2018オーディオフェスティバル(番外編19)

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番外編19

無線と実験誌が主催するオーディオフェスティバルに行ってきましたので速報します。

2018オーディオフェスティバル

誠文堂新光社が発行する月刊誌、無線と実験主催のオーディオフェスティバルに行ってきました。今回は第3回目で、3月4日に昨年と同様に秋葉原の損保会館で開催されました。入場料は1,000円で、今年は缶バッチが配布されました。これを着けていれば会館への出入りが自由となります。

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昨年は、具体的なプログラムがネット上に掲載されていましたが、今年はそれがなく、代わりに無線と実験3月号で徹底ガイドの特集がされていて、「雑誌を購入して確認してね」とのようです。下記が入場時に配布されたタイムテーブルです。

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今年の目玉は、事前エントリーして選ばれた読者12名による自作作品のデモを含めた紹介です。一人あたり20分の持ち時間で自分の設計および作品をデモを交えてアピールします。今回はこのイベントは横目で流してMJ誌執筆先生方の講演をメインで回りました。

金田先生の講演

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タイトルは「バッテリードライブ半導体DCアンプ vs バッテリードライブNutubeハイブリッドDCアンプ」です。使用された機器は、最近の紙上で発表されたもので、ターンテーブルの電源を除き、DACも含めてバッテリーで駆動されていました。写真はパワーアンプ駆動用のバッテリーです。

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スピーカーは、主催側が準備したもののようですが、3Wayで中域はホーンタイプです。ウーハーはバスレス方式のエンクロージャに納められていました。ツイターは、ホーン用ドライバの位置に合わせて設置されていて、位相を考慮されているようです。

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■バッテリードライブ半導体DCアンプ

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最初に半導体DCアンプをバッテリードライブしたシステムの再生です。12.5WのステレオDCパワーアンプを2台使用してバランス駆動されてるとの事で、出力は丁度50Wとなります。スピーカーはネットワーク方式です。

■はげ山の一夜/展覧会の絵ムソルグスキー

厚い音、中高域の音の抜けがよく、なおかつ奥行きも感じられます。大音量でも全く崩れません。スピーカーの能率も高いと推測します。

1812年/チャイコフスキー

ブラスの音が飛び出します。弦楽器の音が厚く、暖かみがあって好感がもてます。サビの部分の大砲の音は録音が今一つでしたが、どのようにして収録されたのでしょうか?

■CD音源

今回のデモで1曲だけCD音源をレコーダーで収録されたものが再生されました。曲はジャズでしたが、演奏者の熱意が伝わりにくい印象でした。音源(録音)に起因するのか、再生システム(CD)起因なのか判断はつきませんでしたが、学生時代の私はアナログの再生品質に軍配をあげていた事を思い出しました。その後、アナログ関連の機器はレコードを含めて実家の建て替えの際に全て廃棄されてしまい、アナログから遠ざかって今に至っています。もう一度考えるべきかと思いました。

■Nutube 6P1

後半の演奏は、バッテリードライブNutubeハイブリッドDCアンプが使用されました。

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NutubeはKORGノリタケの蛍光表示管技術を応用した新しい真空管です。今まであまり注目してこなかったので、実際の音が聴ける今回のデモは楽しみにしていました。デモの紹介の前にNutube 6P1を簡単に紹介します。

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回路は双三極管と同等ですが、動作電圧や消費電流が半導体パーツレベルに抑えられています。

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例えばフィラメント電圧は0.7Vで電流は1チャンネル当たり17mAです。真空管のプレート電圧に相当するアノード電圧は10Vとトランジスタと同じ感覚で使用できます。気になるお値段は秋月価格で5,400円と手が届くレベルです。使用したアンプの回路紹介は特にありませんでしたが、全て記事で発表済みとの事なので、別途バックナンバーを入手して確認してみたいとおもいました。

■Nutube 6P1の音

初めの印象は、「ちゃんと真空管の音が出ている」でした。楽器の音の響きが美しく、奥行きも表現できています。

■ボディーランゲージ/カウントベーシー

最初の曲では、少し線が細いかとの印象でしたが、大音量部分の堂々とした鳴りぷりと、ブラスの音が耳につきささるような事がなく、好感が持てる再生でした。

■アイアンサイド/クインシージョーンズ

もともとはアメリカのTV番組の主題歌だったとの事ですが、スリリングな感じのジャズ曲です。TVウイークエンダーのジングルに使われていたのでご存知の方も多いとおもいます。ソロの響きが美しく、ベースの音も厚く迫力がありいい感じで鳴っていました。

まとめ

今回は、ほぼ金田先生のデモの紹介となりましたが、後半で使われたNutubeは機会があれば使ってみたいとおもいました。欲を言えば、AC電源とバッテリードライブの比較もあれば尚楽しめたと感じました。次回も引き続き、オーディオフェスティバルをレポートします。

 

つづく(番外編20)