製作編1
高額部品を流用する為に、現行のアンプを分解します。
現行アンプ
この現行真空管アンプですが、本ブログの最初の製作記事(2016年6月26日~)で取り扱ったものです。
真空管アンプ自体の設計は初めてだったので勉強からスタートしました。その後、パワーアンプの周波数特性番外編6(2017年2月13日)でNFBを外して無帰還アンプ化しました。さらに真空管アンプ負帰還(2022年5月27~)で負帰還を復活させて現在に至ります。
上記写真は、負帰還の復活と合わせて、入力バッファを追加したものです。分解する前に、16cmフルレンジスピーカーと組み合わせてひとしきり音楽を聴きました。
分解開始
まず初めに真空管を取り外します。このアンプの真空管は通電時間が長くないので再利用します。
EL34の取り外しは堅くて苦労しました。取り外した真空管は、ペアを維持したままエアキャップにくるんで保管します。次は内部の配線を取り外します。あらためてボンネットを取り付けて、筐体を逆さにしてボトムシャーシを取り外しました。
最初にスピーカーターミナルを取り外しました。
次に入力用のXLRパネルコネクタを取り外しました。分解には通常使用のコテではなく、40Wのコテを使用しました。パワフルなので部品のモールドを溶かさない配慮が必要です。
続いて、ヒューズホルダとACインレットを取り外しました。
これでリアパネルに取り付けた電気部品の取り外しは完了です。続いて、高耐圧の電解コンデンサーを取り外します。最初にラグ板ごと取り外し、その後電解コンデンサーを取り外しました。
次は終段バイアス用の基板を取り外しました。
当時は、まだ端子台を使用していないため、基板ポストに配線を直接ハンダ付けしていました。さらに電源基板を取り外します。電源基板は再利用を考えていません。
フロントパネル取り付け部品で再利用するものは、電源ランプのみです。
取り外し時には気づきませんでしたが、写真で見るとフランジ部分が錆びています。使用前に磨きたいとおもいます。次に終段真空管用のソケットを取り外しました。かなりの配線量があったので手間がかかりました。
残りの大物はトランスです。段ボールで養生したテーブルに、ボンネットを外した筐体を逆さに置きました。出力トランス2台で支えている状態です。この状態で電源トランスのナットを緩めて、電源トランスを取り外しました。さらに出力トランス用のネジを取り外し、シャーシを持ち上げると、養生されたテーブル上に出力トランスが残ります。あとは、初段の真空管ソケットとL字のラグ板と、パネルの取っ手を取り外せば分解は完了です。
製作にはそれなりに時間はかかりましたが、分解はあっという間で少し複雑な気分です。再利用予定の部品は、こんな感じで保管します。
電源トランスと出力トランスはダンボールで養生しています。エアキャップで養生しているものが真空管で、残りの小物部品は秋月から電子部品購入時の袋に入れています。残りの部品の発注をかければ、部品の確保は完了となります。次回は取り外した部品の寸法を確認し、必要に応じて加工図を修正して製作に取りかかりたいとおもいます。
つづく(製作編2)