番外編25
国内最大のオーディオイベント、インターナショナルオーディオショウに今年も行ってきましたのでレポートします。
2018インターナショナルオーディオショウ
今回は第36回となり、今年も有楽町の国際東京フォーラムで11/16(金)~11/18(日)の3日間開催されました。自宅からのアクセスは、小田急線代々木上原で千代田線に乗り換えして日比谷下車A2出口から約3分で会場です。千代田線はお茶の水に行くときも利用しましたが大変便利です。入場は無料ですが、受付で登録が必要です。主催は国際音声協会(JASJ)で、出展は32社、192ブランドとの事です。私は中日の17日土曜日に行ってきました。
それでは立ち寄ったブースを紹介します。
株式会社ヤマハミュージックジャパン
ヤマハは、過去にK1-dを使用し、NS-1000Mは今でも使っていることもあり、思い入れのあるメーカーです。今回はFlagship HiFi 5000シリーズが揃ったのでぜひ聴いてみたいと考えていました。下記はネットに掲載されたスケジュール表です。せっかくなので設計者のトーク&試聴会のコマに参加しました。
5000シリーズは、NS-5000(スピーカー)、M-5000(パワーアンプ)、C-5000(プリアンプ)、GT-5000(ターンテーブル)で構成されます。
総額で3,900,000円のシステムです。特筆な点は、カートリッジからスピーカーまでフルバランス伝送できる事です。ターンテーブルでバランス出力ができるものは他には思いあたりません。まだアナログレコードには手を出してはいませんが、ぜひ試してみたいと思いました。
今回のデモは、プリアンプとパワーアンプの設計者が登壇し、それぞれのアンプで拘った点についての紹介がありました。
C-5000では全段フローティングバランスグランド方式採用と、ブックマッチコンストラクションの採用でした。プリアンプは、アンプの段数が多く、それをバランス化するとさらに倍の回路が必要になります。それを独自の工夫で簡略化してバランス構成としているようです。ブックマッチコンストラクションは、左右チャンネルの回路をそれぞれ1枚の基板に実装します。その2枚の基板の部品を鏡に映した状態に配置し、その2枚の基板をハンダ面側を対向して配置する事でGNDパターン間の距離を近づける事ができ、GNDの安定化を狙った構造との説明でした。
M-5000はNS-5000にも採用されたPC-Triple C電線採用とメカニカルグラウンドコンストラクション構造の採用が説明されました。PC-Triple Cに関する詳細な説明はありませんでしたが、今回のデモシステムでは、機器間の全ての接続にも使用しているとの事でした。メカニカルグラウンドコンストラクションは、電源用のトロイダルトランスのセンターの固定用のボルトをシャーシと一体に固定する等、実使用時の不要な振動を押さえ込む構造をとっているとの事でした。1曲目は、5000シリーズフルシステムの演奏です。カートリッジはオルトフォンのAC6です。
1960年録音のハイドンの交響曲ですが、スピーカーまたはパワーアンプの音色でしょうか?比較的硬質な音色の印象です。チェロの音が明快で前に飛び出す勢いを感じました。2曲目以降はアキュフェーズのSA-CDプレーヤーDP-750が使用されました。2曲目はヒラリーハーンのバイオリン楽曲です。バイオリンの音の音離れが良く、スピーカーとの相性が良く生き生きと再生されてました。
過去にオーディオ事業を行っていた国内メーカーのうち、今回のオーディオショウに出展した数少ないメーカーなので今後も頑張ってもらいたいと思います。
エソテリック
私が参加したのは、タンノイウエストミンスターGRとアバンギャルドTRIO LUXURY EDITION26の試聴会のコマです。タンノイは、学生時代に友人がデボンをヤマハのB-6をBTL駆動して使っていたので親近感を持っています。デボンは比較的小型のスピーカーでありながら低音がゆったり鳴り、デュアルコンセントリック方式による定位の良さが記憶に残っています。デュアルコンセントリック方式は、1947年に開発され、それ以来他のマルチウェイには走らず、一貫して採用されてきた方式との説明がありました。ウエストミンスターのオリジナルは、ネットで調べたところ1982年発売との事ですが、今回はWestminster Royal/GRとしてモデルチェンジされたものです。
演奏曲は「展覧会の絵」でしたが、ホール感がいい感じで再現できていました。ホーンツイーターによるものと思われますが、中高域音の飛び出し感が印象的で、中低域の響きが厚く、迫力ある演奏でした。続いては、セッティング変更を挟んでアバンギャルドのTRIO LUXURY EDITION26のデモです。
写真のとおり一般家庭に置けるシステムではなく、展示会ならではの試聴体験です。向かって左のステンレス筐体がウーハーでクロスオーバーは100Hzとの事でした。右のホーン形状のユニットで100Hz以上を受け持ちます。見た目はホーンですが、ウェーブガイドとして機能していると説明がありました。音の印象は、音離れが良く、奥行き感の再現もいい感じでした。スケールが大きく音が広がる印象でした。尚、どちらの再生にもエソテリックのモノブロックパワーアンプM1が使用されていました。
次回も引き続きインタナショナルオーディオショウをレポートします。
つづく(番外編26)