High-ch用アンプ製作(製作編9)

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製作編9

B電源用の全波整流回路の実装が終わりましたが、次は先にC電源回路実装を行います。

C電源回路実装

改めて電源回路図を掲載します。

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回路はヒーター巻き線6.2Vを半波整流後、三端子レギュレータで5V生成する簡単な回路です。全回路部品を基板上に実装します。残るB電源用配線を考慮して部品はできる限りコンパクトに実装しました。

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後の配線を考慮するために、B電源用リップルフィルタのダーリントン用のトランジスタのみ実装しました。

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実装したトランジスタへの配線を考慮して三端子出力と出力用端子台間の配線を行いました。配線はこんな感じです。

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C電源回路通電確認&電源ランプ配線

出力用端子台に1KΩの抵抗を接続して通電確認を行いました。

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三端子レギュレータの入力電圧は8V弱でしたが、出力は5V出ていたので動作は問題ないと考えて、電源ランプの配線を行いました。電流制限用の抵抗の実装を忘れてしまったので、ランプ側に390Ωを接続する事にしました。ランプ側にカットした基板を取り付けランプ間の端子がショートするのを防ぎます。この基板に電流制限用の抵抗を実装して基板上へランプ配線を行いました。

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ランプ配線は、シャーシ板金側に沿って敷線しました。

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シャーシ板金側の赤黒の平行2芯電線がランプ配線です。この状態で通電確認を行います。無事ランプ点灯の確認ができました。

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C電源各部波形確認

出力用端子台に1KΩの抵抗を接続しているので、C電源は実動時と同等の負荷状態となっています。念のためオシロスコープで各部の波形を確認しておきます。三端子レギュレータにかかる電圧波形を確認します。

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最低電圧は2.74Vでした。リップルは440mVppです。さらに念のため出力電圧をACモードで確認したところ、リップルが全く除去されていませんでした。実装を確認しましたが問題ありません。改めて使用している三端子レギュレータの仕様書を確認しました。次のグラフは、入力電圧vs出力電圧特性です。

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グラフを見る限り、入力電圧に7.74Vあれば5V出力される事がわかります。次のグラフは、リップル除去比周波数特性です。入力は半波整流なので入力周波数は50Hzですが、Vin=-10Vの特性なので参考になりませんでした。

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仕方がないので、入力を急遽倍電圧回路に変更する事にしました。回路図を修正します。

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(この回路には大きな問題点があり、次回記事で再変更します)

この倍電圧回路は、EL34ppアンプのC電源回路として実績があります。ヒーター巻き線の余りが5Vacしかなかった為に採用していました。早速回路変更を行いました。電解コンデンサの在庫は有ったので実装しましたが、整流用のダイオードの在庫がなく、今回の完成をあきらめました。

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今回の電源回路は、真空管HPアンプ回路をベースとしています。真空管HPアンプは各種の対策を行ってハム対策を行いましたが、感度の高いヘッドフォンを接続して聴いている際に、時折ハムが微かに聞こえる事がありました。全段バランス構成となっている為に電源リップルの影響は受けにくい回路となっていますが、商用電源電圧が下がった際に発生している可能性もあるので、このアンプの製作後に確認してみたいとおもいます。

部品発注

ショットキーバリア整流ダイオードですが、単価20円です。これだけで送料500円をかける事はもったいないので、在庫箱を確認してM3x8mmのプラネジと放熱シートを合わせて発注しました。それでも送料は購入価格と同等で、言い方を変えると2倍の金額で部品購入した事になります。以後設計は慎重に行いたいと反省しました。次回は先にB電源回路の実装を行います。

 

つづく(製作編10)