ローノイズ真空管アンプ(設計編8)

設計編8

アンプユニットのシャーシ加工図を見た目の観点で見直し、フロントパネルとリアパネルの加工図を作成します。

アンプユニットシャーシ加工図見直し

前回の記事で作成紹介したアンプユニットシャーシ加工図を再掲載します。

図面中の3枚の基板は、シャーシ下に配置されので部品実装後の見た目がイメージできるように加工図を修正してみました。

シャーシ中央の後ろ側が空きスペースとなっていて見栄えがよくありません。見た目のバランスをとるために、電源用電解コンデンサ3個の配置を変更してみます。この場合、電源基板と電解コンデンサをシャーシ上下でオーバーラップ配置する必要があります。シャーシ下高さが40mmなので、基板上の高さを25mm以上確保する為には、10mmの六角スペーサーを使用する事になります。基板厚を考慮すると基板上の高さは28.4mmとなります。基板下クリアランスは10mmです。電解コンデンサの端子高さが約5mmですが、なんとかするしかありません。

2つの電解コンデンサーと電源基板がオーバーラップしています。電解コンデンサ固定用のネジとナットとの干渉も懸念されます。この場合の部品配置は以下のとおりです。

見た目のバランスは断然こちらの方がいいです。干渉確認をしながらの部品実装は大変そうですが、こちらで進める事にします。

フロントパネル加工図

フロントパネルには、電源スイッチと電源ランプおよびそれらを保護するためにハンドルを取り付けます。まずはハンドルを探します。シャーシの高さが40mmしかないので、小型の金具を検索してみました。小型のタイプは選択肢がありませんでしたが、以下の金具を発注しました。

リングの内径が20mmの為、金具の外形は32mmになります。フロントパネルに縦に取り付けると上下のクリアランスが片側4mmしかありません。取り付け時に通常のナットは使用できない為、小型のナットを使用します。アマゾンで検索してみましたが、あまり良い物が見つかりませんでした。

これであれば、M6固定のトグルスイッチを買って付属のナットのみ使った方が安いかもしれません。この金具のお届け予定が最大で1ヶ月となっているため、おそらく中国発送になると考えられます。春節を跨ぐ為、輸送トラブルが起こらなければいいのですが。電源スイッチは波動スイッチを使用します。図面は以下のとおりです。

角穴にスナップインするタイプです。小さめに穴を空けて削ってサイズ合わせを行う予定です。最後は電源ランプです。電源トランスユニットで採用するものの色違い品を使用します。図面は以下のとおりです。

以上を反映してフロントパネルの加工図を作成しました。

シンプルなパネルです。

アンプユニットリアパネル加工図

加工図の最後は、アンプユニットのリアパネル加工図です。取り付ける部品は、電源トランスユニットに取り付けたXLRコネクタ(4極と5極)のオス版と航空コネクタおよび、アンプ入力用のXLRコネクタとスピーカーターミナルです。スピーカーターミナルは、現行アンプのものを再利用します。現行アンプの加工図は丸穴になっていますが、記憶によると回り止め形状となっていたとおもいますので、分解した時点で修正したいとおもいます。取っ手は、フロントに取り付けた金具と同じものを取り付ける前提としていますが、サイズ面でスピーカーターミナルの保護にならないようであれば金具を変更します。作成したリアパネル加工図は以下のとおりです。

中央が航空コネクタで、その両脇が電源トランスユニットからのケーブルを接続するXLRコネクタ(オス)です。その両脇がスピーカーターミナルで、両サイドがアンプ入力用のXLRコネクタ(3極)です。現行アンプをばらした時点で部品寸法を確認して加工図をチェックする予定です。次回はアンプユニット用のケース発注を行い、現行アンプの分解を開始します。

 

つづく(設計編9)