構想編2
スイッチング電源をテスト購入して特性の確認を行います。
スイッチング電源
仕事では、開発製品に搭載している為なじみのある部品ですが、今まで個人的に購入した事はなかったと思います。会社の製品には、TDKラムダ製の電源を搭載していますが、昨年は部品の調達難で大変な目にあいました。例えば、ネット上に在庫を見つけると高額であっても購入したりしました。この記事公開時点でもまだ調達難は続いている状況です。まずは特性の確認用に安価な物を探して購入してみます。アマゾンのサイトで「スイッチング電源」で検索をかけると手頃な物がいくつも見つかりました。
現行パワーアンプの置き換えを狙うためラインナップの多い12V品を購入してみます。選定したものはCURE 12V/2A品1,991円です。
仕様は以下のとおりです。
・入力電圧:AC90V~250V
・出力電圧:12V(10.0V~13.5V調整可能)
・出力電流:2A
スイッチング電源確認
注文後、すぐに現品が届きました。
思いの外コンパクトです。CEマーキングがされていますが、ちゃんと評価されているのでしょうか?今回の用途の場合、EMC特性が気になります。開封してみます。
端子台はL, N, FG, V-, V+が設けられています。端子台の隣には出力電圧調整用のボリュームとパイロットランプがあります。アンプの終段として使用する場合は、電源2個を購入して一方をマイナス電源として使用する必要があります。という事でまずは、FGとV-, V+が絶縁されている事を確認しました。問題なく絶縁されています。+/-電源として使う場合は、プラス電源側はFGとV-をマイナス電源側はFGとV+を接続して使用します。まずは負荷状態で電源リップルを観測してみます。ダミー負荷は在庫品の100Ω抵抗を使用しました。仕様は不明ですが、外見から2Wクラスと思われます。12V出力に接続した場合の消費電流は0.12Aで消費電力は1.44Wです。LN端子へ電源コードを接続し、V-とV+に100Ω抵抗を接続して負荷の両端の電圧波形をオシロスコープで観測しました。
観測結果は以下のとおりです。
リップルのピーク振幅は175mVでした。無負荷状態のリップル波形も確認してみました。
リップル波形のピーク振幅は83mVに下がりました。この波形を見るとパスコンを付けたくなりますが、スイッチング電源出力に取り付けてもいいものでしょうか?参考になるかわかりませんが、TDKラムダのスイッチング電源のカタログを確認してみました。電源のスペックにリップル特性があり、その測定方法も記載されていました。下記がその抜粋です。
この方法をまねして、ダミー抵抗に100uFの電解コンデンサーと0.47uFのフィルムコンデンサーを付けて改めてリップル波形を確認してみます。
観測結果は以下のとおりです。
波形は大きく変わりましたが、ピーク振幅はやや小さくなり、137mVでした。発振周波数の確認も行ってみます。
基本周波数は67KHzでした。これら結果からパワーアンプ終段用電源として使えそうなので、製作用に改めて電源を購入してさらに確認を行ってみます。
つづく(構想編3)