2018アナログオーディオフェア(番外編21)

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番外編21

アナログオーディオフェア2018をレポートします。

アナログオーディオフェア

2018年6月9日と10日に開催されたアナログオーディオフェア2018に行ってきましたので紹介します。今回で4回目とのことですが、私は初参加となります。場所は他のオーディオイベントでおなじみのお茶の水の損保会館です。入場無料で、全開催イベントを楽しむ事ができます。主催はアナログアーディオフェア実行委員会で、オーディオ関連の出版社を中心とした7社と共同通信社の計8社が協賛しています。出展ブランドは約60社で、物品の即売も行われていました。

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私が行ったのは、6月9日(土)です。土曜の講演スケジュールを参考に掲載します。

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今回は、協賛雑誌社が主催する講演を中心に見てきました。

最新MCカートリッジ比較試聴

会館の中で即売スペースを除き、一番広い部屋で行われました。主催は音元出版で、進行は小原由夫先生です。

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下のチラシが比較試聴される12のカートリジッジです。

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学生時代には、アナログレコードを中心にシステムを構築していて、少なくとも当時はCDよりもアナログレコードの方が音がいいと考えていました。その後、諸般の事情によってレコードを含めてアナログ関連の機器を全て処分されてしまいましたが、その当時の考えを検証してみたいと思っています。当時との大きな違いはアナログ再生システムは贅沢なもになってしまい、環境を含めてちゃんと再生するためにはそれなりのお金がかかる点です。このような理由から、現時点ではアナログレコード再生に手を出してはいませんが、何れは環境を整えたいとの考えから、今回の講演を聴いてみました。

■比較試聴方法

再生するレコードを含めて、ヘッドシェルからスピーカーまでを共通な環境で比較試聴する事ができました。スピーカーは、昨年の東京インターナショナルオーディオショウのLUXMANブースのデモで好印象だったfocalのスピーカーです。LUXMANのデモで使用されていたのは、MAESTRO UTOPIA EVOでしたが、今回使用されたものは、scala UTOPIA EVOでした。

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アナログプレーヤーはThechnics SL-1000R, ヘッドシェルはOrtofon LH-4000, フォノイコライザーAccuphase C-37, プリアンプLUXMAN C-900u, パワーアンプLUXMAN M-900uです。

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使用されたレコード1枚目はGEORGE SHEARING & MEL TORMEライブレコードです。小原先生が未知の製品に対して最初の試聴で使うレコードとの事で、1982年サンフランシスコのホテルで行われたライブレコーディングをコンコードレーベルから発売されたものです。今回はB面から「ユッド・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥー」が使われました。

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レコード2枚目はRESPIGHIのローマの松でREINER指揮シカゴ交響楽団の1959年の演奏を録音したもので、2013年にアナログプロダクションズが重量盤復刻リリースしたレコードです。使用された部分は、第一部ボルゲーゼ荘の松で特徴はラチェットやトライアングル等なりものがきらびやかに鳴るところです。

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紙面の関係から12の試聴モデルの中から私の印象に残った5種のカートリッジの試聴結果を紹介します。

Accuphase AC-6

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特徴は以下のとおりです。

・ベースに金イオンプレーティングによる硬化処理をしたチタン削り出し素材

・ボディーは金色アルマイト処理したアルミ削り出し素材

・無垢ボロンカンチレバー

・セミラインコンタクト型スタイラス

・磁気回路にネオジウムN50採用

音の印象は、1曲目ベースが生々しく、音が前に出る印象。バランスも良い。2曲目は鳴り物の広帯域感、奥行き表現に影響する響きが綺麗。

■IKEDA Sound Labs 9XX

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特徴は以下のとおりです。

・チタン合金のベース

・ブラックロジウムメッキ処理したアルミニウム合金製のボディー

・ボロン製カンチレバー

・マイクロリッジ形状スタラス

音の印象は、1曲目再現性、音の分離、奥行き感のそれぞれが良くボーカルが自然な感じに再生されました。2曲目は鳴り物は明るい感じで聴きやすく余韻が綺麗に再生されました。

■Ortofon MC Windfeld Ti

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特徴は以下のとおりです。

・センター部メインフレームをチタン粉末の立体成形タイプにアップグレード

ネオジウムマグネットを採用したFSE磁気回路

・ボロン製カンチレバー

レプリカント100スタイラス

音の印象は、1曲目ベースの音に厚みがあり響きが美しい。ボーカルが前に出る印象。2曲目は鳴り物はきらきら感があるが聴きやすい音で、余韻もきれい

■My Sonic Signature Platinum

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特徴は以下のとおりです。

・ベースにチタンを採用

・ボロン製カンチレバー

・セミラインコンタクト針

ネオジウム#50

音の印象は、1曲目ベースに躍動感があり弦を弾く音がリアル。余韻が綺麗。2曲目は鳴り物のきらきら感がありながら聴きやすい音。全体的に綺麗に鳴る。

■TOP WING 朱雀

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特徴は以下のとおりです。

・コアレスストレートフラックス方式の発電構造

・チタン, ドライカーボン等採用による軽量化

・アルミニウム製カンチレバー

・ラインコンタクト針

音の印象は、1曲目ベースの音が厚く躍動感がある。ボーカルが自然で前にでる。余韻が美しい。2曲目は鳴り物の響きが美しく明るく聴きやすい音でした。

感想

ヘッドシェルを含めたカートリッジの交換作業は繊細な調整が必要ですが、短時間で12種類もの製品の聴き比べできたのは貴重な体験でした。それぞれのカートリッジの音の印象の違いを体感する事ができました。交換調整は2名で行われましたが、事前に練習をされていたとの事で、その成果が発揮されていたとおもいます。非常に手のかかる比較試聴をうまくまとめられていた印象です。次回もアナログオーディオショウのレポートをします。

 

つづく(番外編22)