DACユニットの検討(製作編9)

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製作編9

平衡不平衡変換基板の通電と動作確認の続きを行います。

平衡不平衡変換基板動作確認続き

前回の記事でRチャンネル反転入力-Hot出力間の周波数特性の測定を行いました。今回は、Rチャンネル非反転入力-Hot出力間の周波数特性の測定から開始します。前回と同様の手順で入力1Vppと8Vpp時の周波数特性の測定を行いました。

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前回測定した反転入力系の結果とほぼ同等でした。参考として8Vpp入力時の応答波形を念のため掲載します。上が20KHz入力時、下が1MHz入力時の応答波形です。

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20KHz入力時は問題なく応答していますが、さすがに1MHz/8Vpp入力時の出力波形は、ほぼ三角波となってしまっています。実使用上はこのような高い周波数で大きな信号入力はないので問題ないと考えます。Cold出力系の測定も同様に行いましたが今まで測定してきた結果とほぼ同様でしたので、結果の掲載は省略します。

Lチャンネル通電確認

同様の手順でLチャンネル系の確認も行います。まずはオペアンプを装着せずにオペアンプソケットの各端子電圧を確認しました。3pinはGND電位のはずが値がふらついていました。電源をオフしてパターンを確認したところ怪しい点が見つかりました。

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上記の不良はすぐには見つからず、3pin付近をマクロレンズを装着したカメラで撮影して拡大したところハンダ不良が目視できました。年はとりたくないものです。再ハンダして確認したところGND電位となっている事が確認できました。

Lチャンネル動作確認

続いて、オペアンプを装着して信号の入出力を確認します。Rチャンネルと同様のセッティングをして電源オンしたところ、出力波形が発振していました。やれやれ!初めに電源-GND間のパスコンを確認しましたが、問題ありませんでした。パターン面をじっと眺めていたところ、入力端子台のGND配線を忘れている事に気づきました。

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基板実装はRチャンネルから行い、Lチャンネル実装完了間際は相当疲れていたため、注意力が散漫になっていた事が原因だと思います。追加の配線を行い再確認したところ発振は改善していました。

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R-ch同様に周波数特性の測定を行いました。反転入力、非反転入力、Hot出力、Cold出力についてそれぞれ測定を行いましたが、どの系統も特に違いがなかったので、代表としてLチャンネル反転入力Cold出力系統の結果を掲載します。

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オフセット調整回路動作確認

次はオフセット調整回路の動作確認を行います。信号を入力せずに出力をマルチメータで観測しながら半固定抵抗を回してみましたがほとんど調整ができません。下記が回路図です。

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電圧注入用のR07/R17の390KΩの半固定端子側の電圧をモニタすると、調整により電圧が変わっている事を確認できました。この事からR07/R17の抵抗値大きすぎる事が調整できない原因と考えられます。390KΩに100KΩ、47KΩとパラに抵抗を接続して調整動作を確認しました。

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徐々に調整感度は上がりましたが、今ひとつだった為、最終的にR07/R17の抵抗値を20KΩとしました。基板を荒らさずに4本の抵抗を交換する事ができました。

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下記が修正回路図です。

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次回は平衡不平衡変換基板の最後の確認項目の0dB再生時の動作シミュレーションを行います

 

つづく(製作編10)