安定化電源性能改善(試作編2)

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試作編2

試作した+電源の通電確認の続きを行い、続けて性能確認を行います。

試作基板おさらい

本題に入る前に、試作した基板を整理します。購入したVRの定数を間違えたため試作基板の回路は以下となっています。

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オペアンプの位相補償用のコンデンサC5は現時点では実装していません。この回路にユニバーサル電源から16.9Vを供給して通電確認を開始しました。前回記事の最後の状況は、出力が約300KHzで発振していて、かつ出力電圧調整用のVRも機能していませんでした。

発振対策

一旦電源を切り、オペアンプの位相補償用に手持ち在庫の関係から手始めに150pFを付けてみました。電源オンして出力波形を確認します。

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対策前は、約300KHzで発振していましたが150pF追加で136KHzに変化しました。容量アップで対策できそうな感触です。手持ち在庫で150pFより1サイズ容量の大きな物は1000pFでした。これを試してみます。実装して電源オンするときれいに発振波形はなくなり、出力電圧調整もできるようになりました。1000pFはハンダ面に取り付けています。

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写真右手の抵抗については後で説明します。VRまわりの回路変更時に気になっていた、出力電圧の調整感度も問題ありません。せっかく購入したVRを無駄にしたくない事と、抵抗2本の実装が省けるので、常用基板もこの回路構成としたいとおもいます。この時の各部の電圧は以下のようになっています。

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矩形波応答

性能改善項目1の矩形波応答の確認を行います。矩形波状の電流を流すために「安定化電源の製作」記事で紹介したジグを使用します。回路は3ブロック構成となります。

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3ブロックはそれぞれ正電源用の負荷回路、負電源用負荷回路、ゲイン10倍のプリアンプです。これを下記のように接続して観測を行います。

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負荷電流は、波高値70mAと10mAの1KHzの矩形波とします。ジグの負荷抵抗は50Ωなので電圧換算すると3.5Vと0.5Vとなります。性能改善されている事を期待しつつ電源オンしてみます。

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黄色のラインが電源出力をACカップルしたゲイン10倍のプリアンプを通して観測したもので、青色のラインが負荷抵抗印加電圧です。サンプリングの関係から過渡応答波形のピークが取れないので、オシロのトリガレベルを調整して負荷電流の立ち下がりと立ち上がりのピークレベルを個別に観測しました。左が立ち下がり時のピークを、右が立ち上がり時のピークを示しています。過渡応答レベルは立ち下がり時が360mV、立ち上がり時が376mVと現行の電源に比べて大幅に悪化しています。立ち下がり時の応答波形を拡大して観測してみます。

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今度は青のラインが電源出力をACカップルしたゲイン10倍のプリアンプをとおしてみた波形で、黄色のラインが誤差アンプ(オペアンプ)出力波形です。この波形の特徴は、応答の遅れによる電圧変動となっています。回路図をじっと眺め、まずはベース抵抗の1KΩを変えてみる事にしまた。試しに1KΩのベース抵抗に470Ωをパラで仮付けしてみます。先に掲載した発振対策のコンデンサの写真右手に写っている抵抗がパラで仮付けしたものです。この場合の波形は以下のとおりです。

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抵抗追加により360mVの過渡応答が約132mVに改善しました。対策としてはビンゴでしたが、現行基板の72mVには及びません。改善のメカニズムはオペアンプの駆動力が1KΩの出力抵抗で制限を受けて、トランジスタのCobの影響を大きく受けていると考えられます。さらに抵抗値を下げてみます。写真は47Ωをパラに追加した時の波形です。

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過渡応答レベルは約53mVまで改善しました。だめ押しでさらに10Ωまで下げてみました。

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過渡応答レベルは44mVまで下がりました。同時にオペアンプ出力の電圧変動も下がっています。ベース電流がいっしょなのでベース抵抗を下げた分だけオペアンプ出力のレベル変動も下がっています。途中の確認結果も含めて効果をグラフにしてみました。

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横軸が抵抗値で縦軸が過渡応答電圧です。効果をわかりやすくするために、抵抗値軸を対数表示としています。この結果からオペアンプ保護にはあまり意味はないとおもいますが、ベース抵抗は10Ωでいきたいとおもいます。この状態で負荷電流立ち上がり時の波形を観測しました。

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過渡応答レベルは立ち下がり時よりもやや大きい約65mVとなっていましたが、良しとしたいとおもいます。

次回は、出力インピーダンスの周波数特性の確認を行います。

 

つづく(試作編3)

安定化電源性能改善(試作編1)

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試作編1

オペアンプを誤差アンプに使った安定化電源の設計が終わったので性能検討用に試作を行います。

試作方針

前回の安定化電源の製作は、ほぼ作りっぱなしで性能改善検討はしませんでした。今回は、性能改善が目的なので初めに性能検討用に試作を行い、狙った特性の確認ができた時点で常用するための電源基板を新たに製作します。最初に+電源を試作し、性能確認および検討を行います。続けて同じ基板上にー電源を試作し、性能確認と検討を行います。

+電源の試作

試作電源基板への電力供給は、ユニバーサル電源で行う為、常用する電源基板の初段に搭載する全波整流回路は搭載しません。性能改善検討を考慮して実装密度を下げて作業性を上げたいとおもいます。最初に放熱器と入出力の端子台の配置を決めます。残りは実装しながら決めていきます。上から見て、基板右側を+電源用とします。入出力端子台は+とー電源用で共用するため、3極品を基板の長辺のセンターに配置しました。放熱器は出力用端子台側の+電源用エリアセンターの配置としました。

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放熱器は1本ボスタイプなので、ユニバーサル基板のスルーホールを広げて装着できる用にします。スルーホールを広げるために2mmのドリルの刃を使っていますが、2mm径では穴が大きすぎて、放熱器の固定にガタがでます。次回の製作までにさらに径の細いドリルの刃を調達したいとおもいます。放熱器は輸送等の振動が加わる事がないので放熱器に取り付けたトランジスタの足のみで固定します。次に、入出力端子台間のGND配線を行います。これを実装の起点とします。

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次にベース抵抗と、オペアンプのソケットを実装します。オペアンプのソケットの位置は、ベース抵抗の配線とオペアンプのGND配線を考慮して決めました。配線の都合でオペアンプは回路2(5,6,7pin)を使用する事にしました。残りのオペアンプ回路1は、ボルテージフォロワ構成(1pinと2pinを接続)として3pinに回路2と同じ信号(電源出力の分圧)を入力しておかしな動作をしない用に処置をしました。

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次にオペアンプ用のパスコンと出力電圧調整用のVRを実装します。あ!またやってしまいました。VRは500Ω品を買うところを、5KΩを買っていました。どうしようかしばし考え、調整の感度が気になりますが、VR両端の抵抗を削除してVR1発の調整回路に変更します。購入したVRの定格電力は0.5W/70℃なので、今回の構成としても電力上の問題はありません。

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残りのCRD、ツェナーダイオード、出力の補償回路を実装して完成です。尚、オペアンプのー入力と出力間に入れる位相補償用のコンデンサは取り付けていません。通電時に様子をみながら定数を決定するつもりです。

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半田面はこんな感じです。1本だけ被覆ジャンパー線(オペアンプの負荷抵抗10KΩのGND配線)を使用しました。

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最後にオペアンプを装着します。

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ここのところミスが多いので入念に配線の確認を行いました。特に問題はなかったので通電確認をします。

通電確認

電源は、ユニバーサル電源から少し高めですが16.9Vを供給します。各部の電圧確認ができるようにマルチメーターをセットアップします。出力はポケットオシロで波形モニタができるようにしておきます。初めての通電はいつも緊張しますが、とりわけ電力を扱う回路の通電はなおさらです。覚悟を決めて電源オンしました。過電流保護も働かず、特段変化はありません。しかし、オシロの画面には発振波形が表示されていました。周波数は約300KHzです。

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作りっぱなしではこんなものでしょうか?試しに出力電圧調整用のVRを回してみましたが、出力は全く変化しませんでした。次回は発振対策から通電確認の続きを行い、その後性能確認を行う予定です。

 

つづく(試作編2)

安定化電源性能改善(設計編1)

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設計編1

前回の記事で構想した誤差アンプにオペアンプを使った安定化電源を設計します。

基本回路

現行回路のトランジスタ1発の誤差アンプを単純にオペアンプで置き換えます。基本回路は以下のようになります。

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この回路の設計及び動作概要は以下のとおりです。

1)安定化電源定格出力時に、オペアンプ-入力端子電圧が+入力端子電圧と同じになるように出力の分圧比と基準電圧を設定します。

2)安定化電源出力が変動すると、オペアンプのゲインは高い為、+と-の入力端子電圧が同じになるように動作し、出力変動が抑え込まれます。

回路設計

基本回路の定数決定および部品選定を行います。今回の用途では、+/-の両電源が使用可能ですが、片電源のみの構成もとれるように、誤差アンプ用に単電源用のオペアンプを選定します。オペアンプ+入力端子の基準電圧はツェナーダイオードの在庫の流用を考えて9.1Vとしました。ツェナーダイオードには最低でも5mAは流したいので、CRDを5.6mAとしました。定格出力時のオペアンプの-入力端子が9.1Vとなるように、バイアス電流も考慮してR3=1.2kΩ、VR1=500Ω、R4=4.7KΩとしました。この時のバイアス電流は約1.9mAとなります。以上を回路図に反映しました。他定数は現行安定化電源の定数を踏襲します。

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トランジスタの選定

トランジスタのCobの等価回路は以下のとおりです。

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このトランジスタのベースを駆動する場合、常にCobの充放電が伴います。強制的に駆動する場合、駆動の安定度を考慮すればいいですが、ダーリントン接続等、トランジスタ1発で駆動する場合、充放電の一方が自身のベース電流とCobの充電時の時定数で高域の特性が決まってしまいます。この影響を減らすためにCobの小さなトランジスタを選定します。「安定化電源の製作」記事でも触れたとおり、手持ち在庫に手頃なもの(2SC3422)があったので、これを使用したいとおもいます。下記は現行の安定化電源で使用しているドライバ2SC3581との特性比較表です。

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2SC3422は、今回気になる特性全てにおいて現行品に比べて勝っています。(表中の2SC3422のhfeは最小値を掲載しています)

オペアンプの選定

今回の用途に最低限要求される仕様を整理してみました。

1)単電源動作が可能な事

2)ゲイン(GB積)が十分大きい事

まずは手持ちの単電源用オペアンプの在庫を確認してみます。以前何れ使うだろうと購入しておいたNJM2904Dです。特性は以下のとおりです。

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正直、あまり使ってみたいような特性ではありませんでした。このオペアンプ設計が古いためか、データシートに等価回路が載っていました。

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出力段は一応コンプリメンタリ構成となっています。他にいいものがないか、秋月電子の通販サイトを検索してみました。見つけた候補はNJM2742Dです。(アイキャッチ写真参照)手持ち在庫のNJM2904Dと特性比較をしてみます。

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NJM2742Dの特性は最新オペアンプと比較すると見劣りしますが、我慢できるレベルなので、今回はこれを使ってみたいとおもいます。以上の選定結果を回路図に反映しました。

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マイナス電源回路設計

マイナス電源回路もプラス電源回路と極性が異なるだけで、回路構成は同じです。

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電源出力は電流が流れ込む事になり、プラス電源回路と見方を完全に切り替えないと頭が混乱します。マイナス電源の動作も簡単に整理します。

1)負荷電流が減少し、出力電圧が下がるとオペアンプマイナス入力電圧が下がりオペアンプ出力が上がります。ドライバのベース電圧が上がり出力電圧が上がる方向に制御されます。

2)負荷電流が増加し、出力電圧が上がるとオペアンプマイナス入力電圧が上がりオペアンプ出力が下がります。ドライバのベース電圧が下がり出力電圧が下がる方向に制御されます。

部品の選定

オペアンプはプラス電源と同じ物を使用します。電源のプラス端子にGNDをマイナス端子に-16Vを入力する予定ですが、特に問題はないでしょうか?トランジスタは、プラス電源とコンプリメンタリ品の2SA1359を使用します。現行の安定化電源で使っている2SA1488と特性比較をします。

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これも今回気になる特性は全てにおいて現用のトランジスタに比べて勝っています。これら選定結果を回路図に反映しました。

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これで設計が完了しました。次回は特性検討環境準備の為の試作を開始します。

 

つづく(試作編1)

安定化電源性能改善(構想編)

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構想編

「安定化電源の製作」記事で安定化電源の設計、製作を紹介しましたが特性改善の余地を残していたので検討します。

チャンネルデバイダ用電源

「安定化電源の製作」記事(2017-11-10~2018-01-23)で、3方式(低電圧方式、ディスクリート安定化電源、三端子レギュレータ式)の電源を製作し、音質の比較を行い、最終的にチャンネルデバイダの電源にディスクリート安定化電源を搭載しています。その際に、3方式の特性比較を行いましたが、安定化電源の特性に改善検討が必要な点を残していました。

現行安定化電源の課題

当時の記事の測定結果を振り返ってみます。

1)矩形波応答

下記の波形は、負荷電流を矩形波状に振った際の安定化電源出力をモニタしたものです。矩形波のそれぞれの電流値は、70mAと10mAです。

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青のラインが出力電流を、黄色のラインが出力電圧変動を10倍に増幅したレベルを示しています。電流の立ち下がり時に大きな出力電圧変動(720mV /10=72mV)が発生しています。出力電流の立ち下がりと立ち上がり時のレベルを拡大してみてみます。

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左が電流立ち下がり時、右が電流立ち上がり時のものです。左の波形は、電流減少に過度に応答し、一旦電圧が下がってしまい、その後の電圧復帰に時間がかかっています。このような負荷変動は音楽を聴いている範囲では起こらないとおもいますが、あまり気持ちのいいものではないので改善させたいとおもいます。

2)出力インピーダンス周波数特性

グラフはマイナス電源の出力インピーダンスの周波数特性の測定結果です。

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茶色のラインは三端子レギュレータ版、青がディスクリート安定化電源、ピンクが定電圧電源の測定結果で、現行のディスクリート安定化電源の出力インピーダンスは、可聴帯域全域で三端子レギュレータの結果よりも高くなっています。少なくとも同等レベルまで改善させたいと思います。プラス電源のインピーダンス比較結果も参考に再掲載します。

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三端子レギュレータの出力インピーダンスはご覧のとおり、3~4KHz付近に大きなピークが発生していました。この影響のためか、音はディスクリート電源の方が良く聴こえました。但し、200Hz以下ではマイナス電源と同じ結果となっています。

原因推定

図は現行の安定化電源の回路図です。

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オーソドックスなバイポーラトランジスタ式の安定化電源です。課題1の「矩形波電流立ち下がり時の過度応答後の復帰が遅い」の原因として以下が考えられます。

1.ドライバ段のバイポーラトランジスタのCobの影響で応答が遅れる

2.誤差アンプがトランジスタ1段のため電流正負の駆動がアンバランス

課題2の「出力インピーダンスの周波数特性が可聴帯域内で高い」の原因としては以下が考えられます。

3.誤差アンプがトランジスタ1段のためゲインが低い

これらの改善検討を行います。

対策検討

1項は、ドライバ用のトランジスタにCobの小さい物を選択し、誤差アンプの駆動力を上げて、ダーリントン接続を止めてトランジスタ1段にしてみたいとおもいます。2項、3項は、誤差アンプをトランジスタ1発から、オペアンプに変更することを対策としたいと思います。2項に対しては、オペアンプの終段は通常コンプリメンタリ構成の為、正負の電流駆動力のアンバランスの改善を狙います。3項に対しては、十分なゲインを持つオペアンプの選定により改善を狙います。次回はこの構想に基づいて回路化を行い、部品の選定も行います。

 

つづく(設計編)

スピーカー周波数特性測定(測定編)

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測定編

測定環境の準備が完了したので常用システムのスピーカー周波数特性の測定を行います。

測定環境おさらい

前回までに準備した測定環境をおさらいします。スイープ信号は、「WaveGene」で生成した音声ファイルをPCで再生し、USB経由で常用システムのUSBDAC(DAC-1000)へ入力します。それ以降のスイープ信号の再生は常用システムで行います。スピーカーで再生されたスイープ信号をマイクロフォンで拾い、SoundBlasterへ入力してデジタル化してUSB経由でPCへ入力します。そのデータを「WaveSpectra」で解析します。簡単にブロック図を作成してみました。

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お試し測定

スペアナソフト「WaveGene」には再生機能もあるので、スイープ信号の再生も行うつもりでいました。設定画面を立ち上げて、「再生/録音」Tabを選択し、「再生」をUSBDACに相当する「デジタル出力(2-USB HS Audio Device)」を選択し、「録音」をSoundBlasterのマイク入力に設定しスイープ音声ファイルを指定して再生します。

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音声ファイルの保存フォルダに移動し、所定のファイルを指定します。この状態で再生ボタンを押すと再生を開始します。あれれ??録音の設定が無視されて再生ファイル自体のスペクトルデータが表示されてしまいます。設定を見直しましたが、特におかしな点はなさそうです。他に関連する設定がなさそうなので、これはソフトの仕様と考えて、別のPCにUSBDACのドライバをインストールして、再生と解析環境を独立させる事にしました。

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これでようやっと測定が行えます。マイクは、その昔Zライトの商品名で販売されていた電球スタンドのスタンド部分を応用したマイクスタンドを購入してスピーカーの正面にマイクをセットしました。位置はスコーカーの正面ややツイーター寄りとして、距離を約1mとしました。

測定

スイープ信号の再生にはMediaPlayerを使いました。常用システムのボリューム制御は、チャンネルデバイダのウーハー用ボリュームとスコーカー+ツイター用ボリュームの2つを調節します。

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簡易測定をしてその2つのレベルバランスをとった状態で最初の測定を行いました。結果は以下のとおりです。スコーカーが受け持つ帯域にやや特性の乱れが見えますが、部屋の反射波の影響と思われます。思いの他いい感じの測定結果となっています。

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マイクの特性は15KHzくらいからレベルが下がり始め、20KHzで5dB強下がっている事を考慮して測定結果を見直すと、高域は20KHzくらいまでほぼフラットな特性となっていると考えられます。

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心配したウーハーとスコーカーのクロスオーバー付近(500Hz)の特性の大きなディップはありませんでした。先に掲載したチャンネルデバイダの2つのボリュームにそれぞれ2カ所づつマークを貼っていますが、それぞれ音楽を聴く際のボリューム位置を示しています。2カ所あるのは、CDの録音レベルに大きなものと小さなものがあるので、それぞれのボリューム位置を示しています。次の測定は、その常用のボリューム位置で特性の測定を行います。そのままボリュームを設定すると音が大きくなりすぎるので、再生側のMediaPlayerのボリュームを調整しました。測定結果は以下のとおりです。

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先の測定結果に比べて、低域のレベルバランスがやや高くなっていますがほぼフラットな特性と言えるのではないでしょうか?

1000Mのネットワーク

先にも紹介したとおり、1000Mの各ユニットのクロスオーバーは、正相-正相となっています。気になるネットワーク回路ですが、ネット上の情報で以下のとおり確認できました。

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せっかくなので、ネットワーク回路からコイルを取り外してLCRメータで測定する事も考えましたが、購入から30年以上経過しており余計な負荷をかけたくなかったので、測定を断念しました。今回の確認では、正相-正相接続の工夫の確認はできませんでしたが、チャンネルデバイダーとオリジナルネットワークのクロスオーバーポイントの特性の乱れがない事の確認ができました。

 

おわり(測定編)

スピーカー周波数特性測定(準備編3)

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準備編3

周波数測定ソフトの動作確認を続けます。

WaveSpectra動作確認

前回、スペクトラムアナライザソフト「WaveSpectra」の動作確認を行いましたが、マイクからの信号がソフト側へ全く入力されませんでした。簡単にできる原因の切り分け方法を考えてみました。PCにミニジャック用のマイク入力が付いていることを思いだし、ここから信号入力をする事でソフト自体の動作確認をしてみる事にしました。しかしミニジャックのマイクがありません。仕方がないのでマイクの代わりにイヤフォンを使ってみることにしました。「設定」を起動し、「再生/録音」Tabから、「録音」のソースをPC内蔵マイク回路にに変更します。

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さっそく確認を行います。イヤフォンに向かってしゃべるたびにグラフが反応します。下記グラフは「peak」モードにして口笛でドミソド(のつもり)を吹いた時の結果です。後で調べてみましたが、ドは1046.5Hzなのでやや低めですが私の音感はそんなにずれていませんでした。

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測定ソフトは正しく動作している事が確認できました。ここでSound Blasterに、いくつかの入力がある事に思い至り、それらの切り替えをまったく考えていない事に気づきました。インストールされたアプリケーションを見ても入力切り替えを行うようなものは見あたりません。しばし考え、そういえばPCの内蔵回路への切り替えを行った方法と同様にできるのでは?と考え、設定画面の「録音」ソースの選択肢を確認してみました。最初の設定時には見落としていましたが、選択肢の中に「マイク(USB Sound Blaster HD)」を見つけました。これを選択すればソフトへの信号入力ができそうです。

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設定を切り替えて、先ほどの確認と同様に口笛を吹いたところ、正しく計測されていることが確認できました。心配していたファントム電源出力とSound Blasterマイク入力間の変換ケーブルも問題なかった事になります。

スイープ音源準備

続いて、スイープ信号の音声データを作成します。測定ソフトと同じ「efu's page」で公開されている「WaveGene」を使って作成します。私がダウンロードしたものはVer1.50です。実行前に一旦解凍します。

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このソフトも事前のソフトインストールが不要で、解凍ファイルの「WG.EXE」のダブルクリックのみで実行します。起動するとHelpファイルの参照方法を説明するダイアログがポップアップするので「OK」を押して閉じます。そうするとHelp画面がポップアップするのでこれも閉じます。下記がWaveGeneのメイン画面です。この画面で生成する音声データファイルの仕様を設定します。

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スピーカー測定に適した信号の仕様に関する見識がないので、「ハウツーIT」の紹介する設定を踏襲します。

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フォーマットは96000s/s, 24bit, 20Hz~40KHzを120秒でスイープさせます。スイープチェックボックス部を右クリックするとスイープのさせ方の設定のプルダウンメニューが表示されます。その周波数行にマウスを移動すると「Log」と「リニア」の選択肢が表示され、デフォルトの「Log」の選択を「リニア」に変更します。

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これで設定は完了です。あとは「waveファイルに出力」ボタンを押すとファイル保存画面がポップアップするので、保存フォルダへ移動し、ファイル名を設定して「保存」ボタンを押すと指定の音声データファイルが生成されます。生成したスイープ音声ファイルをWaveSpectraで再生してみました。図は再生時のスペクトルデータです。200Hz付近で若干のレベル低下がありますが40KHzまでほぼフラットな特性となっています。

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これで測定の準備がほぼ終わりました。次回は準備した環境を使ってスピーカーの周波数測定を行います。

 

つづく(測定編)

スピーカー周波数特性測定(準備編2)

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準備編2

購入したハードウェアのインストールと測定用のソフトウェアの準備を行います。

Sound Blasterインストール

購入したサウンドブラスターには、簡単な取扱説明書が同梱されていて、そこには「接続するだけでも使用できますが、より便利に使用するには付属のドライバーをインストールしてください。」と記載されています。ドライバーはCD-ROMに収められていますが、私のPCには光ディスクドライブが付いていません。過去に仕事で光ディスクドライブ関わった身としては切ない状況です。家族にドライブを借りてインストールを開始します。借りたドライブはI-O DATAブランドのUSB給電のもので、正しく認識されているか確認するためにデバイスマネージャーを起動したところ、懐かしいドライブの型番が表示されました。前職で私の所属チームで初めてレーベルフラッシュ機能(CD盤面にピットで絵を描く機能)を立ち上げたモデルでした。需要が減った上に、ドライブがこんなに長持ちすれば事業として成り立たなくなるのは必然ですね。余談はさておき、インストールを開始します。

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今回の用途で最低限必要となるソフトウェアがよくわからないので、フルインストールを選択しました。インストールが完了しましたが、何か変わるわけでもなく、正しくインストールが完了したのかわかりません。Sound Blaster本体正面のボリュームを回すと、PCの画面にボリュームのポップアップが表示されたので、一旦良しとします。

マイクロフォンの接続

次に、マイク本体とファントム電源のinput間を、ファントム電源付属のケーブルで接続します。ここでこの後の接続ができない事に気づきました。ファントム電源出力は3極のXLRコネクタで、サウンドブラスターは標準プラグ用のジャックとなっています。どうしたものか考えたところ、その昔、実家で買ったカラオケセットのマイクロフォンに付属したケーブルがXLR-標準プラグ変換ケーブルだった事を思いだし探してみました。

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物は見つかりましたが、はたして使っていいものかわかりません。ネット検索をすると変換ケーブル販売サイトはたくさんヒットしましたが、ファントム電源出力と標準マイクジャックの変換に使ってもいいかの説明は見つかりませんでした。ネット上の説明が見つからないということは接続問題なしと解釈し、これも一旦使って良しという事として先に進めます。

周波数特性測定ソフトウェア

機材の発注前にあたりをつけていたものをダウンロードします。「efu's page」で公開されている「WaveSpectra」(フリーウェア)です。このソフトウェアの設定方法や使い方は「ハウツーIT」で詳しく説明されていました。周波数特性測定にはスィープ音源も必要ですが、今回は発振器を使わずに、同様に「efu's page」で公開されている「WaveGene」を使ってスィープ信号の音声データファイルを作成して使用する事にします。それではWaveSpectraの設定を行います。

■WaveSpectra

私がダウンロードした物はv1.51です。圧縮されているのでまずは解凍して適当なフォルダにコピーします。

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先にインストールしたSound BlasterをPCに接続し、マイクをSound Blasterに接続して動作可能な状態とします。WeveSpectraはソフトウェアのインストールは不要で、解凍したファイルの中の「ws.exe」を実行するだけで動作します。起動するとHelpの参照方法を説明するダイアログがポップアップするので「OK」ボタンを押すとHelpが表示されるので閉じます。続いて「描画方法の自動設定」の画面がポップアップするので「スタート」ボタンを押して自動設定を実行します。

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この時にSound Blaster等の音声入力機器のセットアップに問題があると「スタート」ボタンが押せないので再確認をします。実行が完了すると画面は以下の状態となります。

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一旦、「描画方法の自動設定」画面を閉じて他の設定をします。設定はメイン画面の上右手のスパナマークのボタンを押します。

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「設定」画面がポップアップします。

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「再生/録音」tabを選択します。ここで「ドライバ」としてWASAPIを選択しました。これはハウツーITの推奨に従いました。「録音デバイス」としてSound Blasterを選択し、「フォーマット」は測定の上限周波数を40KHzとする為に96000s/sと24bitを選択し「設定」ボタンを押しました。

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メイン画面上右手の「Hz dB」ボタンを押すと測定モードとなります。

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画面下の「peak」ボタンを押して画面左寄り上の「●」(録音)ボタンを押すと測定がスタートします。「peak」ボタンを押すと、測定結果のピーク値が結果グラフ上に残ります。再度押すと、ピーク値の結果がクリアされてリアルタイムの表示のみとなります。「■」(停止)ボタンを押すと計測を終了します。が、全くマイクから音が拾えていません。測定システムのほぼ全てが初物なので原因の切り分けが必要です。簡単に原因の切り分けできないものでしょうか?次回は測定システムの動作確認、waveファイル生成を行います。

 

つづく(準備編3)