終段スイッチング電源検討(製作編16)

製作編16

前回の記事で製作紹介した配電用基板の通電確認を行います。

通電確認1

改めて回路図を掲載します。

初めはユニバーサル電源から電源供給して各端子出力の確認を行います。ユニバーサル電源の過電流保護設定値は迷いましたが200mAとしました。配電用基板には、+/-12V電源のみ接続しました。

電源オンするとユニバーサル電源の過電流保護が働いている事を示すランプが赤く点灯し、出力電圧が設定値よりも下がっています。これは電圧増幅段用電源系に入れた33,000uFの電解コンデンサーのチャージ電流による影響です。数秒でチャージが完了し、電圧値が12Vに戻りました。定常状態の消費電流は、放電用抵抗1.2kΩ負荷分のみです。各端子台の電圧を端から確認しました。

一通り確認が終わりましたが問題はありませんでした。

通電確認2準備

次は実際に使用するスイッチング電源を使用して通電確認を行います。確認のポイントは、電源オン時にスイッチング電源の保護回路が働かない事の確認です。選定したスイッチング電源はTDKラムダ製のRWS50B-12です。参考に仕様を掲載します。

2台のスイッチング電源を使用して+/-電源を構成するには以下の配線が必要です。

まずは2台の電源にAC100Vを供給する必要があります。スイッチング電源は配線用にネジ式の端子台を採用しています。アンプ製作時の信頼性をあげるために、配線に丸端子を使用する事にしました。何かの買い物のついでにアマゾンで格安の圧着工具が販売されている事を確認していました。今回それを購入しました。

圧着工具はIWISSブランドで0.5-6.0sq電線に対応するHD-6です。購入価格は1,480円でした。一緒に購入した圧着端子セットはサムコスブランドでO型Y型各5種類でトータル320個セットのものです。価格は710円でした。本当に信頼性を追求するのであれば国産のリン青銅製のものを選択すべきですが、アンプ用なのでこれで問題ないと判断しました。さらにAC100Vの2分岐用に端子台も購入しました。

YFFSFDCブランドの端子台とショートバーのキットで購入価格は845円でした。端子台は2列型で4極、5極、6極が各2個とショートバーも端子台の数量に合わせてセットされています。信頼性面での性能差はあると思いつつ、「仕事で購入する端子台1個分の価格でこんなセットが買えるなんて」と考えてしまいました。電線は私が使用する端子台の対応最大太さのものを、赤、黒、青を購入しました。

AWG16でUL1015品です。耐圧を下げる事で価格セーブしています。袋にはULのワイヤーハーネスプログラム準拠シールが貼られています。早速丸端子を圧着してみました。

奥は、丸端子の圧着工具へのセットの向きを間違えたため、電線が見えてしまっています。アンプ製作の本番では間違えないようにしたいとおもいます。AC100V分岐用の端子台は、板切れに固定しました。

各端子を2分岐させる為にショートバーを取り付けました。

全ての電線の加工を終わらせて、配線を行います。

これで全配線が完了しました。

通電確認2

通電確認は、配電基板出力をオシロスコープでモニタします。(評価風景は本記事アイキャッチ写真参照)ACプラグをスイッチ付きのタップに挿しこみ、電源オンしました。スイッチング電源の保護回路は動作せずに正常に起動しました。

黄色が+12V電源、青が-12V電源です。マイナス電源の起動がやや遅れていますが、100ms後には電源はほぼ立ち上がっています。同様に電源オフ時の確認も行いました。無負荷時は1.2kΩ負荷で放電されます。

1分経過しても数ボルトの電圧が残留しています。スイッチング電源使用時も配電基板に問題ない事が確認できました。次回はケースの加工図を見直して、リアパネルの加工見積もりを行います。

 

つづく(設計編6)