安定化電源製作(評価編4)

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評価編4

ジグが完成したのでお試しで製作した安定化電源にジグで負荷をかけてみます。

お試し負荷試験準備

負荷試験は使用環境であるチャンネルデバイダに製作した安定化電源を組み込み、トランスから電力供給した状態で確認すべきですが、その前にお試しでユニバーサル電源環境で確認を行います。前の記事でも書いたとおり、私のユニバーサル電源は+/-それぞれ各2チャンネルの出力を持っていますが、2チャンネル目の仕様が変わっています。

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+/-電源1チャンネル目はそれぞれ0~18V/1.8A出力ですが、2チャンネル目は+電源が0~8V/2Aで、-電源は0~6V/1Aです。製作した安定化電源を正しく動作させるためには+/-16.9Vが必要なので1チャンネル目を使わざる得ません、仕方がないのでジグ回路を2チャンネル目を使って+/-6Vで動作させる事にしました。半固定抵抗のDC調整感度が半分になりますが、幸いオペアンプもエミッタフォロワも正しく動作します。

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お試し負荷試験

上記のとおり安定化電源およびジグをユニバーサル電源と接続します。評価対象の安定化電源+出力をジグの負荷電流インに接続します。念のためユニバーサル電源の過電流保護を全出力ともに100mAに設定しました。さらにジグへ発振器を接続します。緊張しながら電源オンしました。ユニバーサル電源の表示を安定化電源供給電流に切り替えます。ジグの半固定を回し負荷電流を上げていきます。50mAまで上げたところで発振器の周波数を100Hzにセットして出力を上げていきます。その時の50Ωの負荷抵抗にかかる電圧と安定化電源の出力電圧をポケットオシロでモニタしました。

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波形は負荷電流が平均52mAで正弦波状に36.4mA~67.6mA変動している事を示しています。青のラインは安定化電源出力をACモード最大感度でモニタしていますが、電圧変動が確認できません。周波数を上げていくと100KHz付近で電圧変動が観測できました。低周波数域の電圧変動観測にはプリアンプが必要です。

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本記事のアイキャッチ写真はさらに周波数を300KHzまで上げた状態です。負荷変動に制御が追従できずに電圧変動が起こっています。続いて方形波応答を見てみます。発振器の周波数を1KHzにセットしました。

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負荷電流の立下がりで電圧変動が発生しています。この部分を拡大してみました。

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この波形を見ると、負荷が軽くなった事に過剰にフィードバックがかかっている様に見えます。この応答波形については別途考えたいとおもいます。念のため負荷電流の立ち上がり部分も拡大してみました。

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出力電圧に若干の変動が見えますが、いい感じでフィードバックがかかっています。ここまでのお試し負荷試験を整理します。

・ジグで想定どおりの負荷試験ができる事が確認できた

・安定化電源周波数特性を見るためには、ポケットオシロの感度アップが必要

・方形波応答負荷電流立下がりで過剰な応答をしている

一旦負荷試験を中断してポケットオシロの感度アップの為のプリアンプを作ります。

ポケットオシロプリアンプ設計

私のポケットオシロはDSO203という機種で、購入して1年程度たちます。

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価格は2万円でお釣りがきますが、趣味の範疇ではそこそこ使えています。なにより、波形が見える事は、精度はなくても見えない事と比べて大きなメリットがあります。1年間使用して一番不満な点は、最大感度が50mV/Divという点です。かねがねこのポケットオシロ用のプリアンプを作りたいと考えていましたが、今回必要に駆られて重い腰を上げる事にしました。早速、設計構想を整理します。

・ゲインは10倍の正相アンプとする

・今回の用途からAC入力モードを設ける

・最低限の入力保護を付ける

上記を回路化していきます。AC入力モードは単純なCRの1段フィルタで構成します。カットオフは低い程使い勝手が良いです。CRフィルタ出力をオペアンプを使ったボルテージフォロワで受けてCRフィルタへの次段の影響をなくします。ボルテージフォロワへのダイレクトな入力端子も別途設けて、DCアンプとしても使えるようにします。このボルテージフォロワ出力をオペアンプを使った正相アンプで10倍に増幅します。ゲインは10倍に調整できるように帰還ループに半固定抵抗を入れます。アンプの保護としてボルテージフォロワの入力にダイオードを2個入れて絶対値で0.6V以上の入力が入らないようにします。本当はこの保護ダイオード自体の保護も考える必要がありますが、運用でカバーする事にします。図はこれを回路化したものです。

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次回はこの前段アンプの定数を決めて実装を進めます。

 

つづく(評価編5)

安定化電源製作(評価編3)

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評価編3

+電源用ジグ回路実装が終わったのでジグ回路の通電確認を行います。

ジグ回路おさらい

製作したジグ回路は、評価用電源から任意に一定電流および、発振器からの入力に従った波高値の電流を流すことができます。ジグ自体は+/-12Vの電源が必要です。私のユニバーサル電源は+/-ともに2電源を持っているので、この電源を使って負荷電流が意図どおりに制御できるか確認を行います。

+電源用ジグ回路通電確認

最初にジグ用の電源端子に+/-12Vを配線します。オペアンプとエミッタフォロワを切り離す為にジャンパーソケットを刺さずに電源を入れます。この状態でオペアンプ用のソケットに所定の電圧がかかっている事を確認します。ー入力端子および出力端子に中途半端な電圧が観測されますが、これは半固定抵抗から-12Vが分圧された電圧が供給されている為です。半固定を回すと時計回しで電圧の絶対値が大きくなる事を確認しました。半固定抵抗を反時計回しで分圧出力をゼロにして一旦電源をオフしてオペアンプをソケットに差し込みます。

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改めて電源オンしてオペアンプの各端子が所定の電圧となっていることを確認しました。DC電圧供給用の半固定を回して、オペアンプ出力が+側に振れる事を確認します。次に評価用電源端子にユニバーサル電源から+8Vを、最後に負荷電流制御用にSig_In端子に発振器を接続し、エミッタフォロワをオペアンプ出力と接続するためにジャンパーピンを刺しました。半固定抵抗を回して、それにつれて負荷電流が変化する事を確認しましたが、負荷抵抗の電圧とユニバーサル電源に表示される負荷電流のつじつまが合っていないことに気づきました。基板を見ると、100Ω抵抗2本付けたつもりが、10Ω抵抗が2本ついていました。一旦電源を切って負荷抵抗を付け変えます。

■変更前

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■変更後

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気を取り直して、動作確認を続行します。負荷電流を50mAに調整して、発振器の周波数を100Hzにして出力を上げてゆきます。写真は電流の振幅の波高値が30mAppとなるように調整した状態です。

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出力はそのまま周波数を1KHzに上げてみました。負荷電流は正しく制御されている事が確認できました。

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ー電源用ジグ回路実装

中途半端に実装済みのー電源用のジグ回路を完成させます。最初にエミッタフォロワのベース回路の実装を行います。逆バイアス保護用のダイオードは極性に注意して実装します。

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次に入出力用の基板端子台を使い勝手は良くないですが、基板センターに+電源用と対象に並べます。

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続いて負荷電流を消費させる抵抗をポストに取り付けます。今度は正しい抵抗値のものを選択しました。

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これでジグは完成です。完成時の配線はこんな感じになりました。ジグなのでいきあたりばったりで配線していったので他の製作物と比べて被覆ジャンパー線が多いです。

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今回は事前に部品配置を決めずに部品実装ごとに位置を決めていきましたが、それなりにまとまったとおもいます。写真には参考として各基板端子台の説明を入れました。

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ー電源用ジグ回路通電確認

エミッタフォロワ回路を切り離し、半固定抵抗絞って電源を入れます。オペアンプの各端子が所定の電圧となっている事を確認します。半固定抵抗を回してDC電圧をオペアンプに印加して出力を確認しました。問題なかったので評価用電源端子に電圧印加します。なぜか、私のユニバーサル電源のマイナス電源の2チャンネル目は最大-6Vなので、最大の-6Vを印加してエミッタフォロワ接続用ジャンパーピンを刺しました。+電源用ジグ回路確認と同様に一定負荷電流および正弦波制御の負荷電流を確認しました。写真のとおり問題ありません。

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最後に方形波を入力してみました。

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問題なく制御できています。立ち下がり波形を拡大してみましたが、素直な波形です。

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次回はこのジグを使って製作した電源に負荷をかけて様子をみたいとおもいます。

 

つづく(評価編4)

安定化電源製作(評価編2)

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評価編2

評価用ジグ回路設計が終わったので部品を選定して組立を行います。

オペアンプの選定

手持ちのオペアンプの在庫を確認したところ4種類ありました。全て8pin dipの2回路入りです。「MUSES8920」「NJM082BD」「NJM4556ADD」「NJM2904D」ですが、型番が示すとおり全てJRC製です。最初のMUSESはオペアンプの交換で余ったものですが、それ以外は何れ使うだろうと以前購入しておいたものですが、全て単価50円以下のものです。私が学生時代には考えられない値段ですね。2つめのオペアンプの型番からTL072から派生したものと思われますが、学生時代当時、FET入力のオペアンプLF356やTL072が現役で、今の様に使い捨てができるような代物ではなかった事を思い出しました。最後のNJM2904Dは単電源用なので選択から除外してそれ以外のものについてスペック比較をします。

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単純なスペック比較では、総合的にMUSES8920が性能が良いです。値段も一番高いため相応の結果だといえます。今回はFET入力の必要はないためNJM4556ADDを採用することとします。

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トランジスタの選択

負荷電流を流すパワートランジスタですが、手持ちの在庫から2SC3851A/2SA1488Aを使用します。在庫のhfe測定一覧から2SC3851AをNo.26, 2SA1488AをNo.21を選択しました。後で買い増しした際に、コンプリメンタリペアになりにくいものとして選定しました。

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スイッチングダイオード

今まで小信号用スイッチングダイオードを購入した事がありませんでした。秋月の商品を検索すると安いものがありました。フェアチャイルド製の1N4148で50本100円です。Vr=100V, Io=200mA, Po=500mWと今回の用途には十分です。

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放熱器

負荷電流を流すパワトランジスタの放熱用です。ヘッドフォンアンプの電源に使用したものと同型を使う事にします。熱抵抗は20.0℃/Wなので30℃環境前提でも1W程度の消費電力でも問題ありません。

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ジグ基板の組立

ジグは私がいつも使用する標準基板(72 x 95mm)に実装します。+/-電源用回路を基板の半分を使って実装します。残り半分は波形観測用にアンプが必要になると考えて温存しておきます。私のポケットオシロの最大感度は50mV/Divのため、増幅しないと電源出力変動が観測できないと考えています。初めに大物部品の放熱器を基板の端に並べて実装します。放熱器には2つの固定用のボスがついています。ピッチは2.54の倍数でユニバーサル基板の穴の間隔にフィットしますが、径が太くてそのままでは刺さりません。ドリルの刃を使って穴径を広げて入る用に加工しました。

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固定はトランジスタのリードで行うので少々緩くても問題ありません。

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負荷抵抗は流す電流に応じて交換可能とするために、基板用コネクタヘッダを使って容易に交換できるようにしました。以前、マルツオンラインで購入したタイコエレクトロニクス製のものだと記憶しています。抵抗のハンダ付けを容易にするために、ポスト背面の樹脂の立ち上がり面をカットして使用しました。(写真左)

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基板への取り付けは、パワトランジスタの手前に、ラジアル形状の抵抗がハンダ付けできる間隔をとって対抗して取り付けました。樹脂製のコネクタヘッダは熱に弱くハンダ付けの際には注意が必要です。

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さっそく抵抗を取り付けてみました。これで容易に抵抗の交換ができます。

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その手前に、パワトランジスタ切り離し用のヘッダを取り付けました。4極タイプを使用していますが、+と-電源用に2極づつ使用します。

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さらにその手前にオペアンプ用の8pinソケットを取り付けました。

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加算回路構成用の抵抗は、実装スペースがないので立てて実装しました。最後にDC電圧供給用の半固定抵抗を一番手前に取り付けます。時計回しでGND間の抵抗値が大きくなる端子配列で接続して電圧の増減と人の感覚を合わせています。これで+電源用ジグ回路実装は完了です。ー電源用のジグ回路は、2回路入りのオペアンプの保護に必要な配線のみ行っています。次回は+電源用ジグ回路の動作確認およびー電源用の回路実装を完了させます。

 

つづく(評価編3)

安定化電源製作(評価編1)

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評価編1

安定化電源基板の実装が終わったので性能の評価を行います。

評価構想

電源に要求される性能はいろいろありますが、今回は出力インピーダンスと周波数特性に着目したいと考えています。出力インピーダンスは、負荷電流を変えて出力電圧を観測します。周波数特性は、負荷電流を正弦波としてその周波数を変えて出力電圧を観測します。評価の中で製作編で適当に決めた発振対策の位相補償用のコンデンサの容量の再確認も行いたいとおもいます。これら評価の構想を箇条書きに整理します。

・負荷電流は0mAから150mAまで可変として、その時の出力電圧を測定する

・負荷電流を正弦波として、バイアス電流、ピーク電流、周波数を変えて出力電圧をモニタする

・負荷電流をステップ波形として出力電圧をモニタする

基板単体評価残り

評価用のジグ(回路)製作に入る前に、未評価回路の確認を行います。初めに電源ランプ用の出力確認です。いきなりLEDをつないで点灯確認です。LEDはリードが長い方が+ですが、使う時にはいつも記憶に自信がなく都度調べています。

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問題なく点灯しました。LEDの点灯回路は、全波整流回路の+/-16.9Vから電源供給しています。LED点灯用の電流とはいえ、+/-電源の片側から取ると+/-電源のバランスが崩れ、かつGNDに電流が流れ込みます。消費電力は増えますが、+/-電源から供給しています。LEDのみ点灯させた無負荷時の消費電流は32mAでした。非点灯時が21mAでしたので、点灯電流は約11mAです。

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念のため、ダイオードブリッジに供給する+/-12Vの極性を反転させてブリッジの動作も確認しました。これも問題ありませんでした。

ジグ回路設計

電源の負荷電流は、パワートランジスタのエミッタフォロワ構成で流すことにします。この為、+と-電源用にそれぞれ回路を起こします。パワートランジスタの駆動は、オペアンプを使って簡略化します。負荷電流の制御は、オペアンプで発振器出力とDC電圧を加算して行います。終段のエミッタフォロワの逆バイアス防止用にダイオードで保護します。上記を回路図化してみました。

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エミッタフォロワの負荷抵抗は50Ωとしました。最大電流150mA時の負荷抵抗の消費電力は1.15Wになります。手持ちは1/4W抵抗しかなかったので、100Ωを並列接続してしのぐ事にします。この対応を行っても抵抗の定格いっぱいでも最大電流100mAしか流せません。今回はこの仕様で妥協します。この時のパワートランジスタの消費電力は以下となります。

(12-50Ω x 0.1A)x 0.1A = 0.7W

トランジスタには小型の放熱器をつけることとします。パワートランジスタには手持ち在庫の2SC3851A/2SA1488Aを使用しますが、hfeは100以上あるので、最大負荷電流時のベース電流は1mA以下になります。ダイオードには小信号スイッチング用の物を使えば問題ありません。発振器出力とDC電圧の加算回路は、オペアンプの反転アンプ構成としました。理由は正相アンプ構成の加算回路の場合、発振器出力から見た入力抵抗が、DC電圧の調整値によって変化します。些細な影響しかないかもしれませんが、気持ちが悪いので反転アンプ構成としました。尚、反転アンプのゲインは2.7倍としました。(帰還抵抗1kΩと2.7kΩ)オペアンプ出力とスイッチングダイオード間のSWは、ジャンパーピンとジャンパーソケットで代用します。制御信号を事前に調整してから終段を駆動するための考慮です。

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加算回路へ加えるDC電圧は電源電圧をボリュームで分圧して生成します。オペアンプ用の電源+/-12Vを流用するのでボリュームの定格を考慮して5kΩとしました。この場合、ボリュームには2.4mAの電流が流れます。決定した定数を回路図に反映します。

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次回はオペアンプの選定をしてジグの組立をおこないます。

 

つづく(評価編2)

安定化電源製作(製作編5)

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製作編5

回路2までの動作確認が終わったので引き続き回路3~4の実装を進めます。

回路3実装

回路3は回路1と同じなので、同じように配線します。基板を見ると最初に配線したGNDラインの位置が悪く、回路3用に回路1と同じ実装スペースが確保できていません。今回は最初に配線したGNDラインとその後に配線した出力端子台用のGND配線ともに削除して新たに出力端子台用にGND配線を引き直しました。上の写真が修正前で下の写真が修正後のものです。

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これで回路3、4共に実装済みの回路と同等のスペースを確保することができました。出力端子台の脇に出力電圧調整用のボリュームを配置していますが近くにGNDおよび出力の配線がされているために思いの外シンプルな配線ができました。基板の中程に実装する事も考えましたが、現状の実装の方が良かったと思います。回路1の実装をお手本にして回路3の実装はすんなり完了しました。

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回路3通電確認

通電確認の前に、改めて現状の基板の回路を説明しておきます。チャンネルデバイダ用の電源の置き換えのため、説明を省略していましたが、いままでの通電確認の説明を疑問に思っていた方もいたかとおもいます。図が最終的な電源回路です。

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通電確認の際には、トランスの代わりにユニバーサル電源からダイオードブリッジに+/-の直流電圧を印加しています。脱線しましたが、回路3の通電確認に戻ります。回路1、回路2と同様に回路3の通電確認を行います。ユニバーサル電源の過電流保護は前回同様に+/-100mAのままとします。

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電源オンしますが、特に異常はありません。出力波形も問題ないので出力電圧を12Vに調整します。その時のユニバーサル電源の+16.9V出力の電流値は21mAと回路1のみの時のほぼ2倍となっています。

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続いて各部の電圧を確認しました。確認結果は以下の通りです。

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回路1の結果とほぼ同じですが、供給電流が増えたことでユニバーサル電源の供給電圧が微妙に下がり、それに引きずられて各部の電圧も微妙に下がっています。

回路4実装

4回路目ともなると実装もかなり慣れてきます。思いこみによる実装で今までも足をすくわれてきたので気を引き締めます。ツェナーダイオードに並列にノイズ吸収用の1uFを実装しますが、実装スペースが少ないことから基板上で両者が接触しています。趣味ならでは許される実装です。

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回路4は、GND配線に挟まれていないため、出力の位相補償用の抵抗のGND配線が他回路とは異なりますが、他はほぼ同様に実装が完了しました。

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回路4通電確認

最後の回路の通電確認となります。今までの回路同様に確認を進めます。問題ないと思いながらも出力の波形は念のため確認します。

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電源オンしてポケットオシロの画面を確認しますが発振はしていません。出力電圧を-12Vに調整してユニバーサル電源を見ると、-20mAを表示しています。回路2動作確認時の2倍となっていて問題はありません。

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他回路と同様に各部の電圧の確認を行います。

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回路3の確認結果と同様に回路2の電圧に比べて微妙に下がっていますが問題はありませんでした。これで4回路分の安定化電源回路実装が完了しました。次回はトランスと組み合わせて製作した電源回路の評価を行います。

 

つづく(評価編1)

安定化電源製作(製作編4)

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製作編4

正電圧安定化電源回路の実装が完了したので通電確認を行います。

通電準備

通電確認にはトランスの代わりにユニバーサル電源を使用します。供給電圧はトランスの出力電圧AC12Vのピーク値に相当する+/-16.9Vとしました。念のため過電流保護も設定しておきます。1回路のみの無負荷の通電なので正負ともの100mAに設定しました。出力電圧調整用のボリュームをやや絞り(100Ω:400Ω)ドライバに十分な電圧がかかる設定としました。

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通電開始

電源オンし、基板に異常がないことを確認してからユニバーサル電源の出力電流値を確認しました。11mAを表示しており問題ありません。

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次に出力電圧を確認したところ、約10Vとなっていたため、VR1を調整して出力電圧を12Vに合わせました。正常に動作しているように見えますが、念のため出力をポケットオシロで確認をしました。結果は以下のとおり発振を確認しました。

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発振周波数は約500Hzで振幅は0.32Vppです。中途半端な発振です。まずはフィードバックトランジスタの位相補償用のコンデサの容量アップをしてみます。現在1000pFがついているものを0.01uFに変更しました。ハンダ面に直か付けしているので変更は容易です。(写真は変更前の1000pF)

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交換後、早々に通電してみます。出力波形をポケットオシロで確認したところ発振が止まっていることが確認できました。位相補償の容量については完成後の試験にて改めて見直します。下記は変更を反映した回路図です。

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続けて各部の電圧を確認します。回路図上、入力電圧を+16.3Vとしていますが、測定結果はやや高い16.6Vでした。今回使用したダイオードブリッジにショットキーバリヤダイオードが採用されているため順方向電圧が低くなっていることが原因を考えられます。

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測定結果を確認していきます。CRDには2.3Vがかかっており、ほぼ狙いどおりです。ツェナーダイオード印加電圧が6.12Vとやや低いですが、誤差範囲と考えます。負荷をかけた動作確認は後に回します。

負電圧安定化電源回路実装

次に-12V用の安定化電源回路を隣に実装します。正電圧回路で適用した発振対策を反映させた回路図は以下のとおりです。

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部品の極性が違うだけで回路自体は正電圧回路と共通です。正電圧回路と同様にフィードバック用のトランジスタから実装を開始します。

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写真のとおり、PNPトランジスタはテーピング品の為リードがフォーミングされています。気をつけないとリードの根本まで基板に入ってしまうため、基板を立てて(トランジスタを寝かせて)丁度良い位置で仮止め(ハンダ)して対応しました。部品の極性にのみ注意すれば、最初に実装した回路とほぼ同じになるので効率的に作業が進みました。平滑出力、安定化電源出力部の配線が異なりますが、ほぼ同じ配線で仕上がりました。

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回路2通電確認

回路1と同様にユニバーサル電源を使って通電確認を行います。前回同様に+/-12Vで過電流保護を+/-100mAに設定します。出力電圧調整用のボリュームも前回同様にプリセットします。(100Ω:400Ω)負電圧回路の通電は前回以上に慎重に行いました。

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電源オンした瞬間のユニバーサル電源の電流値が99mAとなり、過電流保護が働いています。すぐに電源を切って基板を確認しましたが特に異常は見つかりませんでした。電流のモニタを+電源に切り替えて電源を入れてみましたが、同様に99mAとなっています。今回の回路実装では、+電源に関係する部分はいじっていないでおかしいと思ったところで気がつきました。これは入力段の平滑用の電解コンデンサのチャージ電流と考えて、改めて電源を入れ直したところすぐに電流値が10mA程度まで下がりました。やれやれ。初期電圧出力は約-10Vで、ボリュームを調整して-12Vに合わせました。回路1と同様に各部の電圧を確認しました。

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結果は、回路1とほぼ同じ電圧となっていました。次回は引き続き回路実装を行います。

 

つづく(製作編4)

安定化電源製作(製作編3)

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製作編3

正電圧安定化電源の回路実装を先行して行います。

正電圧電源回路実装

初めての安定化電源の設計製作なので、念のため正電圧電源回路の実装を先行し、動作確認を行い、問題なければ他回路の実装を行いたいとおもいます。最初にフィードバック用のトランジスタを配線がシンプルになる事を考慮してドライバと垂直となる向きに実装します。続いてエミッタGND間に6.2Vのツェナーダイオードを実装しますが、後の配線を考慮してトランジスタを実装したため、シンプルに配線ができます。次にツェナーダイオードのノイズ吸収用の1uFのフィルムコンデンサを実装します。4.7uFのフィルムコンデンサーほどではありませんが、残り実装スペースを考えると大きな部品です。

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事前検討で出力端子台の脇に配置することにしていたボリュームですが、実装スペースがあれば、基板の中程へ持ってくることも考えていましたが、このコンデンサ実装時点で残りのスペースが少なくなった事からあきらめる事にしました。次にツェナーダイオード用のバイアス電流を流す抵抗を出力に接続します。この抵抗のリードを使って出力端子台までの配線を行う事にしました。そのラインの途中にドライバのエミッタを配線しました。次はドライバのバイアス電流を流すCRDと抵抗を配線します。今回購入したダイオードは小信号用ダイオード(別の製作で使用します)とこのCRDの2種類ですが、CRDと思われる部品の小袋には何の記載もありませんでした。

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念のためCRDの捺印を確認してから実装したいとおもいます。図はCRD仕様書の抜粋です。定格電流値とロット番号が記載されています。今回使用するCRDは1mA品(E-102)なので、「10」の捺印がされているはずです。

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現品を直に見ても見ようとする気持ちに目がついてきません。口外していませんが、通勤鞄にいつも忍ばせているルーペを使いなんとか確認することができました。

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CRDは大物の4.7uFフィルムコンデンサと電源の平滑出力に接続します。平滑出力は他にダーリントントランジスタのコレクタとそこにつながるパスコンがありますが、一つにまとめて、被覆線で平滑出力から1本で配線する事にしました。できる限り被覆線の使用を抑えて、配線をすっきりさせる事が狙いです。被覆線の使用を抑える為に、今回手製のジャンパを使用しました。部品のリードの切れ端をコの字に曲げてジャンパーに加工して部品面からGNDラインをスキップさせました。

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フィードバックトランジスタの位相補償用のコンデンサは、部品面に実装せずにトランジスタのリードにダイレクトに接続します。このため実装は後に回します。次に出力回路の配線を行います。出力電圧調整用のボリュームは、使い勝手を考慮して時計回しで電圧が上がる用に使用します。具体的には、時計回しでGNDに接続された抵抗側端子と摺動子端子間の抵抗値が小さくなる用に配線します。

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最後に出力位相補償用のCRを接続し、平滑出力と安定化電源入力を配線して1回路分が完成です。実装パターンを良く見ると出力端子台用GND配線と最初に引いた回路2用GND配線が平行して配線されていて、回路2を回路1と同じ部品配置ができない事がわかりました。仕方がないので最初に配線した回路2用GND配線を削除して、回路2のGNDは出力端子台用GND配線を流用することにして、回路2の実装エリアを拡大しました。最初の写真がGND配線削除前で、次の写真が回路2用GND配線を削除した完成配線です。

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次回は完成した正電圧安定化電源の通電確認を行います。

 

つづく(製作編4)