終段スイッチング電源検討(設計編5)

設計編5

ケースのサイドパネルとボトムシャーシの加工図を作成してケースの加工図を完成させます。その後、最後に残った電源配電用基板の回路図を作成します。

サイドパネル加工図

サイドパネルには、2台分のアンプを取り付けます。具体的に取り付ける部品は下記部となります。

・アンプドライバ段まで実装基板2枚

・終段用トランジスタ実装基板2枚

・終段用トランジスタ8個(コンプリメンタリペアx4)

・温度補償用トランジスタ2個

ケースのサイドパネルの図面からフランジ固定部分を除いた範囲を有効寸法としてその中に上記部品を実装します。フロントパネルと取り付ける基板間およびリアパネルと基板間のクリアランスを30mm、2枚の基板間のクリアランスを29mmとして配置しました。アンプ基板と終段用トランジスタ実装基板間もできる限りクリアランスを確保して終段用トランジスタの配線を考慮しました。作成した加工図は以下のとおりです。

取り付け穴は全てM3タップでねじを切る為、下穴径を2.5としています。終段用トランジスタ実装基板の取り付け穴4個中の2個は、手加工であけている為、加工図は現物合わせ前提として、図面には穴を描いていません。フロントパネルとリアパネルに取り付けるハンドルとの干渉の状況を見て、アンプ基板の取り付け位置を後で改めて確認する予定です。

ボトムシャーシ加工図

ケース選定の際に一度取り付け部品の配置検討を行いました。

取り付け部品は以下です。

・スイッチング電源3個

・配電用基板1枚

・オフセット検出用基板1枚

・出力保護&電源ランプ点灯制御基板1枚

Arduino UNO

配置が信号の流れに沿っていない事が気になりますが、うまく配置できないのでまずは上記配置検討結果を元に加工図をつくってみました。

外形はボトムシャーシの図面上の有効寸法としています。出力保護&電源ランプ点灯制御基板の取り付け穴2個は手加工したため、サイドパネルに取り付ける終段用トランジスタ実装基板の取り付け図面と同様に後で現物合わせで穴位置を決める予定です。arduino UNO取り付け穴も樹脂固定版を使って現物合わせします。図面の最終決定は、フロントパネル、リアパネル、サイドパネルの組立完了後に部品間の干渉確認を行って最終決定する予定です。これでケースの加工図の作成は完了しましたが、リアパネル加工依頼前に改めて部品現品および製作済みの同シリーズのケースを見て確認を行いたいと考えています。

配電用基板回路図

今回のアンプはBTLステレオ構成の為、電源配線が多くなります。事前に配線を考えておく必要がありますが、その結果を配電用基板に反映します。基本はスイッチング電源2台から電源供給を受けて、それを4系統のアンプに供給します。その際に以前の記事でも言及しましたが、電圧増幅段用電源はLC部品を使って終段用電源と分離します。作成した回路図は以下のとおりです。

2台のスイッチング電源を直列接続して、それを+/-12V電源入力に接続します。回路図上段が終段およびドライバ段用で、各アンプ用に端子台2個(ドライバ段と終段)としています。回路図下段は電圧増幅段用で、LC回路で終段用電源と分離しています。1.2kΩの抵抗は放電用に実装します。この回路図だけでは、私の標準基板に実装できるかわかりません。1枚に実装できないとなると、ボトムシャーシの部品配置検討からやり直す必要があるので、リアパネル加工依頼前には、実装を行いたいとおもいます。次回は、作成した加工図を改めて見直し、部品干渉がない事を確認した上で、リアパネルの加工依頼をします。

 

つづく(設計編6)