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バランス変換ボリューム2(製作編3)

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製作編3

初段に使用するDual J-FETの変換基板実装とIdss測定を行います。

2SK2145の特性

今回も初段にdual J-FET 2SK2145を使用しますが、東芝製のチップなので今後が心配です。測定するIdssとは、Vgs=0の時のドレイン電流Idのことで、特性は以下のとおりです。

■2SK2145 Id-Vds特性

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グラフを見るとVdsとして2V以上印加すればIdが飽和します。今回の設計では、Vdsとして4V以上かけているので飽和領域で動作させていると言えます。あまり自信がありませんが、Vg=0Vのドレイン電流Id(Idss)を利用して定電流ダイオードが作られているとどこかで読んだ記憶がありますが、この情報が正しかったとして、一般的なダイオードとの機能の違いからこの呼び名に違和感を覚えますが、ダイオードの呼び名は単に2端子の素子と言っているだけなのでしょうか?初段に使用するので、ノイズに関するデータもついでに転載します。

■2SK2145 NF-Vds特性

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■2SK2145 NF-Id特性

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NF(雑音指数)は、入出力のS/N比(dB)の差を示し、増幅器のノイズ特性の指標となるパラメーターです。グラフを見るとNFは高電圧で使用すると悪化することがわかります。このチップの場合、Vds=15Vくらいまでに押さえて使用すべきと言えますが、電源電圧が高い場合は、カスコード接続によってVdsを下げることができます。また、Idが小さい範囲でもNFが悪化していますが、グラフからはId=0.75mA以上で使用すべき事がわかります。今回の設計は、バイアス電流としてId=1mAとしているのでクリアしています。

変換基板への実装

「音楽の女神への挑戦(製作編2)」で紹介済みですので、変換に使用した部品についてのみ簡単に紹介します。構成部品全て秋月電子の通販で購入したものです。金額は私が購入した時(2017年2月)の価格です。写真左からJ-FET 2SK2145-GR(100円/2個)、SOT23変換基板 P-04800(150円/10枚)、連結ソケット P-03758(50円)、丸ピンICソケット P-00035(15円)です。

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連結ソケットには上下がありますが、DIPソケットに装着したものを外す時の作業性を考えて写真の向きで使用しています。

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変換基板への実装は、当初罰ゲームと表現した程に苦痛でしたが、今回で3回目となり、コツもつかめたことからあまり苦になりませんでした。(キャッチ写真参照)

Idssの測定

測定の目的は、チップの故障および半田不良の確認および、dual J-FETとしてのペア特性の確認です。ペア特性については、改めてデータシートを確認してみたところ、「1パッケージに2素子を内蔵」とだけ記載があり、Idssのずれが大きくてもランク内であればクレームはつけられない状況です。今回購入したものはGRランクなのでIdss=2.6~6.0mAのものですが、この下にYランクと上にBLランクがあり、Yランクの最小値がIdss=1.2mAとなっています。アンプの設計のアイドリング電流は1mAなのでIdssの最小値の余裕を考慮して今回もGRランクを選定しています。製作編2で詳しく紹介したジグを使い、回路を下記のとおり組み替えてIdssの測定を行います。

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測定時の安定待ち時間は殆どいりません。今回実装した4個の測定結果は以下のとおりです。

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Idssはみごとに2パターンに分かれましたが、ペア特性は申し分ありません。どの程度影響があるかわかりませんが、L/Rチャンネルのバランスを考えて、入力段のボルテージフォロワの初段にIdss=3.4mAのもの(No.3,4)を、次段のバランス変換アンプの初段にIdss=4.2mAのもの(No.1,2)を使用したいとおもいます。

次回は基板への回路実装を行います。

 

つづく(製作編4)