チャンネルデバイダ製作2(製作編6)

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製作編6

基板2のLowブロックの実装から再開します。

Lowブロック実装

最初はアクティブフィルタCR実装用のポストを取り付けます。数をこなし、こつがつかめているので実装は容易ですが、この油断がミスを招くので気を抜けません。

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続いてGNDラインを敷線します。敷線方法は基板1と合わせています。

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パスコンを実装しますが、バッファアンプは最初に入力抵抗47kΩを接続してからフィルムコンを実装しました。

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次に出力端子台への配線を行います。発振防止用のダンピング抵抗100Ωを介して端子台に接続します。

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次はバッファアンプとアクティブフィルタ間の配線をします。基板1と同様にジャンパ線を使用します。

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なかなか見た目をきれいに配線できません。最後は入力端子台とバッファアンプ間の配線です。ジャンパ線を駆使して被覆線を使わずに配線しました。

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Lowブロックの実装が終わったので、次はHighブロックの実装を行います。

Highブロック実装

Lowブロックと同様にアクティブフィルタCR取り付け用ポストから実装します。

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次にGND配線をしますが、Lowブロックのポストを迂回して配線します。美しくありませんが仕方ありません。敷線の位置を後の電源配線を考慮して基板1と一部変更しています。1目ずらす程度なので特性への影響はありません。

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続いてバッファアンプの入力抵抗とパスコンを取り付けます。0.47uFを使用していますが、各オペアンプに取り付けているため、各電源には、0.47uF x7個、電源出力にも同様に実装しているのでトータルで3.76uFの容量負荷が付いています。三端子レギュレータの負荷として問題ない範囲と判断しています。

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次に出力端子台配線を行います。発振防止のダンピング抵抗位置は他のブロックと合わせています。Highブロックの最後は、段間の配線と入力端子台配線です。

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きれいに配線できない原因の1つは、ジャンパのフォーミング位置のずれです。現物合わせでおこないますが、微妙なずれによって実装時にジャンパが弛んだり、長さがたりずに、フォーミング位置が持ち上がったりします。

電源ライン配線

電源ラインの配線は被覆電線を使うため、最後にまとめて行います。各ブロックのオペアンプを挟む形で、+12Vと-12Vの電源ラインを敷線します。

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続いて、上記で敷線したラインから各オペアンプの電源端子へ、被覆電線を使用して電源配線を行います。

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Midブロックの電源配線は素直にできます。

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Lowブロックの電源配線は、-12V電源ライン敷線を1本省略したため、Midブロック用の-12V電源配線と共用します。最後はHighブロックの電源配線です。

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これで電源配線は完了です。

Mid/Highブロックボリューム用端子台配線

基板2最後に残ったボリューム出力用端子台配線を行います。Lowブロック入力用端子台とパラレル接続します。Hot側は普通に配線しますが、Cold側は被覆電線を使用しました。

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これでアクティブフィルタのCRを除き、基板2の実装は完了です。次回は通電確認から再開します。

 

つづく(制作編7)

チャンネルデバイダ製作2(製作編5)

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製作編5

Highブロックの通電確認から再開します。

Highブロック通電確認

最初にバッファアンプ用のオペアンプを装着します。前回も紹介しましたが、MUSES01です。ソケットを装着した上で、基板に実装します。

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MUSES01を使い始めた最初の頃は、ソケットの影響を嫌ってそのまま実装していましたが、2回目以降の再装着にて端子を曲げてしまう確率が高く、壊してしまったらもともこもないので、今では添付のソケットを素直に使用する事にしています。

他ブロックと同様に出力オフセット電圧を確認します。-1.2/0.6mVで問題ありません。続いて、HPF用のオペアンプを実装します。MUSES8920ですが、MUSES01に比べて価格は圧倒的に安いですが、オペアンプ自体の性能が高いため、アクティブフィルタ用に選択しています。

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出力オフセット電圧は-0.1/-0.3mVでした。

Highブロック動作確認

他ブロックと同様に入出力波形比較を行います。写真は6KHzの測定時の波形で、出力レベルは0.8Vppで約-8dBの減衰量です。

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位相差は40uSで86.4°でした。これもほぼ設計値どおりでした。

Highブロック周波数特性測定

測定は低い周波数から上げていくため、最初にプリアンプを使用します。減衰量が低下してきたら、プリアンプ出力がクリップする前にダイレクト測定に切り替えます。結果は以下のとおりです。

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Hot/Coldともにほぼ同じできれいな特性です。

総合周波数特性

全チャンネルの周波数特性の測定が終わったので、3wayの結果を1つのグラフにしてみました。

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クロスオーバー周波数は設計値よりもやや高くLow-Mid間が、600Hz弱, Mid-High間が7kHz弱になっています。微調整は音を聴いてから行う事とします。

基板2実装開始

基板1の動作確認が完了したので、基板2の実装を行います。手順は基板1と同じですが、基板1をまねするだけなので気は楽です。最初に保護用のスタッドを基板の4角に取り付け、先に取り付ける大物部品を準備します。

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次に入出力用の端子台を取り付けます。3極の端子台を9個取り付けます。基板1と同じ位置に取り付けますが、同じ位置に間違えないように気を使いました。

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続いて、オペアンプ用のソケットを7個取り付けます。基板1と同じ位置に並べて仮止めします。

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次にMidブロックのアクティブフィルタCR取り付け用のポストを取り付けます。取り付け前にガイド用のモールドの先端部分をカットします。

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次は、GNDラインを引いてGND配線を行います。GNDラインの敷線も基板1を踏襲しています。

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GNDラインを引いたので、Midブロックの3つのオペアンプパスコンを実装します。基板1と同様に0.47uFのフィルムコンデンサを使用します。MidブロックのHPFも同様にCR実装用のポストを実装します。入力段のボルテージフォロワに入力抵抗47kΩを実装すればMidブロックの部品実装はほぼ完了です。

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最後にダンピング抵抗100Ωを介して出力端子台への接続および各段間の配線および、入力端子台とボルテージフォロワの配線をすればMidブロックの実装は完了です。

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次回はLow/Highブロックの実装を行います。

 

つづく(制作編6)

チャンネルデバイダ製作2(製作編4)

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製作編4

フィルタ基板の実装が完了したので、ブロック単位で通電&動作確認を行います。

Midブロック通電確認

通電前にオペアンプを装着します。今回購入したオペアンプはトータル14個で、総額24,840円になります。壊さぬように慎重に作業していきます。

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バッファアンプから順にオペアンプを装着して通電確認を行います。バッファアンプ用には、MUSES01を選択しました。MUSES01は無酸素銅フレームを採用しているため、端子の強度が弱いのでソケットが付属します。素直にソケットに装着した上で、基板のソケットにセットしました。

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出力オフセット電圧は-0.4/1.6mVで問題ありません。次はLPFです。オペアンプはMUSES8920です。このオペアンプは通常フレームなのでソケットは付属しません。そのまま装着します。

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同様に出力オフセット電圧を確認しました。バッファの出力電圧が加算されますが、0.2/3.2mVで問題ありません。この状態で周波数特性の測定をしておきます。

Mid_LPF周波数特性測定

2Vppの正弦波を入力し、出力波形をポケットオシロでモニタして伝達特性を測定します。久しぶりに発信器を引っ張り出しました。

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いつものとおり、10Hzから周波数を上げていきます。写真は1kHz時の入出力波形です。

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測定結果は以下のとおりです。

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6kHzの減衰量が約-4.8dBで、減衰特性は約-12dB/octとなっていてほぼ設計どおりです。但し、測定系のダイナミックレンジの関係からすぐに測定限界に達して、系本来の特性が見えません。そこで以前に作成した10倍(20dB)のプリアンプを減衰域で使う事にしました。

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改めて減衰域の特性の測定を行いました。結果は以下のとおりです。

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結果は、15dB以上測定限界が下がり、これで本来の特性がだいぶ見える結果となりました。注意点は、通過域で使用すると出力がクリップするので、減衰域でのみ使用する必要があります。結果を見ると、1MHzでも-55dB以上の減衰量を確保しているので、フィルタの特性としては問題ありません。

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写真は6KHzの入出力波形です。減衰量は約-4.9dBです。ほぼ設計どおりの特性となっています。

Mid HPFフィルタ通電確認

Mid HPFもMUSES8920を実装します。出力オフセット電圧は-0.9/1.9mVで問題ありません。初めに通過域でゲイン1倍を確認した上で、10Hzから確認をスタートします。減衰域なのでプリアンプを最初から使用します。結果は以下のとおりです。

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以上は、Coldチャンネル特性の測定結果ですが、Hotチャンネルも同様に測定をしました。Coldチャンネルと同等の特性となっています。

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Lowブロック動作確認

Midブロックと同様にボルテージフォロワとアクティブフィルタ用のオペアンプを実装します。それぞれの出力オフセット電圧は、-1.3/0.6mVと-1.2/0.3mVです。特に問題はありません。

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Lowチャンネル周波数特性の測定

Midチャンネル同様に周波数特性の測定をします。結果は以下のとおりです。

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Hot/Coldともに素直な特性です。カットオフ周波数500Hzの波形の確認を行いました。

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減衰量は、約-5.2dBでした。位相差は、0.517mSで-93°です。これもほぼ設計どおりです。ここまでほぼねらいどおりの特性の確認ができました。次回はHighブロックの通電確認から行います。

 

つづく(製作編5)

チャンネルデバイダ製作2(製作編3)

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製作編3

1枚目の基板のレベルバランスボリューム用端子台配線から再開します。

レベルバランスボリューム端子台配線

1枚目の基板の残りの配線は、入力信号を一旦基板で受けて、その信号をMidとHigh用のレベルバランス調整用に出力する端子台配線です。単純に配線するとGNDループができますが、端子台への配線は普通に行い、このループで問題が発生した場合は、配線側(電線)で対応することにします。Hot側の配線はジャンパ対応できましたが、Cold側は被覆電線を使わざるを得ませんでした。

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通電確認1

アクティブフィルタ用のCRを実装していませんが、基板配線が終わったこの状態で一旦通電確認を行います。確認の方法は、電源端子台から+/-12Vを供給し、オペアンプ用のソケットの各端子電圧確認を行います。合わせて段間および端子台への配線確認をテスタで行います。各オペアンプソケットは、アクティブフィルタのCRを取り付けていない為、電源以外ボルテージフォロワの入力抵抗くらいしか端子電圧を決める部品はありません。それでは確認を始めます。

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+/-12Vはユニバーサル電源から供給します。万が一を考えて過電流保護を100mAに設定しました。確認結果は以下のとおりです。

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ほとんどの端子が不定ですが、所定の状態を確認しました。続いて電源を切り、端子台および各オペアンプソケット間の接続確認を行います。テスタで抵抗値測定を行いましたが、微妙な数値は0Ωと見なします。

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出力段のオペアンプと出力端子台間のみ100Ωで、それ以外は0Ωと所定の状態の確認ができました。現状で出きる範囲で配線確認が終わりました。

アクティブフィルタCR取り付け

改めて最終回路図を掲載します。

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1つのフィルタ当たり、計4個のCRを取り付けます。回路図を見ながらの取り付けはミスをしそうなので、実装用の資料を作成しました。

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それぞれのポストに取り付けるCRの定数を記載しています。どのポストにもCとRを交互に取り付けますが、LPFとHPFでは順序が異なります。選定したコンデンサは誤差5%品のフィルムコンデンサーですが、写真のとおりフォーミングして取り付けました。

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それではMidブロックから取り付けていきます。抵抗は、適当な長さでリードの片側をカットし、それをポストにハンダ付けし、続いて反対側をハンダして余分なリードをカットします。ポストのモールドは熱に弱い為、手早くハンダします。コンデンサも上記でフォーミングしたものの片側のリードをカットし、それをポストにハンダ付けし、続いて反対側をハンダして余分なリードをカットします。この作業を延々繰り返します。

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続いて、LowブロックのアクティブフィルタCRを取り付けます。シャーシ実装時にレベルバランス調整用のボーリュームとのクリアランスが気になる為、スチコンは実装後に倒して背が低くできるように配慮しました。

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最後はHighブロックです。前回の製作までは、CR取り付け用のポストは2pinを選択し、基板実装は2個のポストを1穴開けて行いましたが、4pinを使ってもCRの取り付けは窮屈ではなかった為、ポスト自体の取り付けを考えると、4pinの選択の方が格段に良かったとおもいます。

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CR実装に当たり、コンデンサは必要部品をほぼ必要な数分購入しましたが、抵抗は100本単位で購入しました。現状、普通の製作であれば、ほぼ在庫対応できますが、今回はカットオフ実現の為、普段使用しない定数が必要となり、新たに3.9k, 5.6k, 6.8kを在庫する事になりました。これで基板1の実装完了です。次回は通電確認2を行います。

ps.週末に本当に久し振りにカゼにつかまってしまいました。上記の作業は比較的具合の良い合間に行い、なんとか記事分の作業をこなす事ができましたが、先週まで持っていた1回の記事分の余裕を吐き出してしまいました。とほほ・・・。

 

つづく(製作編4)

チャンネルデバイダ製作2(製作編2)

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製作編2

Midチャンネルアクティブフィルタの実装続きから再開します。

Midチャンネル実装続き

Midチャンネルの残りの配線は、段間の接続、入出力端子台配線と電源配線です。出力端子台への配線ですが、発振防止のダンピング抵抗100Ωを介して接続します。全チャンネルともに端子台に対して抵抗が同じ配置にできるように実装位置を決めました。続いて段間の接続です。まだ1本も被覆電線を使用していない為、ジャンパ線を駆使して被覆電線を使わずに配線しました。次に入力端子台とボルテージフォロワの接続をします。配線が込み合っていますが、ここもジャンパ線を使って被覆電線を使用せずに接続できました。部品面の長いジャンパ線が段間の接続です。見栄えを考慮してまっすぐな電線を使用するべきでした。

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合わせて他チャンネルの入力端子台のGND配線を行いました。まだ電源配線が残っていますが、Mid/Highチャンネルをまとめて検討をする為に後回しにします。

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Lowチャンネル実装

アクティブフィルタ回路が1つ少ないだけで、Midチャンネルと回路は同じです。出力端子台脇のエリアが空きスペースになります。初めにアクティブフィルタ回路のCR固定用のポストを4個取り付けます。

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出力端子台側のアクティブフィルタがありませんが、GNDラインおよび出力端子台への配線は、Midチャンネルのものを踏襲します。

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続いてLowチャンネルのボルテージフォロワの実装を行います。配線はMidチャンネルをまねるだけなので、単純作業です。

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残り、段間の接続および出力端子台、入力端子台への接続を行ってLowチャンネルの実装は完了です。

Highチャンネル実装

最後はHighチャンネル実装です。Lowチャンネルと回路構成は同じですが、回路の実装位置をLowチャンネル用回路とオーバーラップさせた為、GNDライン等が同じ配線ができなくなっています。初めにアクティブフィルタ回路を実装しますが、この回路はは同じ実装ができます。

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今度は基板中程が空きスペースになります。GNDラインは、オーバーラップさせたLowチャンネル用アクティブフィルタポストをよける為に、迂回させて配線しました。

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最後に残ったHighチャンネル用のボルテージフォロワの実装を行います。アクティブフィルタ用のCRを除き、全て部品実装が完了しましたが、見た目にスカスカした印象はあまり変わりませんでした。

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電源およびレベルバランスボリューム用端子台への配線は残っていますが、被覆電線を使わずにここまで配線ができました。

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電源ライン配線

+/-12Vを各オペアンプへ給電します。今回使用したオペアンプは、4pinがマイナス電源で8pinがプラス電源なのでMid/Low/High回路ブロックを+/-12Vの電源ラインで挟み込むと素直に給電できます。最初はMidブロックの配線です。

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わりと素直に配線できました。次はLowブロックです。LowとHighブロックをオーバーラップさせたため、-12Vラインの敷線をあきらめ、Midブロックのラインから給電しました。最後はHighブロックです、Low/Highブロック間になんとか+12Vラインを敷線し、給電しました。-12Vラインは基板の一番端に敷線して給電しました。

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区切りはあまり良くありませんが、次回はボリューム配線から再開します。

 

つづく(製作編3)

チャンネルデバイダ製作2(製作編1)

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製作編1

設計が終わったので、基板の実装から製作を開始します。

回路ブロックの配置

設計編1の記事のとおり、今回は片チャンネル分を1枚の基板に実装します。その記事で検討した回路ブロックの配置図を再掲載します。

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端子台の配置を決めていなかったので、追加で検討します。入力信号に対してLowのみ直接ボルテージフォロワに入力し、Mid/Highはレベルバランス調整用のボリュームを介してボルテージフォロワに入力します。

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配線の都合を考えて一旦入力信号を基板で受けて、Mid/Highのボリューム用に基板端子台から信号出力する事にします。回路ブロック配置図に端子台情報も追加してみますが、アクティブフィルタが横に3回路並ぶ部分は寸法的に厳しいので合わせて配置を見直してみました。

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LowとHighのアクティブフィルタ回路をオーバーラップさせたこの配置であれば、実装面で余裕が取れそうです。

回路見直し

基板単品の動作確認を考慮して各チャンネルのボルテージフォロワに入力抵抗を追加します。手持ちの在庫を考慮して47kΩとしました。今回は、発振防止用の出力部ダンピング抵抗を最初から入れておく事にします。抵抗値は暫定で100Ωとします。

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部品配置検討

先程検討した配置図を基に、基板上へ大物部品の配置をしてみました。

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隣り合うアクティブフィルタ定数実装用のポスト間隔を検討時に見込んでいなかった為、Low用回路とHigh用回路のオーバーラップ量を増やしてポスト間隔を確保しました。実際に部品を置いてみるとスカスカした印象です。実装が左右非対象なのも違和感があります。ケースへの基板実装の向きを手前側を入力側とすると、ボリュームまでのシールド線の配線長を減らす事ができます。この配置を考慮して電源端子台を電源基板側に変更しました。

基板部品実装

上記で部品配置したものを、そのまま基板を立ててオペアンプ用のDipソケットを仮止めします。

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各ソケット1つのピンのみハンダ付けし、ソケットを押さえながら仮止めした端子にコテを当てて直し、ソケットの傾きをとります。傾きが取れた状態でもう1つのピンをハンダします。この作業をソケット7個分繰り返します。次にMid用アクティブフィルタのCR取り付け用のポストを実装します。CR取り付け時にポストのモールドを焦がしてしまわないように、ポストのガイド用のモルールドの一部をニッパでカットします。

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アクティブフィルタ1回路分4個処理したら取り付けます。ポストもソケットと同じ要領で取り付けます。但し、ソケットよりも熱に弱いので手短にコテをあてます。そのままオペアンプとCR用ポスト周りの配線を行いましたが、前に実装した基板を参考にしたので効率的に進められました。

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パスコンを取り付ければアクティブフィルタ回路は完成です。

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次は入力段のボルテージフォロワ回路を組立ます。実装部品は入力抵抗とパスコンのみです。これで基板上で回路規模が一番大きいMidチャンネルの実装全体が把握できたので、GNDラインの敷線を検討します。ループにならないように、かつLow/Mid/Highのそれぞれの回路電流の影響が出にくい配線を考慮しました。3つのオペアンプの両側に敷線し、片側を入力と出力に接続しました。LowとHighも同様の敷線とする予定です。

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Midチャンネルの残りのLPF回路をHPF回路と同様に実装します。

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Midチャンネルの残りは、各段間の接続および入出力端子台接続と電源配線ですが、次回に続きから実装を再開します。

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つづく(製作編2)

チャンネルデバイダ製作2(設計編3)

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設計編3

ケースの選定が終わったので、リアパネルの加工図を作成します。

ケースの選定つづき

今回は初めて使用するフレーム構造のケース、OSシリーズを選定しました。前回の記事では触れませんでしたが、一旦SLシリーズを選定して記事まで作成していました。この2つのシリーズの違いは、天板と底板の材質です。SLシリーズはSPCCでOSシリーズはアルミが採用されています。下記はタカチ電機工業のHPの画面の抜粋です。

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初期選定の時は、サイズにばかり気を取られて材質の確認まで気が回りませんでした。前回の記事作成後に、他にどんなシリーズがあるか確認した際に気がつき、選択を変更して、それに合わせて記事も修正しました。気づかずに進めていたら、底板の加工に苦労していたとおもいます。

XLRパネルコネクタ寸法測定

今回はリアパネルにXLRパネルコネクタが8個付きます。今回も手加工の限界を越えているのでタカチの加工サービスを利用したいとおもいます。今まで2回リアパネルの加工サービスを利用しましたが、XLRパネルコネクタの取り付けに関して、2回とも後加工を発生させてしまいました。1度目は固定用ネジ穴の左右を違えて、手加工で穴を開けて対応しました。2度目は穴位置のズレによりネジが入らず、ヤスリで穴位置を修正しました。原因は使用したXLRパネルコネクタの図面がなく、現物から寸法を拾った際の誤差です。今回は同じ過ちを繰り返さない様に寸法を測り直す事にしました。下図は、バランス12chアッテネータユニットのリアパネル加工図です。

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CADの測定機能を使って、XLRパネルコネクタの取り付け用のネジ穴間の寸法を測っています。図面上は32.02mmです。続いて現物の測定ですが、正確に測るために工夫をしてみました。たまたま持っていた台湾の5圓硬貨とパネルコネクタの突起部分のサイズがほぼ同じだったため、この硬貨を型にして寸法記入用の紙に円を描きます。

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上記で描いたラインに沿ってカッターで丸穴を開けて、それをパネルコネクタの突起部に差し込みます。

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同様の手順でダンボールに丸穴を開けて、その穴に寸法記入用の紙と共にパネルコネクタの突起部をを差し込むと準備完了です。固定用のねじ穴のセンターおよび各辺に沿ってラインを引いたら、パネルコネクタを取り外します。

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これで固定用ネジ穴のセンター間の距離が正確に測定できます。結果は30.5mmでした。

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その差は1.52mmでネジ穴片側換算で0.76です。CADのグリッド間隔X/Y軸共に0.5mmに設定して、各ネジ穴のセンターをパネルコネクタセンター方向にX/Y方向ともに0.5mmづつずらす事でネジ穴片側で約0.7mm間隔を縮める事ができます。この対応で今度こそ後加工を発生させずに済みそうです。

リアパネル加工図

選択したケースのパネル寸法は314mm x 81mmです。さらにフレーム寸法を図面からよみとり、部品固定が可能な有効寸法を点線で描きます。取り付ける部品は、XLRパネルコネクタ8個とヒューズホルダおよびACインレットです。全て前回製作したアッテネータユニットの部品と同じ物を選定しました。その時の図面からコピーして加工図を完成させました。

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XLRパネルコネクタの取り付け用のネジ穴位置のみを変更しています。参考として選定したヒューズホルダとACインレットを掲載します。

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フロントパネルは、他機種と同様に自前で加工する予定です。取り付ける部品は、トグルSW、電源ランプおよび4連ボリュームが2個です。4連ボリュームの位置がキーとなりますが、基板実装部品とのクリアランスを確認した上で、位置を決めたいと考えて、加工図の作図は後回しとします。次回は基板実装を行います。

 

つづく(製作編1)