チャンネルデバイダーのVR制御(製作編26)

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製作編26

前回4ch分ですが、組立が完了し総合動作確認を行ったところ、ノイズ発生を確認したため、原因の特定と対策を行います。

ノイズの状況

前回、システムに組み込んで音楽再生をしましたが、左チャンネルにノイズの発生を確認しました。特にATT倍率抵抗が30kΩ時で減衰量が一番小さい設定の際が顕著に聴こえました。左右チャンネルで状況が異なり、減衰量設定でも症状が違うため、初めにATT基板を確認してみる事にしました。

原因の調査

ATT基板を取り外し、配線を確認します。

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特に左チャンネルのATT倍率切り替え用の抵抗およびリレー回りを念入りに確認しました。参考に回路図を再掲載します。

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ハンダ不良や、配線間の接触等疑って確認を行いましたが特に怪しい部分は見つかりませんでした。再度ATT基板を取り付けて症状の確認を進めます。確認した項目は以下のとおりです。

・使用していないオペアンプと当該チャンネルのオペアンプ交換。変化なし

・ATT基板入力端子配線を外す。変化なし

・バッファ基板の入力端子配線を外す。ノイズ消える

上記の確認結果から、バッファアンプの発振が原因なのではと思い至り、出力波形を確認しました。

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写真は、水色がHotチャンネル、黄色がColdチャンネルで、ともに約1.5MHzで発振していました。振幅レベルは4.4Vです。今までMUSES01のボルテージフォロワで発振した経験がなく、またバラック確認では発振していなかった事から、発振が原因と考えに至らず、波形の確認を行ってきませんでした。さらに追加の確認を行ったところ、出力のXLRコネクタに接続しているバランスケーブルのコネクタを抜いても発振が止まる事を確認しました。という事で、バッファの出力にダンピング抵抗を入れてみる事にしました。とりあえず抵抗値は100Ωとします。試しに右チャンネルに抵抗を追加してみました。

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見栄えは良くありませんが、出力端子台の脇に抵抗2本を追加しています。出力XLRコネクタにプラグを挿して、電源オンして波形確認を行ったところ効果があり発振が消えました。左チャンネルも同様にダンピング抵抗を追加しました。

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写真右上と右側中央の白とオレンジの配線が曲がっている部分に抵抗を追加しています。これで改めて総合動作確認ができます。

総合動作確認

残りのチャンネルの改造は後回しにして、改めてシステムに接続して音を聴いてみます。使用ディスクはKenny Drew「Special」です。

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初めにミュート状態で音を聴きます。当然の事ながら音は聴こえません。ミュートを解除して、-36dB状態とします。夜中にひっそりと鳴らすレベルでしょうか?Upボタンを押し、-29dB状態とします。いい感じで鳴っています。この-29dB~-21dBあたりは、周りに配慮して音楽を再生する場合に選択する感じです。さらにUpボタンを押して-17dB状態とします。少し音量を落として音楽を聴く場合に選択する感じです。さらにUpボタンを押して-11dB状態とします。普通に音楽を聴く音量となりました。さらにUpボタンを押して-9dB状態とします。大きめの音量で聴く感じです。CDの録音レベルが低い楽曲の再生時にも使えそうです。さらにUpボタンを押すと最小減衰量の-6dBとなりますが、このCDではクリッピングはしないもののフルボリューム再生となりました。今回は、ロクハンのフルレンジスピーカー(能率90dB)との組み合わせですが、減衰量の設定は必要な最小限の選択ができているとおもいます。

また一難

上記の確認で、安心してマルチアンプシステム用のATTユニットの製作が続けられると思った矢先、その日の夜にATTユニットの電源を入れたところ・・・。やれやれ。

 

つづく(製作編27)