High-ch用アンプ製作(製作編10)

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製作編10

前回、無駄な追加部品発注をしてしまいましたが、気を取り直してB電源の実装の続きと通電確認を行います。

B電源残りの配線

いつものとおり、電源基板に実装するものとシャーシに実装する物を分けてみました。

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赤枠内の部品は、基板外に実装します。前回までの実装で電源基板に実装するB電源回路部品の搭載は完了しています。残りはリップルフィルタ用トランジスタとそれ以外の回路接続です。トランジスタは、全波整流回路、出力用端子台と離れているため被覆ジャンパで接続しました。

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白の電線がリップルフィルタベース配線で、黄色の電線がコレクタ配線です。続いてシャーシに取り付けるリップルフィルタ用トランジスタの加工を行います。各端子に電線を接続するために端子をカットしています。

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各端子に電線をハンダしました。

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端子間のショート防止用に熱収縮チューブを被せます。アマゾンで熱収縮チューブセットを購入していますが、こんな時便利です。

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最適な径のものを選び、適当な長さにカットして端子部に被せてドライヤで加熱しました。次に取り付け用の穴をシャーシにあけます。穴径はφ3.2で、電源基板の接続用端子台の横に、出力トランスの位置を考慮して穴位置を決めました。

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穴開け後は十分にバリをヤスリでとっておきます。トランジスタの取り付けは、シリコンシートをシャーシとの間に挟み、プラネジで固定しました。端子台への配線は見栄えを考慮してフォーミングしています。

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これでB電源回路の実装は完了です。

B電源通電確認

改造中のC電源はトランスの2次端子を入力端子台と接続せずに、念のため電線をセロテープでショートしないように固定しました。B電源回路のみ周辺部品と接続して通電確認の準備完了です。

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電源コードを接続して電源オンします。あれ電源ランプが・・・?C電源が動作していないので点灯しないのは当たり前ですが、反射的に電源をオフしてしまいました。改めて電源をオンします。電源の負荷は、出力部に接続した100KΩのみなのでほぼ無負荷状態です。各部の電圧を確認しました。

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無負荷状態なので設計値よりも全般的に電圧が高いですが特に問題はありません。各部の波形確認は真空管を接続して負荷をかけた状態で行う予定なので今回はスキップします。

B電源改造続き

作業の週と記事の分割は完全に同期していません。基本は土日の作業を翌週に2つの記事にしますが、作業内容により2本の記事に対して足りなかったり多かったりします。今回は足りずにこの部分で週をまたぎました。注文していた追加部品が届きました。案の定梱包はスカスカです。

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修正回路の問題点

改造残りのダイオードを取り付けますが、その前に修正回路図を改めて確認したところ大きな問題が有ることに気づきました。この回路では、ヒーター回路とC電源回路でショートが発生し、最悪部品を壊してしまうところでした。前回ダイオードの在庫があったら、間違いなくこのミスに気づかずに通電確認を行っていたとおもいます。一番簡単な修正方法は、C電源と共用しているヒーター回路のGND接続をカットする事ですが、この場合、片チャンネルのヒーター回路がGNDに対して約8V基準でAC駆動される事になります。

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この状態の影響を考えてみましたが、初段の12AY7はヒーター回路を12Vac駆動する事も可能で、修正回路2は初段のヒーターを12Vac駆動した時と動作的に大差ないとの結論に至りました。できれば、初段のヒーター回路はGND基準で駆動して終段のヒーター回路を上記の対策回路のとおり駆動する方が左右チャンネルのバランス面で勝っていますが、ヒーター配線の改造を考えると二の足を踏んでしまいました。やれやれ、今回はミスの連鎖状態となってしまいました。次回はC電源の改造からスタートします。

 

つづく(製作編11)