終段スイッチング電源検討(製作編34)

製作編34

前回まではユニバーサル電源を使って通電確認を行いましたが、今回はスイッチング電源を使って通電確認を行います。

通電確認

スイッチング電源を使った通電確認では、アンプの起動確認、電源オン時のノイズ出力、スイッチング電源の温度上昇を確認します。まずはアンプ基板No.4から行います。電源配線用の電線は極力、廃電線を使用しました。2台のスイッチング電源へのAC電源供給は、以前の確認で使用した端子台を使って分岐供給をしました。電源のオンオフは、節電タップ(スイッチ付き)で行いました。

まずはNo.3基板単体接続時の電源の立ち上がり波形を確認しました。

黄色が初段用+電源で青が終段用+電源です。終段に比べて初段電源の立ち上がりが遅れているのは、回路に起因します。下記が配電基板回路図です。

どちらも同じスイッチング電源から供給されますが、発振防止の為、初段電源にはLCフィルタを入れています。電圧増幅段が差動構成で且つ、BTL回路方式だから許容できる回路だと考えます。続いて電源オン時の出力ノイズの確認を行います。今回のアンプはマイコン制御によるスピーカー保護機能を実装するので、影響はありませんが、念のための確認となります。

黄色が初段電源で青が出力ノイズです。最大マイナス8V近いノイズが発生しています。約100mSで解消します。おそらくプラスとマイナスの電源の立ち上がり特性差に起因すると考えられます。通電時の出力オフセットや、バイアス電流の確認を行いましたが問題はありませんでした。

アンプ基板2枚通電

次は、同じサイドパネルに取り付けているNo3基板も同時に通電してみます。配線は、初段配線3本、ドライバー配線3本、終段配線3本です。そこそこ手間がかかります。できる限り廃電線を使って配線を完了しました。

かなり配線がごちゃごちゃしてきましたが、電線を色分けしているので誤配線は防げているとおもいます。No3基板電源オン時と同様に初段電源立ち上がりとNo4基板出力ノイズをモニタしました。

結果はNo3基板単体時のNo3基板出力とほぼ同等でした。No4基板も通電時各部電圧を確認しましたが、問題ありませんでした。長時間通電状態で放置して、サイドパネルおよびスイッチング電源の温度を確認しました。サイドパネルは予想の範疇でしたが、スイッチング電源は、まだ半分の負荷にもかかわらずケースの温度が予想以上に高くなっていました。

3枚同時通電

アンプ基板3枚以上同時通電するには、両サイドパネルが必要となります。上記通電時と同様にサイドパネルを並べて通電する事も考えましたが、仮組立したケースをばらす必要があります。仕方がないので、サイドパネルはケースに取り付けて、仮電源シャーシを作って、それをケースに入れて通電確認を行う事にしました。仮電源シャーシですが、アルミ板をカットしてつくる事も考えましたが、手間がかかるので段ボールで作ることにしました。取り付ける部品は、スイッチング電源2台と、配電基板および、AC分配用の端子台です。部品取り付け用の穴はキリで開けて、取り付けはM3ネジに平ワッシャーを使ってネジ抜けを防止しました。まずは、電源2台と配電基板を取り付けました。

続いて、AC分配用の端子台を木の台座ごと、両面テープで段ボールに貼り付けました。

この仮電源シャーシを仮組したケースに入れてアンプ基板の通電確認を進めます。次回は、最初にまだ通電していないNo.2基板から確認を再開します。

 

つづく(製作編35)