オシロFFT活用検討(設計編1)

設計編1

追加でFFT機能の確認を行い、ハム観測用のアンチエイリアスフィルターの設計を行います。

閑話

Windows8.1のサポートが今月10に終了しました。個人パソコンのOSがWindows8.1なので買い替えました。使用していたパソコンは8年前に29,800円で購入したものでしたが、今回はいろいろ探してLenovo Ideapad 81,290円にしました。(本記事のアイキャッチ写真参照)OSはWindows11でMS office2019付属です。原材料高騰と円安を改めて実感しました。office2019のインストールに一悶着あり、最終的にMSのサポートセンターに電話して、すごい長いIDを伝えて、その後すごい長いNoを口頭で聞いて打ち込みアクティベーションがようやく完了しました。あのマイクロソフトがすごく不効率な事を行っている事に驚きました。閑話休題

FFT機能追加確認

オシロスコープの取扱説明書を改めて確認したところ、繰り返し波形をFFT解析する場合、AVEモードを設定する事と、ACカップリングモードの使用を推奨していました。改めて確認を行ってみます。入力信号は、50Hz/4Vppの正弦波として設定を変えてスペクトル波形の違いを確認してみました。最初は前回記事の測定時の設定とACカップリング時の比較を行います。

予想どおりDCレベルが下がっていますが、低周波域のスペクトルがスッキリしています。次にAVEモードを設定してみます。AVEモードのデフォルトが4回で、16, 64, 128回の設定ができます。まずは4回の設定を試してみました。

AVE=4回設定の方が、ノイズレベルが約6dB下がっています。回路の本質的な特性を確認する場合には、有効な設定だとおもいます。さらにAVEの回数を最大の128回に設定してみました。

さらにノイズレベルが下がりました。但し測定に時間がかかる為、状況に応じて設定したいとおもいます。

アンチエイリアスフィルター

今回想定しているハム観測用設定は、1KS/secなので、500Hzで折り返します。500Hz以上を急峻なフィルターでカットする必要がありますが、現実的には難しい為、200Hzまでパスさせて、それ以上の周波数域をカットするフィルターを設計したいとおもいます。フィルターはサレンキー型アクティブフィルターとし、設計したフィルターの特性を確認して四次か六次のフィルターとします。

回路定数はOKAWA Electric DesignのWebページに掲載されている設計ツールを使って決定しました。通過域の特性をフラットにする為に、Q値は約0.7としています。カットオフ周波数500Hz, 800Hz, 1KHzの二次フィルタを直列に接続した場合の特性を計算してみます。

まず始めに、fc=500Hzとfc=800Hzの二次のLPFの周波数特性を計算して、それを直列に接続した場合の周波数特性をグラフ化してみました。

200Hzではほぼ減衰していません。500Hzで約-3.6dBという結果でした。さらにfc=1KHzの二次のLPFを直列に接続してみます。

500Hzの減数量は約-3.9dBでした。500Hzの減衰量をかせぐために、上記追加したLPFのカットオフ周波数を1KHzから800Hzに下げてみました。

500Hzの減衰量はわずかですが、増えて-4.1dBとなりました。この六次LPFフィルターを採用する事にします。

回路設計

ジグは使い勝手および精度の観点からフィルターの前段にバッファーアンプを実装します。3種類のバッファアンプを実装し、状況により選択できるようにします。ゲインはそれぞれ、0dB、20dB、40dBとします。オペアンプはとりあえずMUSES8920としました。入手できない場合は、別品種に変更します。

今回は特殊な定数のCRを使用するため、部品在庫を確認して事前に発注をかけたいとおもいます。次回はフィルター基板の実装を行います。

 

つづく(製作編1)