護するためにハンドルを取り付けます。まずはハンドルを探します。シャーシの高さが40mmしかないので、小型の金具を検索してみました。小型のタイプは選択肢がありませんでしたが、以下の金具を発注しました。

リングの内径が20mmの為、金具の外形は32mmになります。フロントパネルに縦に取り付けると上下のクリアランスが片側4mmしかありません。取り付け時に通常のナットは使用できない為、小型のナットを使用します。アマゾンで検索してみましたが、あまり良い物が見つかりませんでした。

これであれば、M6固定のトグルスイッチを買って付属のナットのみ使った方が安いかもしれません。この金具のお届け予定が最大で1ヶ月となっているため、おそらく中国発送になると考えられます。春節を跨ぐ為、輸送トラブルが起こらなければいいのですが。電源スイッチは波動スイッチを使用します。図面は以下のとおりです。

角穴にスナップインするタイプです。小さめに穴を空けて削ってサイズ合わせを行う予定です。最後は電源ランプです。電源トランスユニットで採用するものの色違い品を使用します。図面は以下のとおりです。

以上を反映してフロントパネルの加工図を作成しました。

シンプルなパネルです。

アンプユニットリアパネル加工図

加工図の最後は、アンプユニットのリアパネル加工図です。取り付ける部品は、電源トランスユニットに取り付けたXLRコネクタ(4極と5極)のオス版と航空コネクタおよび、アンプ入力用のXLRコネクタとスピーカーターミナルです。スピーカーターミナルは、現行アンプのものを再利用します。現行アンプの加工図は丸穴になっていますが、記憶によると回り止め形状となっていたとおもいますので、分解した時点で修正したいとおもいます。取っ手は、フロントに取り付けた金具と同じものを取り付ける前提としていますが、サイズ面でスピーカーターミナルの保護にならないようであれば金具を変更します。作成したリアパネル加工図は以下のとおりです。

中央が航空コネクタで、その両脇が電源トランスユニットからのケーブルを接続するXLRコネクタ(オス)です。その両脇がスピーカーターミナルで、両サイドがアンプ入力用のXLRコネクタ(3極)です。現行アンプをばらした時点で部品寸法を確認して加工図をチェックする予定です。次回はアンプユニット用のケース発注を行い、現行アンプの分解を開始します。

 

つづく(設計編9)