チャンネルデバイダーのVR制御(製作編4)

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製作編4

ボトムシャーシにフロントおよびリアパネルを取り付けて、基板配置の検討を行います。

基板配置検討

ボトムシャーシに実装する基板および部品をおさらいします。

・ATT基板3枚(95x72mm)

・電源基板1枚(95x72mm)

・バッファ基板1枚(95x72mm)

マイコン基板1枚(68.6x53.3mm)

トロイダルトランス2個(65x65mm)

まずは事前の机上検討で考えていたとおりに基板とトランスを並べてみました。標準基板を計8枚並べ、そのうちの2枚の代わりにトロイダルトランスを、1枚のかわりにマイコン基板を置きます。

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ATT基板配置検討

なんとか並べることはできましたが、たくさんの問題がありました。まずは、リアパネルに取り付けたXLRコネクタですが、リアパネルのフランジ長の12mmを越えてシャーシ内部に飛び出しています。ぎりぎりに配置したATT基板の基板端子台と下段のXLRパネルコネクタの端子部が干渉しています。

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基板を段積みすれば基板配置の自由度があがりますが、組立性およびメンテナンス性が著しく悪化します。次に試したのが、スタッドを5mmの短いものに変えてみました。

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状況は変わりませんでした。逆に、スタッドを長いものに変えてみました。

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あまり状況は変わりませんが、今までの中では一番ましな気がします。この状態で手前側の基板固定用のスタッドを短くすると、前後の基板間にギャップをとらなくても、各基板の端子台への配線作業はできそうです。まずはこの構成で検討を進めてみます。

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続いて、フロントパネルに実装する表示基板との干渉検討をします。デザイン上、表示はフロントパネルのセンターへ配置したいとおもいます。干渉の確認が必要な基板は、ATT基板とマイコン基板です。手で配置した感じでは、ATT基板は5mmのスタッドを使用すれば、干渉を回避できそうです。マイコン基板は寸法がやや小さいので、基板配置を考慮すれば干渉は起こりません。

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これ以上の確認は、実際に部品を取り付けてみないとできません。フロントパネルの大物部品の残りは、プッシュSWですが、表示の右側に配置する予定です。表示基板が干渉せずに配置できれば、プッシュSWの配置も問題なくできます。

バッファ基板配置検討

バッファ基板は、リアパネル側、正面から見て右から2つ目の配置となります。

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右隣のATT基板と同様に長いスタッドを使用して固定します。実はまだバッファ基板自体の配置検討ができていません。オペアンプ6個と3極の端子台が信号ライン用に12個と電源用に2個搭載が必要です。別途検討したいとおもいます。

電源基板配置検討

電源基板は、リアパネル側、バッファ基板の左隣りの配置となります。

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リアパネルにヒューズホルダが取り付けられているため、他のリア側配置の基板と違った対応が必要です。できるだけ基板位置を下げて電源1次側の配線との干渉をなくしたいとおもいます。

マイコン基板実装

マイコン基板は、上記説明した電源基板の手前側に配置します。サイズが68.6x53.3mmと標準基板より小さい為、配置の自由度があります。表示基板と電源基板の配置を考慮して決めたいとおもいます。

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トランスの配置

2個ともにトロイダルトランスで、固定用の板のサイズは65x65mmです。できるだけ左に寄せて配置し、基板実装スペースを大きくとりたいとおもいます。リアパネルにACインレット、フロントパネルに電源SWが付きますが、トランスのサイズから干渉の心配はありません。これ以上は、フロントパネルに表示基板およびSW類を取り付けて検討を行う必要があります。ということで次回はフロントパネルの製作を行います。

 

つづく(製作編5)

チャンネルデバイダーのVR制御(製作編3)

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製作編3

ケースが届いたので、加工を依頼したリアパネルを組立て、部品干渉を確認しながらの基板配置検討の準備をします。

カスタムケース

見積もり確認後、正式発注(加工依頼)しましたが、待てどもカード決済手続きメールが届きませんでした。加工依頼時の商品発送予定日の2日前まで待って問い合わせをしたところ、手続きメールは1度発信済みとの事でしたが、再送いただきました。決済手続きが終わったのが水曜日のお昼休みでした。その後、niftywebメールで確認したところ、1度目の決済手続きメールが迷惑メールフォルダに保存されている事を確認しました。やれやれ。決済手続きが2日遅れた事で、当初の商品発送日(金曜日)が守られるか心配していましたが、金曜日に商品発送メールが届いたのでほっとしました。発送のキャリヤはヤマト運輸で、お届け希望日時指定メールが届いたので、すかさず土曜の午前中を指定しました。CADデータ添付の見積もり依頼をしてから12日でカスタム商品が届いたことになりますが、その週末の作業のやりくりを調整せずにすみました。

開梱

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マルツオンラインを代理店としたので、外箱はマルツオンライン梱包で届きました。開けると中にタカチ電機の箱と「カスタム製品検査合格証」が入っていました。

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いつも思いますが、タカチ電機ケースの梱包は大変コンパクトです。

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箱を開けると、分解された各部品はビニール袋に入れられてコンパクトに重ねられています。緩衝材は一切ありません。

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加工依頼したリアパネルは、フロントパネルと重ねられて袋に入っています。早速取り出して確認してみます。

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XLRパネルコネクタ取り付け用の12個の穴が美しいです。自前で加工したらどの程度時間がかかったでしょうか?

XLRパネルコネクタ取り付け

XLRパネルコネクタを合わせてみます。

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オス、メスともに無事に収まりました。が、しかし、固定用のビス穴がずれていて無理しないと、ネジが入りません。

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写真のとおり、2個のネジ穴をそれぞれ中心に向かって広げる必要があります。これは、コネクタ現品をノギスで図って寸法出しをした事による誤差です。誤差を想定して、大きめの穴を指定すべきでした。仕方がないので、やすりで全24箇所を広げる事にしました。縦並びの2個分の穴を広げてコネクタが正しく固定できることを確認し、これを合計6回繰り返して12個のパネルコネクタが固定できるようにしました。さっそくパネルコネクタを取り付けてみます。

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12個取り付けると壮観です。メス側のロック解除ボタンも違和感なく押せます。残りの、ヒューズホルダとACインレットは、仕様書に掲載された寸法を使用したので、おそらくこのような寸法ずれはおきないと思います。

ヒューズホルダ取り付け

取り付けの向きは、後の作業性を考慮して、パネルに近い側の端子が上になるよう取り付けました。

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仕様書の指定どおりの穴寸法なので、さすがに装着不具合やガタはありません。

ACインレット取り付け

ACインレットも仕様書指定の寸法で穴加工をしたため、取り付け上の問題は特にありませんでした。

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ひととおりの部品の取り付けが終わりましたが、リアパネル自体の重さも増していい感じとなりました。

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部品干渉検討をするために、ボトムシャーシに取り付けてみました。

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机上検討時よりも、パネルコネクタが内側に飛び出しています。基板配置検討が大変そうな感じです。次回は、部品干渉を考慮して基板の配置検討を行います。

 

つづく(製作編4)

チャンネルデバイダーのVR制御(製作編2)

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製作編2

製作した端子台シールドの配線を行い、arduino UNO周りの基板、部品をデバッグ環境を使って動作確認します。

端子台シールドの配線

製作編1で端子台シールド基板は、ピンソケットと端子台の実装まで行いました。残った配線を行い完成させます。参考として回路図を再掲載します。

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配線はハンダ面に被覆単線を使って行います。

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基板面積が小さく、信号の流れにそった端子台の配置ができなかった為、配線が交錯してしまいましたが、なんとか完成しました。

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arduino UNO電源供給

デバッグ環境の電源供給は、USB端子から行っていましたが、実使用環境はDCジャックから供給します。arduino UNOのDC入力仕様は以下のとおりです。

・入力電圧7~12V

・DC2.1プラグ

・センタープラス

という事で、写真のプラグを購入しました。

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さっそく加工してユニバーサル電源から12Vを供給してデバッグ環境の動作を確認しました。

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動作に問題はありませんが、下記の写真のとおりシャーシへの実装時の部品干渉が問題となる中、ジャックのボディーは基板配置の障害となる事が予想されます。

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秋月電子のラインナップにDC2.1プラグ用のL型アダプタが販売されていた事を思い出しました。基板実装までに購入しようとおもいます。

表示モジュールの動作確認

前回の記事で製作の紹介をした表示モジュールの動作確認を行います。参考として回路図を再掲載します。

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デバッグ環境に装着していた表示モジュール搭載のシールド基板を取り外し、代わりに上記で配線した端子台シールドに載せ替えます。続いて、表示基板と端子台シールド間を配線します。I2C用のSCLとSDAおよびGNDラインの3本です。表示基板へは、ユニバーサル電源から5Vを供給します。おそるおそる電源を入れましたが、正しく動作しました。

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設計上、気になる点はGNDラインがループになっている点です。具体的にはLED点灯用電源のGNDと、aruduino UNOのI2C用のGNDラインがループとなります。オーディオ回路ではないので、誤動作さえしなければ問題ないとしてこのままとします。

プッシュSW

デバッグ環境では、基板実装用のタクトSWを使っていました。本番では使いにくいので別途購入しました。仕様としては、モーメンタリータイプ(押している時だけオン)のプッシュSWです。パネル固定タイプのラインナップがあまりない中、購入したものは正面パネルに取り付ける物としては、小さすぎました。(写真右)その後、トランスを共立エレショップに注文する際に、よさげな物があったので合わせて購入しました。

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正直、押した感触はあまり良くはありませんでしたが、サイズは問題ありません。ボタンの色は赤、黒、緑を購入しました。動作確認をするために配線します。極性はありませんので、気にせず接続します。デバッグ用のタクトSWは押さなければデバッグには影響はないので、接続した状態で動作確認をしました。

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デバッグ時のタクトSWと同様に動作する事が確認できました。これでリレー制御ブロックを除き、制御系の回路の動作確認ができました。次回は、注文したケースが届く予定なので、リアパネルの組立を行い、部品干渉を確認しながら基板配置の検討を行います。

 

つづく(製作編3)

チャンネルデバイダーのVR制御(製作編1)

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製作編1

ケースの設計は一部残っていますが、製作に入ります。

ケース設計と加工

フロントパネルおよびボトムシャーシの設計は終わっていませんが、残りは製作しながら現物合わせで設計を進めることにします。正直なところ部品の干渉具合を確認しながらでないと、問題を起こしてしまいそうです。前回、リアパネルのみ詳細設計を行い、タカチ電機工業の加工サービスをお願いする事にしました。

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具体的には、HP内の「お引き合いフォーム」に必要事項を記入し、CADデータを添付して見積もりの依頼をおこないました。フォーム内の通信欄へ以下のコメントを記入しています。

・加工はリアパネル1枚のみ

・お取り引きはマルツオンライン様経由

7/16(祝月)に発信し、マルツオンラインのご担当者様から見積もりが7/18(水)夕方に届きました。加工付きケース(送料税込み)で26,767円でした。私の予想よりも5,000円くらい高かったですが、そのお見積もりで進めるように返信しています。今回の反省点は、パネルコネクタの形状に合わせて複雑な形状の穴を指定しましたが、コネクタ自体で、抜いた穴が隠れるため、もっと単純な形状にすべきでした。

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左がオスで右がメスです。ハウジングの違いはロック機構の有無のみです。参考に図面を再掲載します。

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タカチの加工サービスは、リピート時5%割引となりますが、連絡いただいたメールには、今回採用したケースUS-320LHが9月で廃版予定で、リピートに関しての注意が記載されていました。今のところリピートは考えていませんが、親切な対応だと感じました。

表示基板製作

上記ケースのカスタム対応は、穴加工の場合、受注後5日発送となります、現時点、到着待ちなのでケースがなくても部品干渉確認が可能(不要)?な基板から製作を行っていきます。表示基板は、他に構成が考えられないため、構想編10で仮組した仕様で製作を進めます。表示モジュールの取り付け用スタッドを金属製のものから樹脂タイプに変更します。モジュールのパターンと干渉するための対応です。

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あわせて樹脂スタッド長を2mmのばして、表示モジュールが正面パネル面に近づくように変更しました。

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最後に、基板端子台を取り付けて表示モジュールへ配線します。設計編1で説明したとおり、I2C用端子台を2極から3極へ変更しています。

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なかなかいい感じに仕上がりました。早く正面パネルに取り付けて表示具合を見てみたいとおもいます。

arduino UNO用シールド基板製作

次はarduino UNOへ配線するためのシールド基板の製作です。この構成も他の方法が考えられない為、構想編で検討したとおり基板端子台のみを実装したシールド基板を段積み接続する事とします。シールド仕様のユニバーサル基板に段積みするためのピンソケットを取り付けます。必要なものは、6P, 8P, 10Pの3種類です。ピンソケットのモールドは溶けやすいのでハンダ付けは手早く行います。基板端子台をシールド基板に取り付けようとしたところ、端子がささりません。仕方がないので以前購入したミニサイズドリルセットとピンバイスで基板の穴を広げました。

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ノギスで基板端子台の足の径を測定したところ、1mmだったので1mmのドリルで取り付ける部分の穴を広げました。この状態でもまだ刺さりません。私のドリルセットは1mm以下は0.05mm刻みで揃っていますが、1mm以上は0.2mm刻みで、ワンサイズ大きいものは1.2mmでした。この径では緩すぎますが、ハンダで固定する事としました。全ての基板端子台を仮止めしてマイコン基板との干渉を確認します。表示基板用の3極の端子台の足がarduino UNOに実装されたポストと干渉していました。

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仕方がないので、3極の基板端子台の実装位置を1列基板中心側にずらして干渉を回避しました。端子台だけですが、シールド基板への実装が完了しました。

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arduino UNOに装着するとこんな感じになります。

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次回は端子台とピンソケット間の配線を行い、完成した表示基板の動作確認を行います。

 

つづく(製作編2)

チャンネルデバイダーのVR制御(設計編2)

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設計編2

各基板の回路設計が終わったのでシャーシの設計を行います。

ATTユニットのケース加工

構想編11でざっとシャーシへの基板実装の検討をおこないましたが、今回のケース製作の難易度は比較的高いです。ポイントは以下のとおりです。

1)基板、トランス等実装部品が多く、それらを部品間の干渉なく実装する

2)リアパネルにXLRパネルコネクタを12個実装する

3)正面パネルの表示部の加工

2項と3項は努力でなんとかするしかないので、まずは1項の検討を行います。

シャーシ加工

選定したケースはタカチ電機工業のUS-320LHです。バランスヘッドフォンアンプの製作で使ったケースです。外形はW320xH84xD230です。最初にボトムシャーシに部品実装できるフットプリントを明確にします。このケース下図のとおり、フロントパネル、リアパネルともに取り付け用のフランジが12mmがあり、この範囲への部品取り付けはできません。

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さらにフロントパネルは、ボトムシャーシ端から5mm奥に入った位置に固定されます。従って、ケースの奥行き230mmに対してボトムシャーシの部品取り付けが可能な奥行き長は以下となります。

230 - 12 x 2 - 5 = 201 mm

部品実装が可能は幅は、フランジを含めたパネルの幅となるので、316mmです。

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下記の部品は、316x201mmの範囲に配置する必要があります。

・ATT基板3枚(95x72mm)

・バッファアンプ基板1枚(95x72mm)

・電源基板1枚(95x72mm)

arduino UNO基板1枚(約68.6x53.3mm)

トロイダルトランス2個(W65xD65xH34mm)

構想編11で確認を行ったように、まずは標準基板8枚を実装可能エリアに並べてみました。

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このうち3枚を削除し、1枚をサイズの小さいarduinoUNO基板に置き換え、トロイダルトランス2個を搭載します。部品の干渉要素としては、リアパネルのXLRパネルコネクタ、ヒューズホルダ、ACインレットとフロントパネルの表示基板、SW4個です。一応搭載部品を並べることができたので、後は実装時になんとかしたいとおもいます。

リアパネル加工

ケース加工のポイントでも上げたとおり、リアパネルにはXLRパネルコネクタを12個取り付ける必要があります。今まで、パネルコネクタを一番多く取り付けた機器はチャンネルデバイダの6個です。この加工を行った際にこれ以上は一度に加工できないと真におもいました。という事で、今回はタカチ電機工業の加工サービスを利用する事にします。A級モノラルBTLアンプ製作の際に1度利用した事があります。その時は、パネル厚が4mmと厚く加工に自信がなかったために利用しました。久しぶりの利用なので、スムーズに進むか心配です。利用上の注意点は以下のとおりです。

・タカチ電機の製品使用が前提で1点から受付可能

・個人利用の場合は、販売代理店経由での決済

・CAD(DXF/DWG)データ利用の場合は加工費5%オフ

図面作成

まずはいつも利用させてもらっているAR CADで加工図面を作成します。XLRパネルコネクタの取り付け穴は特殊なので図面作成はそれなりに大変でした。12個分コピペ対応し、さらにヒューズホルダとACインレット取り付け用の穴も作成しました。

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完成した図面を、CADソフトのエクスポート機能を使ってDXFデータに変換します。見た目には、それなりに見えますが加工データとして見るといくつもエラーが発生していないか心配です。見積もり用のフォームに添付して送付し、現在結果待ちの状況です。ケースの標準価格が8,340円ですが、加工費はどの程度になるでしょうか?次回はケースの加工の状況によって作業を決めたいとおもいます。

 

つづく(製作編1)

チャンネルデバイダーのVR制御(設計編1)

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設計編1

アッテネータユニットの構想が終わったので設計を完成させます。

アッテネータユニット仕様

設計を完成させる前にアッテネータ仕様を再度整理します。

・バランス3wayマルチアンプ対応12チャンネルアッテネータ

・全9ステップ(-∞~-6dB)

・入力レベル調整機能なし

・出力バッファー搭載

・アッテネータ切り替え時ミューティング機能

・減衰量dB表示

arduino UNOをつかったマイコン制御

それでは各基板ごとの回路を順次フィックスしていきます。

マイコン基板

arduino UNOに端子台を実装したシールド基板を搭載します。回路図は以下のとおりです。

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電源は12Vで、arduino UNOのDCジャックから供給します。シールドに搭載する端子台は、key入力用の2極の端子台3個と表示基板制御用I2C出力用3極端子台、リレー制御出力用5極端子台です。デバッグ環境を残すために、組み込み用として新たにarduino UNOを1個購入しました。(アイキャッチ写真参照)これで運用中のユニットびソフト変更の対応も問題ありません。

表示基板

構想編10にてほぼ組み立ててしまいましたが、そこからの変更点はI2C入力用端子台をGNDラインを追加して2極から3極に変更しました。回路図は以下となります。

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アッテネータ基板

片チャンネル分ですが、構想編11で回路図をすでに掲載済みです。ミュートおよびATT倍率リレー駆動用のダーリントンシンクドライバTD62003APは、7回路入りですが、4回路のみの使用となります。改めて回路図を掲載します。

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バッファ基板

これも構想編10にて回路図を掲載済みです。変更点は+/-12V電源入力用の3極の端子台を2個(左右独立)追加しています。この基板上にはオペアンプが12回路必要となりますが、2回路入りのMUSES01を6個で対応したいと考えています。秋月電子価格で、1個3,500円もします。これだけで14,000円のコストがかかります。ん~どうしよう。回路図を改めて掲載します。

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電源基板

電源基板はいままで検討してこなかったので、まずは要求仕様を整理します。

・リレー駆動用12V電源(225mA)

・aruduino UNO駆動用12V電源(約25mA)

・ロジックIC&7セグモジュール駆動用5V電源(約20mA)

・R-chバッファアンプ駆動用+/-12V電源(約60mA)

・L-chバッファアンプ駆動用+/-12V電源(約60mA)

まずは筐体へ全基板を納める事を優先し、全ての電源を三端子レギュレータで構成する事とします。ディスクリート電源化は、完成後の楽しみとしてとっておきたいとおもいます。トランスは、考えましたが今までの製作で使ってきた12V/2回路出力のトロイダルトランスを2個搭載する事にします。1つをバッファアンプ用電源専用として、それ以外を、もう1つのトランスで対応します。2次巻き線の電流容量は500mAなので、1つの巻き線でリレーを駆動し、それ以外の制御系を残りの巻き線で対応する事にします。回路図を起こしてみます。最初はバッファアンプ用の+/-12V電源です。

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L/R独立電源とします。安定化電源の性能改善で確認した、三端子レギュレータ出力の電解コンデンサの弊害を考慮して、出力には小容量のコンデンサのみとしています。また、GNDはA-GNDとして制御回路とは分離させています。次は制御回路用の電源です。

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バッファ用電源とは、トランスを含めて完全に独立させています。消費電力の観点から、リレー用電源を専用としています。一番消費電力の大きいリレー回路の三端子レギュレータの消費電力を試算してみます。ショットキーバリアダイオードのVFを0.5として計算します。

(12 x 1.41 - 0.5 x 2 - 12) x 0.225 = 0.88 W

NJM12xxFAのデータシートの消費電力vs環境温度のグラフを参照します。

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グラフからヒートシンクがなくとも1.5Wくらいは消費させても問題ないようです。念のため、小型のヒートシンクを付ける事にします。他の三端子レギュレータは0.3W以下の消費電力なのでヒートシンク無しとします。次回は、ケース発注のために、トランスおよび基板のケース実装を検討します。

 

つづく(設計編2)

チャンネルデバイダーのVR制御(構想編11)

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構想編11

今までの製作で経験してこなかった部分の製作目処がたったので、ユニット全体の構成について検討します。

アッテネータユニットの基本構成

具体的な検討に入る前にユニットの基本仕様を整理します。

1)バランス3wayステレオ用のため、全12チャンネル構成

2)アッテネータユニットへの入力レベルは各チャンネルで同一レベル

3)出力にバッファを搭載して次段の入力抵抗の影響を排除

後は、今までの構想編で検討してきた結果を適用します。特に3項は今までのこだわりを捨てることになり、相当考えましたがアッテネータユニットの使い勝手を考えたらバッファ搭載せざる得ないとの結論に達しました。この要求を前提に回路および基板の構成を検討します。

アッテネータユニット回路と基板構成

基板構成の検討の前に、回路を明確にします。といっても、いままで掲載したアッテネータ回路の後段にバッファを接続するだけです。

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この回路ですが、バランス用なので2倍、さらに3wayなので3倍、ステレオで2倍となり、合計12系統必要となります。電源は、バッファ用の+/-12V電源とリレーおよびarduino UNO用の+12V電源、ロジックICと表示モジュール用の+5V電源が必要となります。さらにマイコン基板の搭載が必要です。電源とマイコン基板はそれぞれ1枚づつとして、残りアッテネータ回路の基板割りを考えてみます。3way用を各1枚の基板に納めるとした場合、出力段のバッファ用の電源の配線が各基板に必要となります。左右独立電源とした場合、12セットの電源の配線が必要となり現実的ではありません。これを回避するために終段用のバッファを1枚の基板の納める事を検討してみます。この場合、電源の配線は少なくてすみますが、信号用の3極の端子台が合計で12個必要となります。

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どっちもあまり変わらない気がしてきましたが、リレーを搭載する基板の実装面積を考えると、バッファ基板を独立させる方針で検討を進めてみます。

アッテネータ基板

Lo/Mid/High用に各1枚を割り当てます。リレーの接点仕様は2cなので、1個のリレーでHotとcoldの制御を行います。各チャンネル6個のリレーが必要なので、各基板にはステレオ用として倍の12個のリレーの搭載が必要です。リレー制御用のロジックICも、この基板に搭載する事にします。この基板上の回路は以下のようになります。

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制御用の信号ラインは、入出力に2セット搭載して、3つの基板をデイジーチェーン型に接続する事とします。実際にこんなに部品実装ができるかの確認の為に、基板に部品を並べてみました。なんとか実装はできそうです。(アイキャッチ写真参照)

マイコン基板

電源は+12Vを2.1mmのDCジャックから供給します。Key入力およびI2C制御線、ポート出力は、シールド仕様のユニバーサル基板を使って端子台のみを実装したシールド基板を製作して、arduino UNOに段積みしたいとおもいます。両脇にピンソケットが実装されるため、端子台の向きを内向き(配線を内側から引き出し)に実装する必要があります。

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ケースの選定

電源基板を1枚で構成するとして、搭載する基板は6枚となります。これ以外に電源トランスが必要となり、ケースの選定が難しくなってきます。最近使ったケースの中で1番大きなものは、バランス用ヘッドフォンアンプで使ったタカチUS-320LHです。サイズは、W320xH84xD230です。このシャーシに何枚の基板を実装できるかをバランスヘッドフォンアンプ内部に基板を並べて確認してみました。

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かなり強引な確認ですが、無理をすれば8枚並べられそうです。2枚分のスペースにトランスが配置できればなんとか納められそうです。だいたいのあたりがつけられたので、次回は具体的な設計を行います。

 

つづく(設計編1)