終段スイッチング電源検討(構想編3)

構想編3

実際に使用前提でスイッチング電源を購入して改めて特性の確認を行います。

アンプの概要

今回の製作では、現行のLow-ch用アンプと同等仕様のアンプを製作し、大容量コンデンサインプット電源とスイッチング電源アンプと比較を行いたいとおもいます。終段をスイッチング電源化する事で、電源を小型化できるので、トータルコストや使い勝手の面から、ステレオアンプ(A級BTL)としたいとおもいます。改めて現行のLow-ch用アンプの回路図を掲載します。

ドライバ段を含めた終段のアイドリング電流は0.8Aです。BTL構成とするので片チャンネルあたり、2倍の1.6Aとなり、ステレオアンプとするにはさらに2倍の3.2Aのアイドリング電流の供給が必要となります。よって終段用のスイッチング電源としては少し余裕を見て5A品を選定します。改めてアマゾンの販売ページから価格も含めて選定しました。

今回のものはCEマーキングがないかわりに、価格が評価実施した2A品よりも安く、1,637円でした。

評価準備

前回は100Ωのダミー負荷を使用しましたが、電流は0.14Aと実使用状況にマッチしていませんでした。大容量のダミー抵抗の購入も考えましたが、使い勝手が悪そうなので断念しました。そのかわりにアマゾンで電子負荷を探してみたところ、主にバッテリー評価用のもので、安価なジグタイプの物から、試験装置と呼べるような物までラインナップが揃っていました。

その中から安価で、今回の用途に耐えられそうなものとして下記を選択しました。

価格は2,881円です。最大10A/100Wまでの電力消費が可能なものです。レビューを確認したところ、利用には注意が必要な事がわかりました。整理すると以下のとおりです。

・負荷用FETとヒートシングが絶縁されていない。ヒートシングが+V電位

・端子台は端からA+, V+, V-, A-

・測定時にはA+とV+を接続する

・ファンは消費電力によらず負荷電流1.5A未満では動作しない

レビューは安いから仕方ないが上記を注意すれば十分使えるとまとめられていました。

確認準備

電子負荷の現品が届きました。

添付品は写真のとおり、DC供給用のプラグ付きケーブルと平ワッシャと六角ナットおよび説明用の白黒写真が印刷されたA4の紙です。A4の紙には下記写真中にあるDC12V電源ジャックと負荷用端子台の説明のみです。

まずは電子負荷にDC12Vを供給してみます。付属のプラグ付きケーブルの電線の色を信じていいものか思案し、念のため電子負荷の基板のGNDラインとDCジャックの黒の電線が接続される端子間の導通を確認しました。これ以上確認の方法がないので、恐る恐る配線し電源オンしてみました。

問題なく起動しました。次はボリュームの確認です。普通は反時計回りに回しきると負荷電流が減るように思いますが、時計回りに回しきるとファンが停止します。ちなみにファン回転時の騒音は激しいです。ボリューム仕様の確認の為にユニバーサル電源に過電流設定を1.5Aにして電子負荷を動作させてみました。

その結果、ファン動作仕様のとおり時計回りに回しきった位置が負荷電流0で、反時計回りで負荷電流が増える事が確認できました。これで試験準備完了です。ターゲットの電源につなぎ替えて試験を開始します。試験の結果は次回紹介します。

 

つづく(構想編4)