DCパワーアンプ電源改良(製作編1)

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製作編1

設計が終わったので電源トランスユニットのケースの加工から製作を開始します。

電源トランスユニットのケース

このケースはタカチ電機工業のOS133-32-33SSを選定しました。購入は楽天内の販売店経由です。事前の情報のとおり、タカチ電機工業から直送されました。ケースの外形寸法からは考えられない程のスリムな梱包です。

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早速開けてみます。中には緩衝用の新聞紙とさらに小振りの梱包が入っていました。

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外箱が発送用梱包で、中の箱がこのケースの専用梱包とおもわれます。このケースはフレーム構造のため、板金とフレーム材に分解できるため、梱包効率が非常に良いです。中身を取り出してみます。プチプチにくるまれた材料と、組み立て図が掲載された資料が入っていました。

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チャンネルデバイダー製作でOSシリーズを使った際には組み立て図が入ってなくて組立に戸惑いましたが、改善されたようです。

リアパネル加工

プチプチの中からパネルを取り出します。フロントとリアパネルは共通なので、1枚取り出します。パネルはヘアライン仕上げをされた面に保護用のシートが貼られていますが、剥がさずにそのまま加工を進めます。いつものとおり加工図を印刷します。A4には収まらないため、会社のプリンターでA3用紙に印刷してきました。外形にそって切り取り、パネルに貼り付けます。

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取り付ける部品はXLRパネルコネクタ4個とACインレット、ヒューズホルダーです。それぞれ丸穴のセンターとACインレット取り付け用の角穴の四角にポンチで印を付けました。加工図を剥がして穴あけを開始します。

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XLRパネルコネクタ取り付け用ビス穴と、ACインレット取り付け用ビスφ3.2の穴を開け、他はとりあえずφ4.2の穴を開けました。シャーシパンチとハンドニブラを使用する為に4.2の穴を、ステップドリルを使ってφ10まで広げました。ACインレット用の角穴の4角のポンチを目印にカット用のラインを引きました。最初にXLRパネルコネクタ用の穴加工をします。図面上の穴径はφ24ですが、私のもっているシャーシパンチの型はφ21のワンサイズ上がφ25です。

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φ21から削りあげるのはかなりの手間です。下記がパネルコネクタの図面です。

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仮にφ25の穴を開けてもパネルコネクタのフランジが片側0.5mmオーバーラップします。リスクはありますが、作業量には変えられません。今回はφ25で穴開けする事にしました。

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結局こんな感じに穴が開けられました。

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今回は、シャーシパンチで開けたままで、カット面が綺麗な為、パネルコネクタをリア取り付けしてみました。

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なかなかいい感じに取り付ける事ができました。続いてACインレット用の角穴を開けます。φ10の穴へハンドニブラの刃を入れて切っていきます。

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相変わらず、握力のトレーニングをしている気になってきます。比較的綺麗に穴があけられましたが、表面にキズがつくため、いつもどおりACインレットはフロント取り付けとしました。

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最後にヒューズホルダ取り付け用の穴を加工します。φ12の穴開け済みですが、長辺をφ13の楕円形に削ります。想像よりも大変ではありませんでした。

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これで電源トランスユニットのリアパネルの加工は完了です。本記事のアイキャッチ写真は全ての部品を取り付けたものです。次回は、フロントパネルの加工から製作を続けます。

 

つづく(製作編2)

DCパワーアンプ電源改良(設計編4)

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設計編4

電源トランスユニットのケースの加工図の作成が終わったので、アンプ本体のケースの設計を行います。

アンプケース

アンプのケースは縦型ヒートシンクケースHYシリーズです。現状のケースは運良く廃版になっていなかった為に、同じ物を選択して、フロントパネルとリアパネルを交換する予定です。型番はHY133-23-23SSです。パネルのみの販売もしているようですが、余った部品を捨てるよりも、ケースごと買い直して、余ったケースを別の製作で使う方針としました。

リアパネル加工図

取り付ける部品は以下のとおりです。

・XLRパネルコネクタオス3極1個(終段電源用)

・XLRパネルコネクタオス5極1個(電圧増幅段用)

・XLRパネルコネクタメス3極1個(信号入力用)

・スピーカーターミナル2個

現状のアンプのリアパネル加工図を修正して準備します。変更点は以下のとおりです。

・XLRパネルコネクタの加工寸法を変更(簡略化)

・ACインレットとヒューズホルダの代わりにXLRパネルコネクタの取り付け

・スピーカーターミナル穴加工の変更

修正した加工図は以下のとおりです。

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向かって右側に縦並びのXLRパネルコネクタが電源用コネクタです。横並びとした方が配線の作業性が上がりますが妥協しました。現行のアンプに取り付けている取っ手は、部品入手後に現物あわせで穴加工をする予定です。パネルはアルマイト製で厚みは3mmです。手加工の限界を越えているため、今回もタカチ電機工業のカスタマイズサービスを使う事にします。作成した加工図をDXF変換して見積もり依頼をしました。日曜日に送付して、見積もりはマルツエレック様経由で火曜日に入手できました。見積もりの結果は、ケース込み2台分で34,120円です。ケース単価が11,620円なので、1台当たりの加工費は5,400円です。前回は、XLRパネルコネクタ加工形状を複雑にした為、加工費は7,660円でした。加工図面の簡略化により、加工費を約30%安くする事ができました。納期は実働8日との事で、お盆休みの影響を受けそうです。

フロントパネル加工図

取り付ける部品は、以下のとおりです。

・オルタネイトプッシュSW

・LED(ブラケットタイプ)

フロントパネルも、前回の加工図を修正して準備します。変更点はトグルSWをプッシュSWに変更するのみです。1カ所穴径をφ16に変更するのみです。修正加工図は以下のとおりです。

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図面には、取っ手の穴加工も記載していますが、部品入手後に必要に応じて修正する予定です。

シャーシ加工図

下記は現行品のシャーシ加工図です。ここからトランス2個を外出しするので、基板2枚の配置の自由度があがります。終段用の基板を後ろに配置して、電圧増幅段用の電源基板を前に配置したいとおもいます。製作当時は、端子台を使用していない為、全ての基板配線はハンダ付けしています。これを機に、一部を端子台に変更してメンテナンス性を改善したいとおもいます。下記が現状の内部写真です。

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トランスが大きく手が入りにくく作業性が悪かった為に配線がごちゃごちゃしています。トランス2個を外出しするので、配線用の空間が確保できるため、この機会に配線をやりなおす予定です。電圧増幅段用の電源基板は、私が標準で使用している基板よりも小さいですが、電源を作り直す際に標準基板に変えて共通化します。加工図は、製作時に基板現品を並べて配置検討をした上で、作成したいとおもいます。

 

つづく(製作編1)

DCパワーアンプ電源改良(設計編3)

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設計編3

電源トランスユニットのケースの設計を進めます。

選定したケース

前回の記事で、ケースの選定を行いました。選定したOS133-32-33SSについて改めておさらいします。下の図はOSシリーズの構造図です。

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フレーム構造で、一部のフレーム部品を除き、アルミ製で加工しやすいケースです。フレーム構造は、部品の実装効率面で不利ですが、実装部品と外板とのクリアランス確保の為の構造と考えると気になりません。色は4種類設定されています。

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SS(シルバー)以外は、価格が数千円高くなりますが、素直にチャンネルデバイダで使用したSS品を今回も選択したいとおもいます。購入は、楽天で検索したところ多くのショップで取り扱われていました。総じてそのショップで在庫は持たずに、ダイレクトにメーカーから発送する仕組みのようです。その中から比較的安価だった測定器・工具のイーデンキへ発注をかけました。送料税込みで11,223円でした。

ボトムシャーシ加工図

最初にボトムカバーの加工図を作成します。ボトムカバーのサイズは、W316 x D309です。これに前後にフレームがそれぞれ20mm、両サイドにそれぞれ14mmオーバーラップします。それを考慮すると、ボトムシャーシに部品配置可能なエリアは、W288 x D269mmとなります。このエリアに前回検討したトランスを再配置してみました。

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前回の記事で検討したトランスの配置は、外板とのクリアランスを含めた寸法は、W290 x D255だったので、選定のケースには余裕を持って配置できました。最終的に、前後パネルとトランス間のクリアランスは47mm、サイドパネルとトランス間のクリアランスは28mm確保する事ができました。電圧増幅段用のトランスの間には、配線中継用のラグ端子板を配置しています。ここでトランス1次側の電源を分配する予定です。

フロントパネルの加工図

フロントパネルには、赤のネオン管1個と緑のネオン管2個を実装します。トランスの唸り対策で見えない場所に設置する予定なので、デザインには拘りませんでした。ケースの奥行き方向の寸法に余裕がとれた為、ネオン管の配置の制約はなくなりました。赤のネオン管をパネルのセンターに、左右チャンネルの終段電源の状態を示す緑のネオン管を赤のネオン管とパネルの左右の端とのセンターにそれぞれ配置しました。穴径は全てφ9.2mmです。

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リアパネル加工図

リアパネル実装部品は以下となります。

・ACインレット

・ヒューズホルダ

・XLRパネルコネクタメス5極2個(電圧増幅段用)

・XLRパネルコネクタメス3極2個(終段用)

幅方向に余裕があるため、全部品を横一列に配置しました。左右に電源出力用のXLRコネクタを各2個配置し、センターよりにACインレットとヒューズホルダを配置しました。作成した加工図は以下のとおりです。

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XLRパネルコネクタの取り付け用の加工は、従来に比べて大幅に簡略化しました。この寸法の場合、ノイトレック製のパネルコネクタは、フロント取り付けとリア取り付けのどちらも選択可能です。別途アンプ本体のリアパネルの加工を依頼する予定ですが、加工費が安くできそうです。従来製作したパワーアンプのフロントおよびリアパネルには、部品ガード用にハンドルを取り付けていますが、今回は見送る予定です。実装部品がトランス4個と重い上に、フレーム構造のパネル強度が重さに負けてしまう可能性があるためです。ハンドリングを考えると取り付けたいところですが、今回は見送りたいとおもいます。

 

つづく(設計編3)

DCパワーアンプ電源改良(設計編2)

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設計編2

電源トランスユニットのケースの選定を行います。

搭載電源トランス

最初にケース選定に必要な、実装する部品のサイズを確認します。シャーシに実装する部品は、電源トランス4個です。左右チャンネルが独立で、片チャンネルあたり電圧増幅段用と終段用の2個です。電圧増幅段用は、現状搭載している東栄変成器のJ-161を流用します。外形寸法は以下のとおりです。

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終段用の電源トランスは、現行品に対して4倍に容量アップして音質改善を狙います。現状考えているものは、東栄変成器のJ-1220です。外形寸法は以下のとおりです。

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正面パネル取り付け部品

正面パネルには、ネオン管を3個取り付けます。左右チャンネル共通の電圧増幅段電源オンを示す赤のネオン管1個と、終段電源オンを示す緑のネオン管2個です。終段用は左右独立で表示をさせます。どちらもサトーパーツの同一シリーズの色違い部品の選定を考えていて、寸法は以下のとおりです。

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取り付け時のシャーシ内への飛び出し量は約35mmと大きく、配置の工夫が必要です。

リアパネル取り付け部品

電源トランスユニットの電源用にACインレットとヒューズホルダと、各アンプへの電源供給用に3極と5極のXLRパネルコネクタを各2個を取り付けます。ACインレットとヒューズホルダは、リアパネルセンターへ取り付け予定です。ケース内への飛び出し量は30mmを想定しています。次はXLRパネルコネクタを選定します。前回の記事で、SOUND HOUSEに豊富な在庫がある事を確認しましたが、その中から4種類ともにノイトレックのパネルコネクタを選定しました。メーカーを統一すると取り付け用の加工が共通になる事と、気休めかもしれませんが、3極の定格電流がITT製のものが15Aに対して、16Aであった事と、メーカーのサイトに図面がアップロードされていた事が理由です。参考に3極のメスの図面を掲載します。

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図面から、ケース内への飛び出し量は約25mmです。選定したパネルコネクタは、下記で赤丸を付けたものです。

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アンプ本体には、信号入力用に3極のメスのXLRパネルコネクタが存在します。差し間違いを防ぐために、アンプ本体の電源コネクタはオス側とします。従って、電源トランスユニット側のXLRパネルコネクタは、メス側となります。この仕様とした場合、ケーブル未接続時の感電の確率が下がります。上記をまとめると、リアパネルと内部実装部品間のクリアランスは、最低でも25mm必要で、場所によっては30mm必要となります。

電源トランスの配置検討

重い終段用の電源トランスをリア側に並べます。できる限り他の機器とケースの幅を揃える為に、幅を押さえる向きに配置したいとおもいます。その手前に電圧増幅段用の電源トランスを並べます。終段用のトランスよりも長辺が短い為、終段用トランスとは逆に、長辺を横向きに並べてみました。適当な間隔を取って並べた配置図を作成してみました。

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この配置の場合、全てのトランスの端子は前または後ろ方向に配置されます。外形に対して適当にクリアランスを取ってケースに必要な内寸を設定してみます。幅方向は両脇に20mmづつクリアランスを確保すると、必要な内寸は290mmとなります。奥行き方向は、前後方向に25mmづつクリアランスを確保すると、必要な内寸は255mmとなります。高さは、終段用トランスの全高が98mmなので、クリアランスを5mm確保すると、103mm以上の内寸が必要となります。この内寸(W290 x D255 x H103mm)を元にケース選定を進めます。最初に、3wayチャンネルデバイダで使用したOSシリーズを確認してみます。

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高さは99mmの上が133mmで、この寸法はアンプ本体のケースと同じです。チャンネルデバイダでは幅が320mmの物を使用しました(OS88-32-33SS)が、高さを考慮すると今回は高さ違いのOS133-32-33SS(13,220円)が良さそうです。このケースの内寸は、W294 x D 309.1 x H116.3なので十分実装できそうです。せっかくなので今まで使った事がない他のシリーズを確認してみます。選択可能な物としてMOシリーズが目にとまりました。

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高さ133mmで幅320mmのものがラインナップされていました。奥行きは280mmの上が350mmです。奥行きが小さい方のMO133-32-28BS(11530円)の内寸はW290 x D255 x H116と今回の配置にぴったりでした。MOシリーズは、上記の写真のとおり計測器に使用される外観で、オーディオにはいまいちのデザインです。OSシリーズはチャンネルデバイダで使用実績があり、今回設定したものは、チャンネルデバイダとフットプリントが同一の高さ違いのため、現行システムとのデザインの親和性があります。少し値段は高いですが、今回はOSシリーズを選定したいとおもいます。次回はケースの仕様を確認して設計を進めます。

 

つづく(設計編3)

DCパワーアンプ電源改良(設計編1)

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設計編1

DCパワーアンプの電源の改良の方針を決めたので具体的に設計を進めます。

電源回路

現状のDCパワーアンプの電源回路を再掲載します。

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この回路のトランスを別筐体に外出しします。その際に延長するラインは、前回の記事でも説明したとおりトランスの2次出力とします。この時の設計のポイントは以下項目となります。

・電源SW回路

・電源ランプの構成

電源SW回路

SWは、遮断電流の小さい部分に入れたい事から、現状と同様にトランスの1次側を切断したいとおもいます。具体的には、現状と同様に電圧増幅段はコンセントインで通電開始する仕様として、終段用の電源トランスの1次側にSWを配置する事になります。電源SWは、アンプ本体に設置すると電源トランスユニットとアンプ本体間を終段用電源トランスの1次配線を通す事になります。電流容量面から、電圧増幅段用の電源ライン3本に電源SW用の終段トランスの1次ライン2本を組み合わせて、5極のXLRコネクタを採用したいとおもいます。終段用の電源ラインは、電流容量を考慮して3極のXLRコネクタとします。一旦この状態の回路を起こしてみます。

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電源トランスを3極と5極のXLRコネクタで分離して、電源SWを1回路オンオフSWに変更して、さらに電源ランプを電圧増幅段と終段用に分けています。

電源ランプ

現状の電源ランプの仕様は、2色LEDを電圧増幅段オンで赤点灯させ、終段オンで緑点灯に切り替えています。今回も2色LEDの採用も可能ですが、SWをチャンネルデバイダで採用した自照式の押しボタンSWに変更したいと考えて、電圧増幅段用のランプを別に設置する事にしました。電源トランスユニットにも現在の状態を表示させるために、電圧増幅段と終段用の電源ランプを独立に設置したいとおもいます。但し、電源トランスユニットにはDC電源がないので、100V点灯可能なネオン管を採用したいと思います。ネオン管は秋月電子では取り扱いがなく、マルツオンラインで希望仕様のランプを見つけました。

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予想外に価格が高い(緑:490円、赤:460円)ですが、仕方ありません。赤を電圧増幅段用に緑を終段用のランプとしたいとおもいます。ここまでを電源の回路図に反映します。

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電源回路のグレードアップ

せっかく電源回路をいじるので、音質改善の要素も追加したいとおもいます。お金はかかりますが手軽にできる項目として、電力増幅段用の電源トランスを容量アップしたいとおもいます。東栄変成器の通販サイトを確認したところ、12V/20A(CTタップ付き)を見つけました。型番はJ-1220で価格は8,820円(税別)です。

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現行トランスの仕様が12V/5A(CTタップ付き)なので、4倍の容量アップです。コアがネジ止め式なので、唸りが改善する可能性があります。この変更で気になる部品は、終段用電源全波整流用のブリッジダイオードです。現行品は放熱特性を考えて4A品(D4SBS6)を採用していますが、トランスの容量アップに伴うラッシュカレントを考慮すると15A品(D15XBS6)に変更したいとおもいます。この変更を回路に反映させます。

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さらに構想編でも触れましたが、電圧増幅段用電源回路を安定化電源に変更します。回路は、バランス3Wayチャンネルデバイダの製作で設計したものを流用します。チャンネルデバイダの電源は+/-12V出力で、今回は+/-13.5V出力とやや仕様が異なりますが、そのままの回路でいけそうです。この変更を電源回路図に反映してみました。

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電源トランスユニットの構成

電源は左右チャンネル独立ですが、電源トランスユニットはコストと取り扱いを考慮して1ユニット構成とします。その際の電源ランプは、電圧増幅段用は左右共通として、電圧増幅段用のみ左右独立とします。次回はさらに具体的な設計を進めます。

 

つづく(設計編2)

DCパワーアンプ電源改良(構想編)

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構想編

先日、絶縁トランスによるDCパワーアンプの唸り対策を行いましたが、完全に唸りをなくす事ができなかった為、追加の対策を検討します。合わせて電源の改良も行います。

対象のDCパワーアンプ

NS-1000Mマルチアンプシステムのウーハーチャンネルを担当しているアンプで、A級BTL方式モノラルDCパワーアンプです。J-FET差動入力の差動2段で、終段はパラレルコンプリメンタリ方式をとっています。

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電圧増幅段の電源は、ツェナーダイオードに電流バッファーを組み合わせた物でアクティブな動作をさせていません。その後の検討で、この方式の電源出力インピーダンスが1Ω程度ある事がわかった為に、改良したいと考えていました。今回の検討の中で設計変更をしたいとおもいます。終段の電源は、普通の全波整流回路ですが、8W出力のアンプとしては、トランスの電流容量 5Aで、平滑用電解コンデンサはトータル100,000uFとし余裕の設計としています。

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トランスの唸り対策

今まで対策は2回行ってきました。最初はダイオードブリッジを使った電源タップ式のアダプタを作成しました。

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回路図は以下のとおりです。

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結果は、音への影響がある割に、効果が少ない為、採用には至りませんでした。下記のように回路を変更すると効果は上がるとの事ですが、ネット上の情報ではそれ以上に音質への影響も増えるとの事です。

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次の対策は、絶縁トランスを使った供給電源のDC成分のカットです。大容量の絶縁トランスはそれなりの値段なので、ヤフオクで探して競り落としました。1.5KW品で送料・消費税こみで8,000円でお釣りが戻るレベルで入手できました。それを、キャスター付きの板に取り付けてテーブルタップの中間に接続して完成です。

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さすがに電流容量15Aの絶縁トランスだけの事はあり、音への影響は我慢できるレベルです。唸りは、アンプのトランスで発生していたものの大半が絶縁トランスへ移るものの、100%ではなく、電源事情が悪い時には、リッスニングポイントでアンプのトランスの唸りがまだ聴こえる状況です。さらにもう1段改善させる為にいろいろ考えましたが、良い案がなく、唸りの原因となるアンプのトランスを外出ししてみる事にしました。せっかくなので、その際に電源回路のグレードアップも合わせて行いたいとおもいます。

対策の概要

アンプ内には、電圧増幅段用と終段用の2個のトランスがあります。トランスの唸りは、容量の大きなトランスの方が大きく発生しますが、今回は両方を外出しして、トランスの2次側ラインを延ばしてアンプに供給する事にします。この外出ししたトランスユニットは、十分な防音をする事で、唸りの対策をします。トランスの2次側を延長する事は、1次側の延長よりも特性への影響は大きくなると考えられますが、DCラインの延長に比べれば影響は小さいと考えられるので、この仕様で検討を進めます。

コネクタの選定

汎用性のあるコネクタという事で、XLRコネクタを検討してみます。XLRコネクタは、スピーカーケーブルを含む電力電送ケーブルにも使用されるので、特性を調べてみました。ネット検索をかけてみると、サウンドハウスに多彩な在庫がある事がわかりました。

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メーカーはいくつかりましたが、3極のものは15Aが定格値です。終段電力供給用には十分な定格値です。下記はITT製のコネクタの仕様ですが、4極以上は下記のとおり定格値が小さくなります。

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用途によって使い分けが必要です。次回は、電源回路の改良も含めて具体的な回路検討を行います。

 

つづく(設計編1)

真空管アンプのハム対策(番外編35)

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番外編35

真空管HPアンプのハム対策を続けます。

トランスの取り付け向きの変更

ネット上の情報に従って、出力トランスの取り付け向きを90°回転させて効果の確認を行ってみます。取り付けネジを外して向きを変更しようとしましたが、配線長が足りずにそのままの状態では試す事ができませんでした。仕方がないので、つっぱる配線を継ぎ足して向きを変えられる状態としました。写真はアンプのリア側から撮ったもので、出力トランスを90°回転させた状態です。

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ネット上の情報のとおり、ハムのレベルは明らかに下がりました。固定方法は、当初L字アングルを使って、出力トランスのオリジナルの取り付けフランジを使う事を考えましたが、L字アングル自体の取り付けに場所が必要で追加工も必要となるため、出力トランスの取り付けフランジを90°曲げて、当初の取り付け穴に固定する事としました。

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取り付け強度は明らかに不足しますが、自室使用に限定される事と、別途トランスカバーを考える事として、この方法で進める事としました。写真は配線をフォーミングして実際に取り付けた状態です。

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反対のチャンネルも念のため事前に効果の確認を行いました。

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同様の効果が確認できた為、正式に取り付けを行いました。写真は両方のチャンネルの出力トランスの固定を変更した状態です。

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さすがに格好が悪い事と、ネジのゆるみで出力トランスがぐるぐる回ってしまう事を防ぐ為にトランスカバーを検討してみます。以前にアマゾンで真空管を検索した際に目についたアルミ製のトランスカバーを探しました。

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1個2,480円です。サイズ的にも十分で、シャーシ上にも搭載できそうです。注文して数日で到着しました。本体は胴の部分と蓋の2ピース構成です。蓋と本体取り付け用にM4のネジが8本付属します。寸法図は見つからなかったので、寸法測定して加工図を作成しました。

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トランスを取り付けた状態で、ポンチが打てるように図面を工夫しています。具体的には、加工図を写真のとおり切って(一点鎖線がカット用線)出力トランス部に被せます。

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この状態で、取り付け用のネジ穴のセンター各4点にポンチで印を付けます。加工図を剥がして、シャーシ内の部品の配置の都合で、各カバー固定用に3点に4.2mmのドリルで穴をあけました。写真はカバーの胴の部分を取り付けた状態です。

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だいぶ見た目が変わりました。最後にトランスカバーに蓋を取り付けるとこんな感じになりました。

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見た目だけでは、出力トランスが電源トランス以上に立派に見えます。尚、本記事のアイキャッチ写真は、ボトムカバーを取り付けた状態の写真です。この状態で、万が一出力トランスの取り付けネジが緩んだとしても、トランスカバー内でトランスの向きが動くだけなので、故障時のリスク低減ができると思います。

ハムの確認

事前の確認時と同様にカナル型ヘッドフォンをヘッドフォン端子に接続して耳に装着します。この状態で電源オンすると、従来は電源オンの瞬間からプリウス低速走行時の疑似モーター音ににたハム音が大きく聞こえましたが、対策後はわずかに聴こえるのみです。カソードが暖まり、アンプが動作を始めると、負帰還によってわずかに聞こえたハムも全く聞こえなくなりました。当面、この状態で運用したいとおもいます。今回の教訓としては、実使用状態を考慮した出力トランスの配置の事前確認は必須と感じました。5回に渡り、番外編としてハム対策を行いましたが、そこそこの効果が得られたので今回で終わりとします。おつきあいありがとうございました。

 

おわり(番外編35)