終段スイッチング電源検討(製作編15)

製作編15

ケース加工依頼前に、電源配電基板の製作を行います。

電源配電基板実装方針

今回のアンプは私初のBTL方式ステレオアンプとなる事から電源の配電先が多く、電圧増幅段とドライバ段、終段を一対のスイッチング電源から供給する事から、配電の為の専用基板を製作します。回路図は前回の記事で紹介済みですが、改めて掲載します。

実装上の注意点を事前に整理します。

1.終段は大電流を流すので太い電線を使用する

2.電圧増幅段の電源は、終段の電流によるドロップを避ける為に別配線とする

3.基板の実装配置を考慮して端子台の向きを検討する

実装

初めに端子台の配置を検討します。アンプ片チャンネル当たり、3極の端子台が6個必要となります。端子台の密な配置が予想された為、密着させて並べて配置しても電線の配線ができるように、斜めタイプの端子台を購入しました。端子台自体の配線を考えると、縦並びの配置が有利となります。思考錯誤を繰り返しましたがなかなか配置が決まりません。

さらに電圧増幅段用電源系統を入力端子台から専用に配線する為、電圧増幅段用の端子台4個をまとめて配置する事としました。上記を反映した配置は以下のとおりです。

手前の列と奥の列の端子台の向きを変えています。左右のサイドパネルに実装したアンプ配置を考慮した結果です。右側の4個の端子台が電圧増幅段用です。空いたスペースには後で電圧増幅段用のLCR回路を実装します。それでは配線を開始します。最初は終段とドライバー段用端子台配線を行います。他の部分に比べて流す電流が大きいのでφ1.6のポリウレタン被覆電線を使用しました。ハンダ作業にはパワーが必要となるので、40Wのハンダコテを使用します。

初めに片チャンネル終段用とドライバ段用の端子台配線を行いました。

ポリエチレン被覆ハンダの熱で溶けると言われていますが、相当加熱する必要があり、他の部品へ悪影響を与える為、予めハンダ箇所をヤスリで磨き被覆を取り除きます。正直相当な手間がかかりました。反対のチャンネルも同様に配線しました。続いてGND配線を行います。この配線もポリエチレン被覆電線を使用しました。

ここまでは通常配線できましたが、+12Vと-12V配線はジャンパを使用せざる得ません。多少意地になりジャンパ線もポリエチレン被覆電線を使用しました。

まるで仕事で扱っている冷凍回路の配管のようです。続いて電圧増幅段用端子台配線を行います。電圧増幅段の消費電流は少ないので、φ0.6の単線で配線しました。

次は電源入力用端子台脇に100uFの電解コンデンサをとりつけました。

電解コンデンサーが端子台に当たっていますが、他に実装スペースがないので仕方ありません。次に0.47uFのフィルムコンデンサーを実装しました。入力端子台部のハンダ面に取り付けました。

続いて、電圧増幅段用電源を分離する為に1mHのインダクタを取り付けます。

次にオーディオ用電解コンデンサーを取り付けます。仕様は33,000uF/16V品です。この電解コンデンサを選定したものの、電源投入時にスイッチング電源の保護回路が働かないか心配です。実装完了後に確認する予定です。

取り付け後のハンダ面は以下のとおりです。

実装した電解コンデンサから電圧増幅段用端子台へ配線しました。

横配線を部品面、縦配線をハンダ面としてきたおかげで素直に配線ができました。最後に放電用抵抗1.2kΩを2個実装すれば完了です。

この基板の実装には時間がかかってしまいました。次回は実装基板の通電確認を行います。

 

つづく(製作編16)