12chアッテネータ2検討(製作編5)

製作編5

モーター駆動回路の実装を見直します。

実装見直し

前回の記事で、追加で製作した検討用基板では設計どおりの動作の確認ができた為、回路実装の見直しをします。改めて動作確認をした際に新たな現象を確認しました。モーターを接続せずにモーター駆動状態にすると、約50mAの電流が流れていました。モーター駆動をオフすると0mAに戻ります。改めて各部電圧の確認結果を眺めてみて原因がわかりました。

電源側とGND側のスイッチトランジスタのベース抵抗が入れ子になっていると辻褄があいます。実装済みの抵抗のカラーコードも寄る年波で確実には読みとれません。テスターで計ったところミスが確定しました。下記は前回の記事の写真ですが、これを見れば間違いがわかります。

抵抗の配置が信号の流れに沿っていない事が実装ミスの要因だとおもいます。抵抗4本の交換は思った程大変ではなくて助かりました。この修正で設計どおりの動作が確認できました。

動作確認

オシロスコープで、モーターの駆動波形をモニタしてみます。短時間で駆動とオフを繰り返してみました。

波形は、駆動時に黄色がGNDに、青がHighになっています。オフ時はモーター両端はオープン状態となるため、モーターが慣性で回り発電機状態となっているようです。サージは、黄色のラインで最大10Vのレベルです。さらに拡大してモニタしてみました。

何回もトリガをかけてみましたが、サージの最大値は約10Vでした。このレベルであれば、サージ吸収用のツェナーダイオードの実装は不要と判断しました。同様に逆転駆動時の波形もモニタしてみました。

波形はほぼ同等ですが、先の状態に比べてオフ時の発電量が大きく見えます。今後の検討結果によっては、オフ時に電磁ブレーキをかけるために、両端子をGND接続すべきかもしれません。別途検討したいとおもいます。次に位置検出用ボリュームを配線し、ボリュームの両端をGNDと5Vに接続し、摺動子に接続された端子をオシロスコープでモニタしてみました。(本記事アイキャッチ写真参照)位置検出用ボリュームの配線はコネクタ式となっているので手軽です。オシロスコープの掃引速度を下げてモニタしてみます。

ボリュームは回りきった状態からモーターを動作させて反対側に回りきった状態を確認した後にモーターの駆動をオフしています。300°回転に約8.8秒かかっています。逆回転時も同様に観測しました。

この場合は、丁度8.7秒でした。ほぼ同じ速度で動いているようです。せっかくなので、惰性回転の状態を確認してみます。駆動オフをトリガにして、位置検出用ボリュームの出力電圧を確認してみました。

約24ms惰性でモーターが回転しているようです。位置検出ボリュームの出力は感度を200mV/divにあげましたが、わずかにレベルが下がっている事が確認できました。同様に逆回転時も確認してみました。

約30ms惰性でモーターか回転しています。位置検出ボリューム出力はわずかに上がっている事が確認できました。このレベルが実用上どの程度の影響を及ぼすのか現時点ではわかりません。ソフトが組み上がった時点で影響を確認し、必要があれば対策をとりたいとおもいます。次回はオペアンプをつかったコンパレータ回路を実装します。

 

つづく(製作編6)