ローノイズ真空管アンプ(製作編13)

製作編13

前回の記事で実装紹介したメイン電源の通電確認を行います。

通電確認準備続き

前回の記事で、メイン電源の通電をDC36Vを入力して行う方針としましたが、その際の各部電圧分布を再掲載します。

接続する3個の電解コンデンサに電線を接続します。

正規実装時にも使える様に少し長めの配線長としています。リップルフィルタ用トランジスタは、元アンプからの流用なので、配線の端末処理のみを行いました。

準備の最後はB2出力に10kΩの抵抗を接続します。想定される負荷電流は2.8mAです。

これで通電確認の準備は完了です。

通電確認

ユニバーサル電源の電圧を+/-18Vにセットして、念のため過電流保護も100mAに設定しました。恐る恐る電源オンしましたが、過電流保護も働かず、定常電流値4mAとなっています。この状態で各部電圧を確認しました。結果は以下のとおりです。

入力電圧を36.0Vとなるように微調整しましたが、絵に描いたような結果が得られました。メイン電源回路は正しく実装できているようです。前回の記事でリップルフィルター用のトランジスタを誤って訂正した件をレポートしましたが、修正回路図を掲載します。

-5V電源実装

次は-5Vの電源を実装します。この電源の出力は、アンプのA電源と電源ランプです。初めに半波整流回路を実装します。

次は三端子レギュレータを実装します。今回NJM7905FAは秋月電子から購入しましたが、取り扱いが日清紡マイクロデバイスに移り、すでに生産は中止されています。もうからない製品は今後ますますEOLになる事を心配しています。

出力にはオーディオ用電解コンデンサを使いました。最後に出力用の2極の端子台を2つ取り付けたら完成です。

ハンダ面はこんな感じです。

単純な回路ですが、後で不具合が発覚すると面倒なので動作確認を行います。

出力はほぼ-5Vとなっています。念のためLEDの点灯確認も行いました。

問題なく点灯しています。A電源用-5V回路実装は完了です。

初段ヒーター用電源回路実装

最後は初段の12AX7ヒーター用電源回路を実装します。回路を改めて掲載します。

一番上段の回路ブロックです。他の回路と同様にまずは入力段の全波整流回路を実装します。

平滑用電解コンデンサー容量を3300uFとしましたが、三端子レギュレータの入力電圧を維持できるか心配です。次は可変三端子レギュレータLM317をヒートシンクに取り付けて基板実装します。

三端子レギュレータの消費電力は約1.3W程度なので放熱器は不要かもしれませんが、寿命を考慮して採用しました。次は電圧調整回路を実装します。あっ!半固定抵抗を買い忘れていました。やれやれ・・・。在庫を確認したところ、2KΩと5KΩがありました。仕方がないので5KΩを使用する前提で回路図を書き換えました。

基板に実装スペースがあるので大きな問題はありません。一緒に出力用端子台も実装して実装完了です。

他回路と同様に動作確認を行います。負荷が都合の良いダミー抵抗がなかったので68Ωを取り付けました。電流値は約0.19Aです。

写真は電圧調整用ボリュームを回して出力を約12.6Vに調整したところです。これでアンプユニットの電源基板実装は完了です。実装基板はこんな感じです。

次回はアンプユニットのケース加工を開始します。

 

つづく(製作編14)