D級アンプの製作(構想編4)

構想編4

調達したD級アンプ基板の通電確認を行います。

通電確認準備

初めは基板に電源を入れる準備をします。まずはノイズ入力を防ぐ為に100KΩの入力抵抗を取り付けます。基板入力は3極のHXコネクタなので、付属のケーブルのコネクタと反対側に100kΩの抵抗を取り付けました。

後で信号入力もできるように抵抗のリードを長めに残しています。次は電源入力の準備をします。入力は端子台なので、太めの電線の芯線をリング状になるようにフォーミングして解れないように半田で固定しました。それを端子台に接続します。

本来は丸端子を取り付けるところですが、保管ケースがみつからずにこの対応となりました。電源の供給はユニバーサル電源を使用します。但し私の電源は最大出力電圧が+/-18Vなので、出力を+12Vと-12Vに調整してマイナス出力をアンプ基板のGNDへ+12Vを+入力端子へ接続して、24V電源としました。スピーカー出力端子にはダミー抵抗を接続します。片チャンネルは5Wのセメント抵抗を直列接続して8Ωとしたものなので、そこそこ電力消費できますが、もう一方は1Ω1/2W抵抗を8本直列接続したものなので、大電力を消費させる事はできません。測定状況によって使い分の対応をします。

これで通電の準備は完了です。

通電確認

まずは基板に24Vを入力して状況を確認してみます。まずは消費電流を確認しました。

上記の結果から、24V/84mAの電流を消費している事がわかりました。消費電力に換算すると約2Wです。次に無信号時の出力をオシロスコープで観測してみました。写真はオシロスコープをDC入力時のものです。

出力はBTL方式なので、出力の両端子をch1/ch2で観測しています。それぞれ約12VDCを出力しています。入力電圧が24Vなので、その半分の電圧を出力しています。次は、この状態でオシロスコープの入力モードをACに切り替えて感度と掃引スピードを上げてみました。

予想どおり、出力部に二次フィルターが入っているもののPWM信号が漏れています。周波数は454KHzで、電圧は376mVppです。2つの出力は逆相となっているので、スピーカー印加電圧は2倍の752mVppとなります。8Ωのスピーカー接続時のノイズの電力は約70mWとなります。想定していたもののあまり気持ちのいいものではありません。念のためもう一方のチャンネルの確認も行いました。

結果は全く同じでした。この結果を見ると可聴帯域外とはいえ、ツイーターの駆動には使いたくないと思いました。続いてパワーオン/オフ時のポップノイズを観測してみます。下の画面コピーは、パワーオン時のものです。

黄色と青が出力で、赤はその差を表示しています。電源オン直後にノイズが発生し、その後約0.5秒後に出力のDCレベルが12Vに立ち上がっています。どちらのタイミングも若干の差があり、差信号がノイズとして発生しています。同様にパワーオフ時についても観測してみました。

こちらは素直に出力のDCレベルが下がっていて、差信号のノイズは観測されませんでした。パワーオン時のみ、何らかのポップノイズ対策が必要となりそうです。次回は実際に信号を入力してみます。

 

つづく(構想編5)