EL34ppパワーアンプ製作2(製作編1)

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製作編1

回路およびシャーシ設計が完了したので製作を開始します。

ケース

今回もリードのMK-380を使用します。4年前の購入価格は7,060円でしたが購入元は異なりますが今回は8,960円でした。この4年間の社会情勢を表している感じがします。

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箱から取り出しました。リードのシールは、今回短い辺のパネル面に貼りつけられていましたが、以前は長い辺の面だった気がします。

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加工に備えてトップカバーとボトムシャーシを取り外しました。

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フロントパネル加工

A3用紙に設計編で修正した加工図を印刷しました。

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加工前に今回初めて採用するパドルスイッチの寸法を念の為に現品確認します。

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希望は角穴対応のロッカースイッチでしたが、秋月電子に希望のものがなかったので、代わりに購入しました。6A/125V品で高級感はありませんが使えそうです。取り付け穴径は20~21mmとされていましたが、シャーシパンチ使用前提で図面はφ21mmとしています。この場合は回り止めが効かないかも知れませんが、問題があれば別途対応を考えたいとおもいます。いつものとおり、パネル加工図をパネル外形に沿って切り取り、パネルに貼り付けました。

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穴のセンターにポンチで印を付けます。今回のフロントパネルは丸穴のみの計6点です。

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加工時に変に力が加わらないように、ワークベンチでシャーシを挟み込み、フロントパネル裏に取り付けフランジよりも厚い木の板を入れてフロントパネルを受けて、それをさらに別の大きな板で受けています。写真には写っていませんが、その板の反対側をC型クランプで固定しています。最初に2mmのドリルで全ての穴をあけ、パドルスイッチ以外はステップドリルで6mmの穴を開けました。パドルスイッチ取り付け穴は、シャーシパンチを使う為、10mmの穴を開けました。

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次は、パドルスイッチ取り付け穴をシャーシパンチで21mmに拡大します。シャーシパンチは、刃の側は加工面にキズがつきにくいですが、ホーザンの21mmの刃の構造上、内側にセットせざる得ませんでした。相変わらず、穴開けには強い力が必要で、なんとか開けましたが、しばらくはシャーシパンチにふれたくありません。正面側加工面ですが、わずかにキズがつきましたが、許容範囲内です。

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さっそくパドルスイッチを取り付けてみました。

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取り付けは押し込むだけです。問題なく取り付けられましたが、接着等の回り止めは必要そうです。スイッチの黒ポチ側がオフの仕様で、少し違和感がありますが、隣に電源ランプがあるので良しとします。続いて電源ランプを取り付けてみます。前回までのDCアンプ電源改造で使った電源ランプは構造上、上から見て点灯状態がわからなかったため、以前使っていた凸型ランプに戻しました。φ6.0mmで穴開けしましたが、胴体にM7のネジが切られているため、後加工が必要です。ヤスリで穴径を拡大して取り付けができました。

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最後にハンドルを取り付けます。いつもの様に角パイプ取り付け用の金具の流用です。今回は左右ともに、後加工なしで取り付けができました。当たり前の事ですが、なんかうれしいです。

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部品取り付け状態のフロントパネルの全景は、本記事のアイキャッチ写真を参照ください。次回はリアパネルの加工を行います。

 

つづく(製作編2)

EL34ppパワーアンプ製作2(設計編2)

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設計編2

アンプ回路見直し結果のまとめと電源回路の見直しおよび、使用部品の整理とシャーシ設計を行います。

アンプ回路見直し結果

前回の記事で次回はシャーシ設計としていましたが、アンプ回路の見直し結果の紹介がが漏れていましたので、その紹介に続き電源回路の見直しを行います。アンプ回路の見直した点は、以下のとおりです。

・入力抵抗を10KΩに変更

・抵抗の容量の見直し

・回路番号の振り直し

見直した回路図は以下のとおりです。

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電源回路確認

続いて電源回路を見直します。現行のEL34ppアンプの電源の回路図を再掲載します。

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電源回路の見直した点は以下のとおりです。

・C電源出力の電解コンデンサ削除

・ドライバトランジスタ在庫の活用(2SC3039への変更)

・抵抗の容量の見直し

・回路番号の振り直し

見直した結果を回路に反映しました。

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部品準備

上記の回路見直し結果に従って部品表を作成し、在庫のない部品の発注を行いました。参考として部品表を掲載します。

■アンプ部品表(片チャンネル分)

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■電源部品表

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アンプ部品表の段間のカップリングコンデンサC03とC04ですが、海神無線の販売サイトを確認したところ、回路図上の0.47uF/400V品が欠品していた為、部品表上は0.82uF/400V品としています。スコーカーチャンネル用なのでできれば元に戻したいと考えています。在庫対応部品の価格も現時点の価格を入れようとしましたが、価格確認のできない部品があったために削除しました。在庫対応部品の単価は高くないので総額への影響は小さいとおもいます。発注部品の総額は約7万円とそれなりの金額となりました。冬のボーナスを当てにして発注をかけていきます。

パネル設計

従来の設計を基本的に踏襲します。参考に1号機のパネルの加工図を掲載します。

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製作当時を思い出すと、やすり加工が多く、パネル加工=やすりかけのイメージでした。その1番の要因が、現物から寸法を起こしたXLRパネル加工部です。その後何回も製作を繰り返し、その度に寸法を見直したので、最新の寸法データで書き換えます。2次元CADも使い始めたばかりで、込み入った形状を作図できず、ヒューズホルダも丸穴で、回り止めができていません。これも最新のデータで書き換えます。スピーカーターミナルは、寸法自体が間違っていたので修正し、さらに回り止めを追加しました。他にもいろいろありますが、パネル別に変更点を整理します。

■フロントパネル

・電源スイッチをパドルスイッチに変更

・ハンドルの追加

■リアパネル

・XLRパネルコネクタ寸法見直し

・スピーカーターミナル寸法見直し+回り止め追加

・ヒューズホルダ寸法見直し

・ハンドルの追加

上記をパネル加工図に反映しました。

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この修正で図面がだいぶ見やすくなりました。

シャーシ加工図

これも1号機の図面を再掲載します。

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自分で書いたものの位置が図面上から読みとれない部分があったり、無駄に位置の指定が多かった入りと、理解に苦しむ出来です。この図面を元に2号機の加工図面をつくり直しました。変更点は以下のとおりです。

・終段真空管用の放熱穴の追加

・理解しやすいように寸法指示の変更

修正図面も決して良いとは思いませんが、元が悪すぎた為に修正にかなり時間がかかってしまいました。修正図面は以下のとおりです。

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これ以外にも、縦型ラグ板の取り付け穴が必要ですが、組立ながら現物合わせで対応したいとおもいます。次回は部品の寸法を現物確認した上で、シャーシ加工を開始します。

 

つづく(製作編1)

EL34ppパワーアンプ製作2(設計編1)

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設計編1

先に設計製作したEL34ppアンプの設計を見直します。

アンプ回路図の見直し

あらためて現行のEL34ppアンプの回路図を掲載します。

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この回路を2号機用に見直します。

初段差動アンプ

初段は双三極管12AX7を使った差動アンプ構成です。カソード電流は1.5mAの定電流ダイオードを使って定電流化して差動アンプを理想動作に近づけています。入力抵抗は47kΩと他のアンプに比べて高くなっているので、どの程度影響があるかわかりませんが今回は10kΩに下げたいとおもいます。次に初段の利得を計算してみます。下記等価回路の真空管アンプの利得は以下のとおりとなります。

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Gain = μ x RL / (RL + rp)

設計したアンプの負荷抵抗は150kΩですが、終段の入力抵抗が並列に接続される事となるので、交流の負荷インピーダンスはおおよそ100kΩとなります。(150Kと330Kの並列)12AX7のμは100、内部抵抗rpは80KΩ(プレート電圧100V時)なので初段のゲインは以下となります。

Gain = 100 x 103E3 / (103E3 + 80E3) = 56(E3はx10の3乗)

参考としてプレート電圧250V時のゲインの計算式も掲載します。

Gain = 100 x 103E3 / (103E3 + 63E3) = 62

初段回路の無信号時のプレート電圧は約160Vなので、ゲインは上記2式の間の値となります。続いて現行アンプ設計時の初段のロードラインを確認します。

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見直した結果そんなにおかしな点はありませんでしたが、修正版を参考に掲載します。ポイントは、バイアス設計時は、終段入力抵抗は無視してRL=150KΩとし、交流設計時はRL=103KΩとする点でしょうか?

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上記で計算した利得と、ロードラインから読みとる利得は計算値とほぼ同じとなっています。

終段プッシュプルアンプ

終段も呼び方は異なりますが、初段と同じ差動アンプ構成です。違いは入力段のバイアス調整回路と、負荷が抵抗からトランスを介したスピーカーとなっている点です。ソフトンのトランスは、スピーカーインピーダンス6Ωに対して5KΩなので、8Ωのスピーカーに対して、約6.6KΩの負荷となります。終段はプッシュプル構成の為、その時の負荷は2倍となるので、終段の負荷インピーダンスは3.3KΩと考えます。終段は5極管(EL34)を3極管接続して使っています。利得を計算するために仕様書を見ても3極管接続時の定数は掲載されていません。いろいろと探したところ、ありました。私の真空管アンプ設計のバイブル「情熱の真空管アンプ」の付録にEL34の3極管接続時の実測パラメータが掲載されていました。gm=8.7mS,μ=8.7,rp=1KΩ(プレート電圧300V時)これを使って利得計算すると以下となります。

Gain = 8.7 x 3.3E3 / (3.3E3 + 1E3) = 6.7

次は現行アンプのロードラインです。

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特に見直す必要はなさそうです。このロードラインから利得を読みとると約6倍で、上記の結果とそこそこ合っています。

総合利得

出力トランスは巻き数比で利得が下がります。巻き数比はルート(6Ω/5KΩ)で求められます。結果は0.034倍です。従って総合の利得は以下のとおり計算できます。

Gain = 56 x 6.7 x 0.034 = 12.7 (22dB)

利得実測

せっかくなので、現行アンプを使って各段の利得を再測定してみました。テストディスクの1KHz/0dBトラックを再生し、8Ωのダミー負荷を接続したアンプに入力して波形を観測しました。各点の波形はHotチャンネルをGND基準で観測しています。出力が1Vppになるように入力レベルを調整しました。下記の波形は黄色が入力波形で青が出力波形です。

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上記を含めた観測ポイントは以下のとおりです。

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左右ともにHotチャンネルの観測を行い利得をまとめてみました。

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測定値は設計値に近く、真空管は選別品を購入した為、L/Rチャンネル間のゲインもほぼ同じとなっています。次回はシャーシ設計の確認を行います。

 

つづく(設計編2)

2019東京インターナショナルオーディオショウ(番外編37)

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番外編37

今年もいってきました、東京インターナショナルオーディオショウ。

概要

昨年の開催は11/16~11/18でしたが、今年の開催はやや遅く11/22~11/24でした。私は雨の中、11/23に東京国際フォーラムに行ってきました。今回は第37回で奇しくも本記事の番外編Noと同じです。出展は全33社で200を越えるブランドが展示されたとの事です。

Fostex

ここ何年か連続で訪れていて、少々マンネリぎみの感もありましたが、今回はフォスター電機70周年記念モデルのFostex FE103Aを見て、聴いてくる事が一番の狙いです。会場に着くなり、フォスターのブースに直行しました。すでに試聴は始まっていましたが、予想通りFE103Aのデモです。

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FE103Aは、10cmフルレンジユニットでありながらペアで70,000円もする高級ユニットです。ペアで木箱に納められていてプレミアム感を高めています。

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磁気回路は今ではめずらしいアルニコマグネットを使用した内磁型です。

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説明によると、スピーカー用のアルニコマグネットをつくってくれる国内メーカーは1社もなく、今回は中国メーカーのものを採用したとの事でした。フレーム以外の金属部品は、この製品用におこし直していて、価格を押し上げている要因との事でした。700セット限定なので購入の迷いは禁物です。説明員の方にこっそり聞いたところ、価格が高いので迷われている方が多く、聴いてみてからの判断とおっしゃる方が多いとの事でした。スタンダード品にはセンターキャップに穴がない事を聞いてみたところ、最初は穴なしで開発をスタートしたとの事ですが、大型のフェライトマグネットに比べて力が弱く、圧力の影響を逃がすために開けたところ、特性にピークは出たものの、耳につく共振が分散して聴感上良かった為、採用に至ったとの事でした。

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到着時点のデモは、FE103用の小型のバスレフ方式のエンクロージャーに取り付けられて演奏が始まっていました。非常にバランスのいい鳴りっぷりです。途中から、音圧を上げない程度にスーパーウーハーを追加しての演奏に切り換えられました。カットオフ40Hzで帯域補完との事でした。正直なところ、私はなくともいい感じがしました。11時のコマでは、このユニット専用に開発されたエンクロージャYK103Aに取り付けられてデモが行われました。

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このエンクロージャの発売は12月で限定100ペア、価格は140,000円です。ユニットを含めた価格はペアで210,000円となりそこそこの価格帯に入ります。両サイドはスモークのアクリル板が採用されている為、スピーカーユニットを外から眺める事ができます。

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中を見せるためには吸音材を減らす必要があり、吸音材を減らす為には定在波を減らす必要があります。定在波を減らす為に、上から見ると台形の形状としたとの事でした。当初はバッフルもアクリル板が検討されたとの事ですが、音が悪いとの意見で現状の仕様となったとの事です。10cmフルレンジを思わせない鳴りっぷりで、プレミアム品である事を考慮すると買ってみる価値ありと思いました。

TAD

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今回は、TADのアンプとスピーカーの最新フラグシップモデルのデモでした。スピーカーは、3wayフロア型のTAD-R1TXです。発売は2019年7月でペアで10,000,000円もします。アンプはTAD-M700で、BTL方式モノラルパワーアンプです。定価は3,200,000円(ステレオ分で6,400,000円)で2019年12月発売です。

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ツイーターとスコーカーにベリリウム蒸着のダイヤフラムが引き続き採用されています。ウーハーには大型のネオジウムマグネットが採用され、前機種よりもダンパーを弱くして低レベル時のレスポンスを改善させているとの事でした。

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私の参加したコマではアンプの説明はありませんでしたが、カタログから情報をピックアップしてみました。BTL構成の350W/8Ωのモノラルパワーアンプで、入力回路のFETは匠の手による選別ペア品が使われていて、終段にはマルチエミッタトランジスタが採用され、さらに超大型電源トランスが採用されています。最大出力こそ大きく違いますが、私の自作パワーアンプの設計と共通の思想を感じました。スピーカーも私の理想に近い仕様となっています。説明は昨年同様に長谷さんを期待していましたが、育成目的との事で、若手エンジニアが担当されていました。正直なところ私が代わってあげたい気持ちになりましたが、今後に期待したいとおもいます。デモの選曲は昨年同様に私の好みにマッチしていて、私は勝手に長谷さんによるものと思っていますが好感がもてました。音も私の好みに近く好印象でした。システムの価格を考えると、こんな感想を書く事自体失礼な事なのかもしれませんね。次回はEL34ppパワーアンプの製作に戻ります。

 

おわり(番外編37)

EL34ppパワーアンプ製作2(構想編)

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構想編

マルチアンプシステムのスコーカーチャンネル用にEL34ppパワーアンプの製作を構想します。

マルチアンプシステム

前回までのA級BTL DCパワーアンプ電源改良の中でも説明しましたが、このシステムの中で唯一、バランス動作をしていない部分がスコーカーチャンネル用のEL34Singleパワーアンプです。

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このアンプは単体で使用した際に音楽性豊に鳴った事が気に入り、現在はスコーカーチャンネル用に使用しています。入力は差動アンプを採用し、出力トランス2次側もバランス出力していますが、唯一出力管がパラレルシングル動作となっています。

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バランス押しの私としては、全てをバランス駆動させてその音を聴いてみたいと思った事と、先日のA級BTL DCパワーアンプの電源改造で、スコーカーチャンネルが負けている印象を受けた為に、製作を構想する事にしました。

現行のEL34ppパワーアンプ

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このアンプはオーディオ趣味復帰後の大物製作の初号機で、大学の先輩から真空管アンプの自作を進められて、一から勉強して設計製作したものです。最初の設計の割には、特性も良く、音も気にいっていて、真空管ヘッドフォンアンプ製作記事の中で確認しましたが、無帰還にもかかわらず、ヘッドフォンの使用にも耐えるノイズ特性でした。久しぶりのパワーアンプ設計&製作だった為に、細かな点で設計を見直したい事もあり、改めてEL34ppパワーアンプを製作してみる事にしました。

設計の見直し項目

回路はそのまま踏襲する方針とします。但し、使用する部品はその後の製作で採用した部品を展開して入手性と組立性の改善をしたいとおもいます。またアンプを運用してわかりましたが、終段のEL34の発熱量が想像よりも多く、放熱の対策を追加したいと思います。現時点で考える変更点を列記してみました。

・基板配線接続を基板ポストから端子台に変更

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・高耐圧バイポーラトランジスタは在庫で対応

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・EL34の放熱対策としてシャーシに穴を追加

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・無帰還前提でラグ端子板の使用を見直す

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他にも出てくる可能性がありますが、柔軟に対応したいとおもいます。

懸念事項

オリジナルの製作のタイミングは、現時点より4年近く前の2016年1月頃です。少なくとも、Key Partsが現時点でも購入できるか心配となり下記部品についてあたってみました。

・ソフトン出力トランス

 購入できそうです。

・ノグチ電源トランス

 秋葉原の店舗が2018年9月末に閉まり、その後ゼネラルトランス販売が販売を引き継いでいる事が確認できました。結論としては購入できそうです。

・リードのケース

 当時は若松通商で購入したので確認したところ、受注品となっていました。仕方がないので他を検索したところマルツオンラインに在庫が2台ある事を確認しました。

前回の製作後、消費税も上がり、材料費もあがっている事から総じて価格は高くなっていますが仕方ありません。

オリジナルの回路

下記が現行のEL34ppアンプの回路図です。

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初段は双3極管12AX7を使った差動アンプです。比較的μが大きいので2段構成の初段に適しているとおもいます。差動アンプのカソード電流を定電流ダイオードで定電流化して差動アンプを理想状態で動作させています。終段の入力部には、バイアス電流調整回路を入れていますが、半固定抵抗の接点劣化時を想定して複雑な回路としています。出力管はEL34を3極管接続で使用しています。出力は2次巻き線のセンター電位をGND接続してバランス出力しています。続いて電源回路です。

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B電源は、高耐圧のバイポーラトランジスタを使ったリップルフィルター構成です。バイポーラトランジスタダーリントン接続してhfeをかせいでいます。C電源は5V用のヒーター巻き線を使って-5Vをつくっています。次回は、この回路を前提に設計を確認します。

 

つづく(設計編1)

DCパワーアンプ電源改良(まとめ編3)

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まとめ編3

1m版の5芯電源ケーブルを製作して音聴きをして、今回の設計データのまとめをします。

5芯電源ケーブル製作

前回間違えて0.75sqの5芯ケーブルを買ってしまい、電線の製作ができなかった為、改めて0.5sqの5芯ケーブルを発注しました。製作の余りで1本分は作れるので、残り1本分の1mを発注しました。ケーブル1mが133円で、送料が770円と複雑な気分です。かと言って沢山買っても余らせるだけなので仕方ありません。翌週末までに無事ケーブルが届きました。7本目の製作となるので、惰性の領域です。

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CDプレーヤー故障

実は1m版3芯ケーブルの音出しをしている際に、突然音が途切れてしまいました。CDプレーヤーを見たところ、「Error」の表示が出ていました。その後ディスクを入れ直しても「No Disc」表示となるだけでディスクの認識をしません。

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2008年に実家からNS-1000Mと自作DCパワーアンプを引き上げた時に購入したもので、十分使ったので仕方ないとおもいます。故障後の音出しは、ディーガ(ビデオレコーダー)HDMI出力→音声光ディジタル変換→USB DACで対応しましたが、安定性に欠ける為、新たにCDプレーヤーを購入する事にしました。マスタークロック入力付きのCDトランスポートが希望でしたが、普段から選定していたわけではなく、手頃な物が見つけられずに、今回もデジタル出力付きの普及モデルを購入しました。マランツのCD-6006/FNです。

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ケーブル1m版音の印象まとめ

製作したケーブルに換装しました。3芯と5芯ともに1m版に変更した為、配線はすっきりしました。

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音は、ベースの音がより明瞭になり、中域は厚みが増した印象です。さらに4.5m版のケーブルに戻しにくい状況となってしまいました。今回の改造で感じた事は、1000Mのウーハーをパワーアンプが忠実に駆動している印象です。ハンパなアンプを使った場合、鳴らされている感を伴いますが、そんな印象はありません。BTL駆動している事で、スピーカーの駆動電流がGNDに流れ込まないために、アンプの入力段が設計的に負荷電流の影響を受けない事も寄与していると思います。今回の改造後の再生音は電源の改良も相まって、よりダイナミックな演奏となった印象です。言い過ぎかも知れませんが再生するそれぞれのCDの録音時の気の使い方が聴き分けられる感じになり、スタジオのモニターの音は聴いた事がありませんが、その音に近づける事ができた感じがしました。

設計データまとめ

■電源回路

ここからは最終的な設計情報をまとめて掲載します。最初は電源回路(片チャンネル分)です。図中のコネクタより左側が電源トランスユニットで、右側がアンプユニットに搭載されています。

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■アンプ回路

アンプ回路上の変更点は、電源ラインに入っていた100uFの電解コンデンサの削除のみです。

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■電源トランスユニット加工図

大型の電源トランスを納める為、直近の製作では1番大きなケースを選定しました。タカチ電機工業のOS133-32-33SSです。

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■アンプユニットパネル加工図

今回もリアパネルのみタカチ電機工業のカスタマイズサービスを利用しました。尚、使用したケースは、オリジナルと同じタカチ電機工業のHY133-23-33SSです。

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まとめのまとめ

今年の夏休みは働き方改革の一環で、強制有給休暇取得日が設定された為、9日間となりました。その夏休みの工作として8月の初めから改造検討をスタートしましたが、約2ヶ月半かかりました。完成後は、久々に沢山音楽を聴きました。記事の中で触れたのでお気づきの方もいるかと思いますが、このシステムで1点気になる点があります。その気になる点については次の課題としたいと思います。長い間おつきあいいただきありがとうございました。

 

おわり(まとめ編3)

DCパワーアンプ電源改良(まとめ編2)

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まとめ編2

完成したユニットをシステムに組み込んで音を聴いてみます。

システムへの組み込み

アンプユニットと電源トランスユニット間のケーブル長は4.5mとしましたが、最初の音出しでは、各ユニットを並べて配置しました。この為電源供給用ケーブルはユニット間でトグロを巻いた状態です。

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他の配線は従来どおりです。マルチアンプシステムの各ユニットには最低限の保護回路しか実装していないので、システムの電源はソース側から順にオンしていきます。最後にアンプユニットの終段の電源をオンしました。採用した終段用電源トランスの構造起因か、トランスの唸りはほとんど聞こえません。電源トランスユニットに耳を近づけると僅かに聞こえる程度です。

音出し

最初の音の印象は、中低音がすっきり聴こえました。いつものCDを聴いていますが、普段再生するボリューム位置よりも1ステップ上げて聴きいています。

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経験上、音量を上げて聴きたくなる時は総じて余分な音が出なくなった時と考えています。弦楽器のファンダメンタルの分離がいい感じで、従来あまり気に留めていなかった音が聴こえます。再生するCDの楽曲によっては、厚く低音を再現します。CD本来のポテンシャルを以前よりも素直に引き出している印象です。ここまでCDを何枚も聴いてきている中で、トランスの唸りはリッスニングポイントで全く聞こえません。欲が出てしまい、電源供給ケーブルを短くして聴いてみたくなりました。

電源ケーブル追加製作

オリジナルで製作した電源ケーブルは4.5mです。これに追加して1mの電源ケーブルを製作します。3芯電線は製作の余りでつくれそうですが、5芯ケーブルは足りないので追加発注をしました。合わせてXLRコネクタも発注しました。2種類の電源ケーブルについてまとめてみました。

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表に示すとおり、ピン配置は各電源ラインの抵抗値の影響を受けにくくしたつもりですが、それでも影響が気になります。翌週末に無事全部品がそろいました。早速3芯ケーブルから製作を行います。1度製作しているので、効率的に製作が進められます。

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前回の製作時にブッシングのねじ込みに苦労したので、工夫をしてみました。ケーブルをブッシングに通した際に異物の進入を防ぐためにブッシングの穴の部分のモールドがケーブルに被さります。

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ケーブル径が大きくなると被さる量が増えて、ねじ込み時の負荷増につながります。試しにカットしてみたところ、楽に締め込みができました。

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続いて5芯ケーブルの作成しようとしたところ、電線の径を1サイズ太い電線径0.75sq品を注文していた事に気づきました。XLRコネクタの対応ケーブル径の上限はφ8.0に対して購入したケーブルはφ8.2です。コンマ2くらいはなんとかなるだろうと作り始めましたが、ブッシングのねじ込みができず、最後にはブッシングのネジがバカになってしまいました。

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5芯ケーブルの製作は次週に持ち越しとして、製作済みの3芯ケーブルのみ交換して音を聴いてみることにしました。

3芯1mケーブル音聴き

3芯ケーブルのみ交換したところ、とぐろの巻き具合がやや改善しました。

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最初の音の印象は、スケール感が大きくなったように感じました。バスドラのアタック音がよりリアルになり、ベースの重心が下がった印象です。この音の差を体感してしまうと、多少のトランスの唸りは我慢してしまいそうです。次回は5芯ケーブルの1m版の作成&音聴きと、設計データのまとめをします。

 

つづく(まとめ編3)